正方行列 $A$ が与えられたとき、以下の2つの命題を示す問題です。 (1) $A + {}^tA$ は対称行列である。 (2) $A - {}^tA$ は交代行列である。 ここで、${}^tA$ は $A$ の転置行列を表します。
2025/6/10
1. 問題の内容
正方行列 が与えられたとき、以下の2つの命題を示す問題です。
(1) は対称行列である。
(2) は交代行列である。
ここで、 は の転置行列を表します。
2. 解き方の手順
(1) が対称行列であることを示す。
対称行列であるためには、転置行列が元の行列と等しい必要があります。つまり、 を示す必要があります。
転置行列の性質として、 および があります。
これらを利用して、
となるので、 は対称行列です。
(2) が交代行列であることを示す。
交代行列であるためには、転置行列が元の行列の符号を反転したものと等しい必要があります。つまり、 を示す必要があります。
となるので、 は交代行列です。
3. 最終的な答え
(1) は対称行列である。
(2) は交代行列である。