正の整数 $a$ に対して、ある整数 $b$ が存在し、$63a - 32b = 1$ を満たすとする。$a$ はこのような性質を満たす正の整数のうちで最小のものであるとき、$ab$ の値を求めよ。

数論不定方程式拡張ユークリッドの互除法整数の性質
2025/6/11

1. 問題の内容

正の整数 aa に対して、ある整数 bb が存在し、63a32b=163a - 32b = 1 を満たすとする。aa はこのような性質を満たす正の整数のうちで最小のものであるとき、abab の値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、与えられた方程式を変形します。
63a32b=163a - 32b = 1
この方程式を満たす整数解 (a,b)(a, b) を求めます。これは、拡張ユークリッドの互除法を使って求めることができます。
63と32に対してユークリッドの互除法を行います。
63=321+3163 = 32 \cdot 1 + 31
32=311+132 = 31 \cdot 1 + 1
これらの式を逆にたどります。
1=323111 = 32 - 31 \cdot 1
1=32(63321)11 = 32 - (63 - 32 \cdot 1) \cdot 1
1=3263+321 = 32 - 63 + 32
1=3226311 = 32 \cdot 2 - 63 \cdot 1
1=63(1)32(2)1 = 63 \cdot (-1) - 32 \cdot (-2)
63(1)32(2)=163 \cdot (-1) - 32 \cdot (-2) = 1
したがって、63a32b=163a - 32b = 1 と比較して、a0=1a_0 = -1 , b0=2b_0 = -2 が一つの解です。
一般解を求めます。
63a32b=163a - 32b = 1
63(1)32(2)=163(-1) - 32(-2) = 1
辺々引くと、
63(a+1)32(b+2)=063(a + 1) - 32(b + 2) = 0
63(a+1)=32(b+2)63(a + 1) = 32(b + 2)
63と32は互いに素なので、a+1=32ka + 1 = 32k , b+2=63kb + 2 = 63k (kは整数)
a=32k1a = 32k - 1
b=63k2b = 63k - 2
aa が正の整数で最小になるのは、k=1k = 1 のときです。
a=32(1)1=31a = 32(1) - 1 = 31
b=63(1)2=61b = 63(1) - 2 = 61
ab=3161=1891ab = 31 \cdot 61 = 1891

3. 最終的な答え

ab=1891ab = 1891

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