$n$ は自然数、$a, b$ は $|a| + |b| \le 1$ を満たす実数とする。関数 $f(x) = ax^{2n} + b$ とおく。方程式 $f(x) = x$ の実数解で、$-1 \le x \le 1$ の範囲にあるものが存在することを示せ。

代数学不等式関数実数解中間値の定理
2025/6/10
## 数学の問題の解答

1. 問題の内容

nn は自然数、a,ba, ba+b1|a| + |b| \le 1 を満たす実数とする。関数 f(x)=ax2n+bf(x) = ax^{2n} + b とおく。方程式 f(x)=xf(x) = x の実数解で、1x1-1 \le x \le 1 の範囲にあるものが存在することを示せ。

2. 解き方の手順

まず、g(x)=f(x)xg(x) = f(x) - x と定義します。 つまり、g(x)=ax2n+bxg(x) = ax^{2n} + b - x となります。
f(x)=xf(x) = x の実数解が存在することは、g(x)=0g(x) = 0 の実数解が存在することと同値です。
次に、g(1)g(-1)g(1)g(1) の符号を調べます。
g(1)=a(1)2n+b(1)=a+b+1g(-1) = a(-1)^{2n} + b - (-1) = a + b + 1
g(1)=a(1)2n+b1=a+b1g(1) = a(1)^{2n} + b - 1 = a + b - 1
ここで、 a+b1|a| + |b| \le 1 であるから、 ab1-|a| - |b| \ge -1 となり、
1a+b1-1 \le a+b \le 1 が成立します。
したがって、0a+b+120 \le a+b+1 \le 2 であり、g(1)0g(-1) \ge 0 となります。
また、2a+b10-2 \le a+b-1 \le 0 であり、g(1)0g(1) \le 0 となります。
g(x)g(x) は連続関数なので、g(1)0g(-1) \ge 0 かつ g(1)0g(1) \le 0 ならば、中間値の定理より、1x1-1 \le x \le 1 の範囲に g(x)=0g(x) = 0 となる xx が少なくとも1つ存在します。
もし、g(1)=0g(-1) = 0 であれば、x=1x = -1f(x)=xf(x) = x の解となり、1x1-1 \le x \le 1 を満たします。
同様に、g(1)=0g(1) = 0 であれば、x=1x = 1f(x)=xf(x) = x の解となり、1x1-1 \le x \le 1 を満たします。
g(1)>0g(-1) > 0 かつ g(1)<0g(1) < 0 の場合、中間値の定理より 1<x<1-1 < x < 1g(x)=0g(x) = 0 となる xx が存在します。
いずれの場合でも、f(x)=xf(x) = x の実数解が 1x1-1 \le x \le 1 の範囲に存在することが示されました。

3. 最終的な答え

方程式 f(x)=xf(x) = x の実数解で、1x1-1 \le x \le 1 の範囲にあるものが存在する。

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