(1) 正の整数 $n$ を3で割ると2余り、7で割ると6余る。このような $n$ の中で最小のものを求めよ。 (2) 正の整数 $m$ を3で割ると2余り、7で割ると6余り、11で割ると5余る。このような $m$ の中で最小のものを求めよ。

数論合同式中国剰余定理整数の性質
2025/6/10

1. 問題の内容

(1) 正の整数 nn を3で割ると2余り、7で割ると6余る。このような nn の中で最小のものを求めよ。
(2) 正の整数 mm を3で割ると2余り、7で割ると6余り、11で割ると5余る。このような mm の中で最小のものを求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
nn を3で割ると2余るので、n=3k+2n = 3k + 2 (kk は整数)と表せる。
また、nn を7で割ると6余るので、n=7l+6n = 7l + 6 (ll は整数)と表せる。
したがって、3k+2=7l+63k + 2 = 7l + 6 より、3k=7l+43k = 7l + 4となる。
k=7l+43k = \frac{7l + 4}{3}
l=2l=2 のとき、k=14+43=183=6k = \frac{14+4}{3} = \frac{18}{3} = 6 は整数になる。
n=3k+2=3(6)+2=18+2=20n = 3k + 2 = 3(6) + 2 = 18 + 2 = 20
n=7l+6=7(2)+6=14+6=20n = 7l + 6 = 7(2) + 6 = 14 + 6 = 20
よって、n=20n = 20は条件を満たす。
3377の最小公倍数は2121なので、一般解は n=20+21tn = 20 + 21t (ttは整数)。
最小のnnt=0t=0のとき、n=20n = 20
(2)
mm を3で割ると2余るので、m=3k+2m = 3k + 2 (kk は整数)と表せる。
mm を7で割ると6余るので、m=7l+6m = 7l + 6 (ll は整数)と表せる。
mm を11で割ると5余るので、m=11p+5m = 11p + 5 (pp は整数)と表せる。
したがって、3k+2=7l+6=11p+53k + 2 = 7l + 6 = 11p + 5 となる。
まず、3k+2=7l+63k + 2 = 7l + 6 より、3k=7l+43k = 7l + 4となる。
k=7l+43k = \frac{7l + 4}{3}
l=2l=2 のとき、k=14+43=183=6k = \frac{14+4}{3} = \frac{18}{3} = 6 は整数になる。
このとき、m=3(6)+2=20m = 3(6) + 2 = 20, m=7(2)+6=20m = 7(2) + 6 = 20
次に、m=20+21t=11p+5m = 20 + 21t = 11p + 5 を満たす ttpp を探す。
20+21t=11p+520 + 21t = 11p + 5 より、21t+15=11p21t + 15 = 11p
p=21t+1511p = \frac{21t + 15}{11}
t=5t = 5 のとき、p=21(5)+1511=105+1511=12011p = \frac{21(5) + 15}{11} = \frac{105 + 15}{11} = \frac{120}{11} は整数にならない。
t=6t = 6 のとき、p=21(6)+1511=126+1511=14111p = \frac{21(6) + 15}{11} = \frac{126 + 15}{11} = \frac{141}{11} は整数にならない。
t=7t = 7 のとき、p=21(7)+1511=147+1511=16211p = \frac{21(7) + 15}{11} = \frac{147 + 15}{11} = \frac{162}{11} は整数にならない。
t=8t = 8 のとき、p=21(8)+1511=168+1511=18311p = \frac{21(8) + 15}{11} = \frac{168 + 15}{11} = \frac{183}{11} は整数にならない。
t=9t = 9 のとき、p=21(9)+1511=189+1511=20411p = \frac{21(9) + 15}{11} = \frac{189 + 15}{11} = \frac{204}{11} は整数にならない。
t=10t = 10 のとき、p=21(10)+1511=210+1511=22511p = \frac{21(10) + 15}{11} = \frac{210 + 15}{11} = \frac{225}{11} は整数にならない。
t=1t = 1 のとき、p=21(1)+1511=3611p = \frac{21(1) + 15}{11} = \frac{36}{11} は整数にならない。
21211111の最小公倍数は231231なので、m=20+231nm = 20 + 231n と表せる。
n=0n = 0のとき、m=20m=20
20201111で割ると、20=11(1)+920 = 11(1) + 9となり、55余らないので、m=20m=20は条件を満たさない。
m=3k+2=7l+6=11p+5m = 3k + 2 = 7l + 6 = 11p + 5
3,7,113, 7, 11の最小公倍数は、3×7×11=2313 \times 7 \times 11 = 231なので、一般解はm=231t+am = 231t + a の形になるはず。
m=231t+20m = 231t + 20の形ではt=0t=0のとき、20201111で割ると99余り、条件を満たさない。
m=3a+2m=3a+2
m=7b+6m=7b+6
m=11c+5m=11c+5
3a+2=7b+63a+2 = 7b+6
3a=7b+43a = 7b+4
a=7b+43=2b+1+b+13a = \frac{7b+4}{3} = 2b+1+\frac{b+1}{3}
b+13\frac{b+1}{3}が整数となるためには、b+1=3kb+1=3k となるkkが存在する必要がある。
b=3k1b=3k-1
m=7(3k1)+6=21k7+6=21k1m=7(3k-1)+6 = 21k -7 +6 = 21k - 1
21k1=11c+521k-1 = 11c+5
21k=11c+621k = 11c+6
k=11c+621k = \frac{11c+6}{21}
c=3c=3のとき,k=33+621=3921=137k=\frac{33+6}{21} = \frac{39}{21} = \frac{13}{7}
c=4c=4のとき,k=44+621=5021k=\frac{44+6}{21} = \frac{50}{21}
c=5c=5のとき,k=55+621=6121k=\frac{55+6}{21} = \frac{61}{21}
c=6c=6のとき,k=66+621=7221=247k=\frac{66+6}{21} = \frac{72}{21} = \frac{24}{7}
c=15c=15のとき,k=165+621=17121=577k=\frac{165+6}{21} = \frac{171}{21} = \frac{57}{7}
c=16c=16のとき,k=176+621=18221=263k=\frac{176+6}{21} = \frac{182}{21} = \frac{26}{3}
c=17c=17のとき,k=187+621=19321k=\frac{187+6}{21} = \frac{193}{21}
c=20c=20のとき、k=220+621=22621k=\frac{220+6}{21} = \frac{226}{21}
c=30c=30のとき,k=330+621=33621=16k=\frac{330+6}{21} = \frac{336}{21} = 16
c=30c=30のとき,k=16k=16
m=21k1=21×161=3361=335m = 21k - 1 = 21 \times 16 - 1 = 336 - 1 = 335
m=11×30+5=330+5=335m = 11 \times 30 + 5 = 330 + 5 = 335
m=335m=335
335=3×111+2335 = 3 \times 111 + 2
335=7×47+6335 = 7 \times 47 + 6
335=11×30+5335 = 11 \times 30 + 5

3. 最終的な答え

(1) 20
(2) 335

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