直径8mm、長さ120mmの丸棒に、両端から800Nの引張荷重が静的に作用している。棒のヤング率を210GPa、ポアソン比を0.28とする。このとき、以下の3つの量を求める問題です。 1. 荷重方向に生じる引張応力$\sigma$ 2. 棒の伸び$\delta$ 3. 径方向(横方向)のひずみ$\epsilon_r$

応用数学応力ひずみヤング率ポアソン比材料力学
2025/6/12

1. 問題の内容

直径8mm、長さ120mmの丸棒に、両端から800Nの引張荷重が静的に作用している。棒のヤング率を210GPa、ポアソン比を0.28とする。このとき、以下の3つの量を求める問題です。

1. 荷重方向に生じる引張応力$\sigma$

2. 棒の伸び$\delta$

3. 径方向(横方向)のひずみ$\epsilon_r$

2. 解き方の手順

1. 引張応力$\sigma$の計算:

引張応力は、荷重を断面積で割ることで求められます。
断面積AAは、A=πr2A = \pi r^2で計算します。ここで、rrは半径で、直径の半分です。
r=8 mm/2=4 mm=0.004 mr = 8 \text{ mm} / 2 = 4 \text{ mm} = 0.004 \text{ m}
A=π(0.004 m)2=π×16×106 m25.027×105 m2A = \pi (0.004 \text{ m})^2 = \pi \times 16 \times 10^{-6} \text{ m}^2 \approx 5.027 \times 10^{-5} \text{ m}^2
σ=FA=800 N5.027×105 m215.915×106 Pa=15.915 MPa\sigma = \frac{F}{A} = \frac{800 \text{ N}}{5.027 \times 10^{-5} \text{ m}^2} \approx 15.915 \times 10^6 \text{ Pa} = 15.915 \text{ MPa}

2. 棒の伸び$\delta$の計算:

ヤング率EEは、応力とひずみの比です。ϵ=σE\epsilon = \frac{\sigma}{E}
ひずみϵ\epsilonは、ϵ=δL\epsilon = \frac{\delta}{L}で求められます。ここで、LLは元の長さです。
よって、δL=σE\frac{\delta}{L} = \frac{\sigma}{E}
δ=σLE=15.915×106 Pa×0.12 m210×109 Pa=1.9098×106210×109 m9.094×106 m=0.009094 mm\delta = \frac{\sigma L}{E} = \frac{15.915 \times 10^6 \text{ Pa} \times 0.12 \text{ m}}{210 \times 10^9 \text{ Pa}} = \frac{1.9098 \times 10^6}{210 \times 10^9} \text{ m} \approx 9.094 \times 10^{-6} \text{ m} = 0.009094 \text{ mm}

3. 径方向のひずみ$\epsilon_r$の計算:

ポアソン比ν\nuは、横ひずみ(径方向のひずみ)と縦ひずみ(荷重方向のひずみ)の比の絶対値です。
ν=ϵrϵ\nu = -\frac{\epsilon_r}{\epsilon}
ϵ=σE=15.915×106 Pa210×109 Pa7.579×105\epsilon = \frac{\sigma}{E} = \frac{15.915 \times 10^6 \text{ Pa}}{210 \times 10^9 \text{ Pa}} \approx 7.579 \times 10^{-5}
ϵr=νϵ=0.28×7.579×1052.122×105\epsilon_r = -\nu \epsilon = -0.28 \times 7.579 \times 10^{-5} \approx -2.122 \times 10^{-5}

3. 最終的な答え

1. 引張応力$\sigma$: 15.915 MPa

2. 棒の伸び$\delta$: 0.009094 mm

3. 径方向のひずみ$\epsilon_r$: -2.122 x 10^-5

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