命題「$n$ は整数とする。$n^2$ が3の倍数ならば、$n$ は3の倍数である」が真であることを利用して、$\sqrt{3}$ が無理数であることを証明する。

数論無理数背理法整数の性質平方根
2025/7/15

1. 問題の内容

命題「nn は整数とする。n2n^2 が3の倍数ならば、nn は3の倍数である」が真であることを利用して、3\sqrt{3} が無理数であることを証明する。

2. 解き方の手順

背理法を用いて証明する。
(1) 3\sqrt{3} が無理数でないと仮定する。つまり、3\sqrt{3} が有理数であると仮定する。
(2) 3\sqrt{3} が有理数であると仮定すると、互いに素な整数 m,nm, n (n0n \neq 0) を用いて、
3=mn\sqrt{3} = \frac{m}{n}
と表すことができる。
(3) 上式の両辺を2乗すると、
3=m2n23 = \frac{m^2}{n^2}
3n2=m23n^2 = m^2
となる。
(4) 3n2=m23n^2 = m^2 であるから、m2m^2 は3の倍数である。問題文で与えられた命題より、mm は3の倍数である。
(5) したがって、m=3km = 3k (kk は整数) と表すことができる。これを 3n2=m23n^2 = m^2 に代入すると、
3n2=(3k)23n^2 = (3k)^2
3n2=9k23n^2 = 9k^2
n2=3k2n^2 = 3k^2
となる。
(6) n2=3k2n^2 = 3k^2 であるから、n2n^2 は3の倍数である。問題文で与えられた命題より、nn は3の倍数である。
(7) mmnn はともに3の倍数であるから、互いに素であるという仮定に矛盾する。
(8) よって、3\sqrt{3} が有理数であるという仮定が誤りである。したがって、3\sqrt{3} は無理数である。

3. 最終的な答え

3\sqrt{3} は無理数である。

「数論」の関連問題

自然数 $N$ を5進法で表すと3桁の数 $abc_{(5)}$ となり、7進法で表すと3桁の数 $cab_{(7)}$ となる。このとき、自然数 $N$ と、整数 $a, b, c$ を求める問題で...

進法整数方程式数の表現
2025/7/18

(1) 整数 $m$ に対して、$m^2$ を4で割った余りは0または1であることを示す。 (2) 自然数 $n, k$ が $25 \times 3^n = k^2 + 176$ を満たすとき、$n...

整数の性質合同式二次不定方程式
2025/7/18

問題は、整数 $x$ について、「$x$ が 6 の倍数ならば、$x$ は 3 の倍数である」という命題の真偽を判定するものです。

倍数整数の性質命題真偽判定
2025/7/18

$5^{100}$ を $7$ で割ったときの余りを求めます。

合同式剰余累乗
2025/7/18

20の倍数で、正の約数の個数が15個である自然数nをすべて求めよ。

約数倍数素因数分解整数の性質
2025/7/18

問題は以下の2つです。 (1) $5^{105}$ は何桁の整数であるか。また、その最高位の数字は何か。 (2) $(\frac{1}{5})^{105}$ は小数第何位に初めて0でない数が現れるか。...

対数桁数最高位の数字常用対数
2025/7/17

整数 $a, b$ があり、$a$ を7で割ると1余り、$b$ を7で割ると2余るとき、以下の数を7で割った余りを求めよ。 (1) $a+b$ (2) $ab$ (3) $a^2-b^2$

合同式剰余整数の性質
2025/7/17

問題1は、4つの1次不定方程式の全ての整数解を求める問題です。 問題2は、3で割ると2余り、5で割ると4余る2桁の正の整数のうち、最大のものを求める問題です。

一次不定方程式合同式整数解最大公約数
2025/7/17

(5) 5で割ると3余り、8で割ると1余る自然数の中で最も小さいものを求める。 (6) 14で割ると3余り、21で割ると12余るような整数が存在しないことを示す。

合同式剰余不定方程式
2025/7/17

(5) 5で割ると3余り、8で割ると1余る自然数のうち、最も小さいものを求める。 (6) 14で割ると3余り、21で割ると12余るような整数が存在しないことを示す。

合同式中国剰余定理剰余最大公約数
2025/7/17