三角形ABCがあり、頂点A, B, Cの位置ベクトルはそれぞれ$\vec{a}$, $\vec{b}$, $\vec{c}$である。辺BC, CA, ABをそれぞれ2:1に内分する点をP, Q, Rとする。三角形ABCの重心をG、三角形PQRの重心をG'とする。 (1) G'の位置ベクトル$\vec{g'}$を$\vec{a}$, $\vec{b}$, $\vec{c}$を用いて表せ。 (2) 等式$\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \vec{0}$が成り立つことを示せ。

幾何学ベクトル重心内分点
2025/6/10
はい、承知いたしました。

1. 問題の内容

三角形ABCがあり、頂点A, B, Cの位置ベクトルはそれぞれa\vec{a}, b\vec{b}, c\vec{c}である。辺BC, CA, ABをそれぞれ2:1に内分する点をP, Q, Rとする。三角形ABCの重心をG、三角形PQRの重心をG'とする。
(1) G'の位置ベクトルg\vec{g'}a\vec{a}, b\vec{b}, c\vec{c}を用いて表せ。
(2) 等式GA+GB+GC=0\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \vec{0}が成り立つことを示せ。

2. 解き方の手順

(1) まず、点P, Q, Rの位置ベクトルp\vec{p}, q\vec{q}, r\vec{r}をそれぞれ求める。内分点の公式より、
p=c+2b2+1=2b+c3\vec{p} = \frac{\vec{c} + 2\vec{b}}{2+1} = \frac{2\vec{b} + \vec{c}}{3}
q=a+2c2+1=a+2c3\vec{q} = \frac{\vec{a} + 2\vec{c}}{2+1} = \frac{\vec{a} + 2\vec{c}}{3}
r=b+2a2+1=2a+b3\vec{r} = \frac{\vec{b} + 2\vec{a}}{2+1} = \frac{2\vec{a} + \vec{b}}{3}
次に、三角形PQRの重心G'の位置ベクトルg\vec{g'}を求める。
g=p+q+r3=2b+c3+a+2c3+2a+b33\vec{g'} = \frac{\vec{p} + \vec{q} + \vec{r}}{3} = \frac{\frac{2\vec{b} + \vec{c}}{3} + \frac{\vec{a} + 2\vec{c}}{3} + \frac{2\vec{a} + \vec{b}}{3}}{3}
整理すると、
g=3a+3b+3c9=a+b+c3\vec{g'} = \frac{3\vec{a} + 3\vec{b} + 3\vec{c}}{9} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}
(2) 三角形ABCの重心Gの位置ベクトルg\vec{g}は、
g=a+b+c3\vec{g} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}
GA=ag=aa+b+c3=2abc3\vec{GA} = \vec{a} - \vec{g} = \vec{a} - \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3} = \frac{2\vec{a} - \vec{b} - \vec{c}}{3}
GB=bg=ba+b+c3=2bac3\vec{GB} = \vec{b} - \vec{g} = \vec{b} - \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3} = \frac{2\vec{b} - \vec{a} - \vec{c}}{3}
GC=cg=ca+b+c3=2cab3\vec{GC} = \vec{c} - \vec{g} = \vec{c} - \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3} = \frac{2\vec{c} - \vec{a} - \vec{b}}{3}
よって、
GA+GB+GC=2abc3+2bac3+2cab3=(2aaa)+(2bbb)+(2ccc)3=03=0\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \frac{2\vec{a} - \vec{b} - \vec{c}}{3} + \frac{2\vec{b} - \vec{a} - \vec{c}}{3} + \frac{2\vec{c} - \vec{a} - \vec{b}}{3} = \frac{(2\vec{a} - \vec{a} - \vec{a}) + (2\vec{b} - \vec{b} - \vec{b}) + (2\vec{c} - \vec{c} - \vec{c})}{3} = \frac{\vec{0}}{3} = \vec{0}
したがって、GA+GB+GC=0\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \vec{0}が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) g=a+b+c3\vec{g'} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}
(2) GA+GB+GC=0\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \vec{0}が成り立つ。

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