質量 $m$ の物体Aを、最下点から高さ $h$ まで持ち上げて静かに離したところ、最下点で質量 $M$ の物体Bと衝突し、一体となった。この衝突について以下の問いに答える。重力加速度は $g$ とする。 (1) 衝突直前の物体Aの速さ $v$ を求める。 (2) 衝突後、一体となった物体の速さ $V$ を求める。 (3) 一体となった物体が到達する最高点の高さ $H$ を求める。 (4) 衝突の際に失われたエネルギー $\Delta E$ を求め、そのエネルギーがどこへ行ったかを考察する。

1. 問題の内容

質量 $m$ の物体Aを、最下点から高さ $h$ まで持ち上げて静かに離したところ、最下点で質量 $M$ の物体Bと衝突し、一体となった。この衝突について以下の問いに答える。重力加速度は $g$ とする。

(1) 衝突直前の物体Aの速さ $v$ を求める。

(2) 衝突後、一体となった物体の速さ $V$ を求める。

(3) 一体となった物体が到達する最高点の高さ $H$ を求める。

(4) 衝突の際に失われたエネルギー $\Delta E$ を求め、そのエネルギーがどこへ行ったかを考察する。

2. 解き方の手順

(1) エネルギー保存則を利用して、衝突直前の物体Aの速さを求める。

物体Aは高さ $h$ の位置エネルギーを持っており、最下点ではそれが運動エネルギーに変換される。したがって、

$mgh = \frac{1}{2}mv^2$

これから $v$ を求める。

(2) 運動量保存則を利用して、衝突後の速さ $V$ を求める。

衝突前は物体Aのみが速さ $v$ で運動しており、物体Bは静止している。衝突後は一体となって運動する。したがって、

$mv = (m+M)V$

これから $V$ を求める。

(3) エネルギー保存則を利用して、最高点の高さ $H$ を求める。

一体となった物体は運動エネルギーを持っており、最高点ではそれが位置エネルギーに変換される。したがって、

$\frac{1}{2}(m+M)V^2 = (m+M)gH$

これから $H$ を求める。

(4) 衝突前後のエネルギーの差を計算して、失われたエネルギー $\Delta E$ を求める。

衝突前のエネルギーは $\frac{1}{2}mv^2$ であり、衝突後のエネルギーは $\frac{1}{2}(m+M)V^2$ である。したがって、

$\Delta E = \frac{1}{2}mv^2 - \frac{1}{2}(m+M)V^2$

このエネルギーは、熱エネルギーや音エネルギーなどに変換される。

3. 最終的な答え

(1) 衝突直前の物体Aの速さ $v$:

$v = \sqrt{2gh}$

(2) 衝突後の一体となった物体の速さ $V$:

$V = \frac{m}{m+M}\sqrt{2gh}$

(3) 最高点の高さ $H$:

$H = \frac{m^2}{(m+M)^2}h$

(4) 失われたエネルギー $\Delta E$:

$\Delta E = \frac{mM}{2(m+M)}2gh = \frac{mM}{m+M}gh$

失われたエネルギーは熱エネルギーや音エネルギーなどに変換される。