$\sqrt{2}+\sqrt{3}$ が無理数であることを用いて、$\sqrt{6}$ が無理数であることを背理法を用いて証明する。

数論無理数背理法平方根証明
2025/7/12

1. 問題の内容

2+3\sqrt{2}+\sqrt{3} が無理数であることを用いて、6\sqrt{6} が無理数であることを背理法を用いて証明する。

2. 解き方の手順

背理法を用いるので、まず 6\sqrt{6} が有理数であると仮定する。
6\sqrt{6} が有理数であるとすると、ある整数 m,nm, n (n0n \neq 0) を用いて 6=mn\sqrt{6} = \frac{m}{n} と表すことができる。ここで mmnn は互いに素であると仮定してよい。
6=mn\sqrt{6} = \frac{m}{n} の両辺を2乗すると、
6=m2n2 6 = \frac{m^2}{n^2}
6n2=m2 6n^2 = m^2
この式より、m2m^2 は6の倍数である。従って、mm も6の倍数である。
なぜなら、mm が6の倍数でなければ、m=6k±1m = 6k \pm 1 または m=6k±2m = 6k \pm 2 または m=6k±3m = 6k \pm 3 と表せるから、
m2=(6k±1)2=36k2±12k+1=6(6k2±2k)+1m^2 = (6k \pm 1)^2 = 36k^2 \pm 12k + 1 = 6(6k^2 \pm 2k) + 1
m2=(6k±2)2=36k2±24k+4=6(6k2±4k)+4m^2 = (6k \pm 2)^2 = 36k^2 \pm 24k + 4 = 6(6k^2 \pm 4k) + 4
m2=(6k±3)2=36k2±36k+9=6(6k2±6k+1)+3m^2 = (6k \pm 3)^2 = 36k^2 \pm 36k + 9 = 6(6k^2 \pm 6k + 1) + 3
となり、m2m^2 が6の倍数とならないからである。(kkは整数)
したがって、mm は6の倍数なので、m=6km = 6k と表せる。(kkは整数)
これを 6n2=m26n^2 = m^2 に代入すると、
6n2=(6k)2=36k2 6n^2 = (6k)^2 = 36k^2
n2=6k2 n^2 = 6k^2
この式より、n2n^2 は6の倍数である。従って、nn も6の倍数である。
よって、mmnn はともに6の倍数となり、これは mmnn が互いに素であるという仮定に矛盾する。
したがって、6\sqrt{6} は有理数であるという仮定が誤りである。
次に、2+3\sqrt{2} + \sqrt{3} が無理数であることを用いる。
もし 6\sqrt{6} が有理数であると仮定すると、6=r\sqrt{6} = rrrは有理数)とおける。
(2+3)2=2+26+3=5+26=5+2r(\sqrt{2}+\sqrt{3})^2 = 2+2\sqrt{6}+3 = 5+2\sqrt{6} = 5+2r
5+2r5+2r は有理数なので (2+3)2(\sqrt{2}+\sqrt{3})^2 は有理数となる。
しかし、2+3\sqrt{2}+\sqrt{3} は無理数なので (2+3)2(\sqrt{2}+\sqrt{3})^2 が有理数であることは矛盾する。
なぜなら、無理数の二乗が有理数になることは一般にはありえないからである。具体的に、無理数である2+3\sqrt{2}+\sqrt{3}を二乗して有理数になるなら、2+3=a+bc\sqrt{2}+\sqrt{3} = a + b\sqrt{c}とおけるからaa, bb, ccは有理数になるはずである.
したがって、6\sqrt{6} は無理数である。

3. 最終的な答え

6\sqrt{6}は無理数である。

「数論」の関連問題

整数 $n$ に対して、「$n^2$ が 7 の倍数ならば、$n$ は 7 の倍数である」という命題が真であるという事実を利用して、$\sqrt{7}$ が無理数であることを証明する。

無理数背理法整数の性質平方根
2025/7/15

命題「$n$ は整数とする。$n^2$ が3の倍数ならば、$n$ は3の倍数である」が真であることを利用して、$\sqrt{3}$ が無理数であることを証明する。

無理数背理法整数の性質平方根
2025/7/15

数列が群に分けられており、各群の項数は 2, 4, 6,... と増えている。このとき、157 が第何群の何番目にあるかを求める問題。

数列等差数列項数
2025/7/15

$\sqrt{2}$が無理数であることを利用して、$3\sqrt{2}$が無理数であることを証明する問題です。

無理数背理法有理数平方根
2025/7/15

整数 $n$ について、「$n^2$ が奇数ならば、$n$ は奇数である」ことを証明する問題です。対偶を利用した証明の穴埋め問題となっています。

整数証明対偶偶数奇数命題
2025/7/15

自然数 $n$ に対して、$2n^3 - 3n^2 + n$ が6の倍数であることを、(1) 数学的帰納法, (2) 連続する3整数の積が6の倍数であることの利用、の2通りの方法で証明する。

整数の性質倍数数学的帰納法因数分解合同式
2025/7/15

(1) 与えられた命題の対偶が真であることを示し、元の命題が真であることを示す問題。 (2) $\sqrt{15}$ が無理数であることを利用して、$\sqrt{3} + \sqrt{5}$ が無理数...

命題対偶背理法無理数有理数連立方程式代数
2025/7/15

ヘパンの判定法を利用して、$F_2$ が素数であることを確かめる問題です。具体的には、以下の合同式を満たす①、②、③に当てはまる0から4の範囲の数字を求める問題です。 $5^2 \equiv ① \p...

合同式剰余べき乗フェルマーの小定理 (に関連)
2025/7/15

問題は、ヘパンの判定法を利用してF2が素数であることを確かめるために、与えられた合同式を満たす数字を求めることです。具体的には、以下の合同式における①、②、③に当てはまる0から4の範囲の数字を求めます...

合同式剰余べき乗
2025/7/15

問題は、ヘパンの判定法を利用して$F_2$が素数であることを確かめるというものです。具体的には、$5^2$, $5^4$, $5^8$ をそれぞれ4で割った余りを0から4の範囲で求めるという問題です。

合同式整数の性質フェルマーの小定理剰余
2025/7/15