放物線 $C: y = \frac{1}{2}x^2$ と点 $(1, 2)$ を通る傾き $m$ の直線 $l$ がある。 (1) $C$ と $l$ で囲まれた図形の面積 $S$ を $m$ を用いて表す。 (2) (1) で求めた $S$ の最小値と、そのときの $m$ の値を求める。

1. 問題の内容

放物線 $C: y = \frac{1}{2}x^2$ と点 $(1, 2)$ を通る傾き $m$ の直線 $l$ がある。

(1) $C$ と $l$ で囲まれた図形の面積 $S$ を $m$ を用いて表す。

(2) (1) で求めた $S$ の最小値と、そのときの $m$ の値を求める。

2. 解き方の手順

(1)

まず、直線 $l$ の方程式を求める。直線 $l$ は点 $(1, 2)$ を通り、傾きが $m$ であるから、$y - 2 = m(x - 1)$ より、$y = mx - m + 2$ となる。

次に、放物線 $C$ と直線 $l$ の交点の $x$ 座標を求める。

$\frac{1}{2}x^2 = mx - m + 2$

$x^2 = 2mx - 2m + 4$

$x^2 - 2mx + 2m - 4 = 0$

この 2 次方程式の解を $\alpha, \beta$ とすると、解と係数の関係より、

$\alpha + \beta = 2m$

$\alpha \beta = 2m - 4$

$C$ と $l$ で囲まれた図形の面積 $S$ は、

$S = \left| \int_{\alpha}^{\beta} \left( \frac{1}{2}x^2 - (mx - m + 2) \right) dx \right|$

$S = \left| \int_{\alpha}^{\beta} \left( \frac{1}{2}x^2 - mx + m - 2 \right) dx \right|$

$S = \frac{1}{2} \left| \int_{\alpha}^{\beta} (x^2 - 2mx + 2m - 4) dx \right|$

$S = \frac{1}{2} \left| \int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx \right|$

$S = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{6} |\beta - \alpha|^3$

$S = \frac{1}{12} |\beta - \alpha|^3$

ここで、$(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha \beta = (2m)^2 - 4(2m - 4) = 4m^2 - 8m + 16 = 4(m^2 - 2m + 4)$

$|\beta - \alpha| = \sqrt{4(m^2 - 2m + 4)} = 2\sqrt{m^2 - 2m + 4}$

$S = \frac{1}{12} (2\sqrt{m^2 - 2m + 4})^3 = \frac{1}{12} \cdot 8 (m^2 - 2m + 4)^{\frac{3}{2}} = \frac{2}{3} (m^2 - 2m + 4)^{\frac{3}{2}}$

$S = \frac{2}{3} (\sqrt{m^2 - 2m + 4})^3$

(2)

$f(m) = m^2 - 2m + 4$ とおく。

$f(m) = (m - 1)^2 + 3$

$f(m)$ は $m = 1$ のとき最小値 3 をとる。

$S$ が最小となるのは $f(m)$ が最小となるときなので、$m = 1$ のとき、

$S = \frac{2}{3} (3)^{\frac{3}{2}} = \frac{2}{3} \cdot 3\sqrt{3} = 2\sqrt{3}$

したがって、$m=1$ のとき、$S$ は最小値 $2\sqrt{3}$ をとる。

1. 問題の内容

放物線と直線で囲まれた面積を傾き $m$ で表し、その面積の最小値を求める問題。

2. 解き方の手順

(1) 直線の方程式を求め、放物線との交点の $x$ 座標を求める。積分を用いて面積 $S$ を $m$ で表す。

(2) $S$ を最小にする $m$ の値を求める。

3. 最終的な答え

(1) $S = \frac{2}{3} (\sqrt{m^2 - 2m + 4})^3$

(2) $m = 1$ のとき、$S$ は最小値 $2\sqrt{3}$ をとる。