$a, b$ は実数とする。以下の命題の真偽を調べよ。 (1) $ab = 0$ ならば $a^2 + b^2 = 0$ である。 (2) $a^2 = 4$ ならば $|a+1| \ge 1$ である。 (3) $ab$ が有理数ならば、$a, b$ はともに有理数である。 (4) $a+b, ab$ がともに有理数ならば、$a, b$ はともに有理数である。

代数学命題真偽実数反例二次方程式
2025/6/11

1. 問題の内容

a,ba, b は実数とする。以下の命題の真偽を調べよ。
(1) ab=0ab = 0 ならば a2+b2=0a^2 + b^2 = 0 である。
(2) a2=4a^2 = 4 ならば a+11|a+1| \ge 1 である。
(3) abab が有理数ならば、a,ba, b はともに有理数である。
(4) a+b,aba+b, ab がともに有理数ならば、a,ba, b はともに有理数である。

2. 解き方の手順

(1) ab=0ab = 0 ならば a=0a = 0 または b=0b = 0 である。しかし、a2+b2=0a^2 + b^2 = 0 となるためには、a=0a = 0 かつ b=0b = 0 でなければならない。
反例として、a=0,b=1a = 0, b = 1 を考えると、ab=0ab = 0 だが、a2+b2=02+12=10a^2 + b^2 = 0^2 + 1^2 = 1 \neq 0 となる。したがって、この命題は偽である。
(2) a2=4a^2 = 4 より、a=2a = 2 または a=2a = -2 である。
a=2a = 2 のとき、a+1=2+1=3=31|a+1| = |2+1| = |3| = 3 \ge 1 である。
a=2a = -2 のとき、a+1=2+1=1=11|a+1| = |-2+1| = |-1| = 1 \ge 1 である。
したがって、この命題は真である。
(3) abab が有理数ならば、a,ba, b はともに有理数である。
反例として、a=2,b=2a = \sqrt{2}, b = \sqrt{2} を考えると、ab=22=2ab = \sqrt{2} \cdot \sqrt{2} = 2 は有理数だが、a=2,b=2a = \sqrt{2}, b = \sqrt{2} はともに無理数である。したがって、この命題は偽である。
(4) a+b,aba+b, ab がともに有理数ならば、a,ba, b はともに有理数である。
a,ba, bxx の二次方程式 x2(a+b)x+ab=0x^2 - (a+b)x + ab = 0 の解である。
解の公式より、x=(a+b)±(a+b)24ab2x = \frac{(a+b) \pm \sqrt{(a+b)^2 - 4ab}}{2} である。
a+ba+babab が有理数なので、(a+b)24ab(a+b)^2 - 4ab が有理数である。
もし (a+b)24ab\sqrt{(a+b)^2 - 4ab} が有理数ならば、xx は有理数となり、a,ba, b はともに有理数である。
もし (a+b)24ab\sqrt{(a+b)^2 - 4ab} が無理数ならば、a=(a+b)+(a+b)24ab2a = \frac{(a+b) + \sqrt{(a+b)^2 - 4ab}}{2}, b=(a+b)(a+b)24ab2b = \frac{(a+b) - \sqrt{(a+b)^2 - 4ab}}{2} は無理数となる。
しかし、a+ba+babab がともに有理数であるという条件より、(a+b)24ab\sqrt{(a+b)^2 - 4ab} が無理数になる場合でも、a,ba, b は複素数ではなく実数である。
(a+b)24ab=(ab)20(a+b)^2 - 4ab = (a-b)^2 \ge 0 なので、(ab)2=ab\sqrt{(a-b)^2} = |a-b| は実数である。
a,ba, b は実数であり、a+b,aba+b, ab が有理数であるから、 a,ba, b はともに有理数である。したがって、この命題は真である。

3. 最終的な答え

(1) 偽
(2) 真
(3) 偽
(4) 真

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