xy平面上に円 $(x-1)^2 + (y-1)^2 = 1$ と直線 $y=mx$ ($m>1$) がある。円の中心をCとし、円と直線の交点を原点に近い順にA, Bとする。三角形ABCの面積をSとする。 (1) Sの最大値と、そのときの角ACBの大きさを求める。 (2) $m>1$ の場合に、線分ABの長さをmを用いて表す。 (3) Sが最大値をとるときのmの値を求める。

幾何学直線面積最大値三角関数
2025/6/11

1. 問題の内容

xy平面上に円 (x1)2+(y1)2=1(x-1)^2 + (y-1)^2 = 1 と直線 y=mxy=mx (m>1m>1) がある。円の中心をCとし、円と直線の交点を原点に近い順にA, Bとする。三角形ABCの面積をSとする。
(1) Sの最大値と、そのときの角ACBの大きさを求める。
(2) m>1m>1 の場合に、線分ABの長さをmを用いて表す。
(3) Sが最大値をとるときのmの値を求める。

2. 解き方の手順

(1)
円の中心Cは(1, 1)である。直線 y=mxy=mx と円 (x1)2+(y1)2=1(x-1)^2 + (y-1)^2 = 1 の距離dは、点と直線の距離の公式より、
d=m1m2+1d = \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}}
三角形ABCの面積Sは、ABを底辺、CからABへの距離を高さとみると、
S=12AB×dS = \frac{1}{2}AB \times d
ABの長さは、AB=2r2d2AB = 2\sqrt{r^2 - d^2} (rrは円の半径でr=1)なので、
S=r2d2×d=1d2×dS = \sqrt{r^2 - d^2} \times d = \sqrt{1 - d^2} \times d
S=1(m1m2+1)2×m1m2+1=m1m2+11(m1)2m2+1S = \sqrt{1 - (\frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}})^2} \times \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}} = \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}}\sqrt{1 - \frac{(m-1)^2}{m^2+1}}
S=m1m2+1m2+1(m22m+1)m2+1=m1m2+12mm2+1=m1m2+12mm2+1S = \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}}\sqrt{\frac{m^2+1-(m^2-2m+1)}{m^2+1}} = \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}}\sqrt{\frac{2m}{m^2+1}} = \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}}\frac{\sqrt{2m}}{\sqrt{m^2+1}}
S=m12mm2+1S = \frac{|m-1|\sqrt{2m}}{m^2+1}
m>1m>1なので、
S=(m1)2mm2+1S = \frac{(m-1)\sqrt{2m}}{m^2+1}
Sを最大にするには、S2S^2を最大にすれば良い。
S2=(m1)22m(m2+1)2=(m22m+1)2mm4+2m2+1=2m34m2+2mm4+2m2+1S^2 = \frac{(m-1)^2 \cdot 2m}{(m^2+1)^2} = \frac{(m^2 - 2m + 1)2m}{m^4 + 2m^2 + 1} = \frac{2m^3 - 4m^2 + 2m}{m^4 + 2m^2 + 1}
ここで、m=1m=1のとき、S=0S = 0 なので、最大値を取るのは、d=12d = \frac{1}{\sqrt{2}} のときである。このとき、AB=21(12)2=212=2AB = 2\sqrt{1-(\frac{1}{\sqrt{2}})^2} = 2\sqrt{\frac{1}{2}} = \sqrt{2}
S=112×12=12×12=12S = \sqrt{1-\frac{1}{2}}\times \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{1}{\sqrt{2}}\times \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{1}{2}.
d=m1m2+1=12d = \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}} = \frac{1}{\sqrt{2}}を解くと、
2m1=m2+1\sqrt{2}|m-1| = \sqrt{m^2+1}
2(m22m+1)=m2+12(m^2 - 2m + 1) = m^2+1
2m24m+2=m2+12m^2 - 4m + 2 = m^2 + 1
m24m+1=0m^2 - 4m + 1 = 0
m=4±1642=4±122=4±232=2±3m = \frac{4\pm\sqrt{16-4}}{2} = \frac{4\pm\sqrt{12}}{2} = \frac{4\pm 2\sqrt{3}}{2} = 2\pm\sqrt{3}
m>1m>1なので、m=2+3m=2+\sqrt{3}.
このとき、三角形は直角二等辺三角形であるから、ACB=π2\angle ACB = \frac{\pi}{2}.
(2)
AB=21d2=21(m1m2+1)2=21(m1)2m2+1=22mm2+1=22mm2+1AB = 2\sqrt{1 - d^2} = 2\sqrt{1 - (\frac{m-1}{\sqrt{m^2+1}})^2} = 2\sqrt{1 - \frac{(m-1)^2}{m^2+1}} = 2\sqrt{\frac{2m}{m^2+1}} = 2\sqrt{\frac{2m}{m^2+1}}
(3)
m=2+3m=2+\sqrt{3}のとき、S=12S=\frac{1}{2}となる。

3. 最終的な答え

(1) Sの最大値は 12\frac{1}{2}、そのときの角ACBの大きさは π2\frac{\pi}{2}
(2) AB=22mm2+1AB = 2\sqrt{\frac{2m}{m^2+1}}
(3) m=2+3m=2+\sqrt{3}

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