関数 $f(x)$ が以下のように定義されている。 $f(x) = \begin{cases} \frac{\log x}{x} & (x \ge 1) \\ x^2 + ax + b & (x < 1) \end{cases}$ $f(x)$ が $x=1$ で微分可能となるように、$a, b$ を求めよ。ただし、$\lim_{h \to 0} \frac{\log(1+h)}{h} = 1$ を用いてよい。

1. 問題の内容

関数 $f(x)$ が以下のように定義されている。

$f(x) = \begin{cases}

\frac{\log x}{x} & (x \ge 1) \\

x^2 + ax + b & (x < 1)

\end{cases}$

$f(x)$ が $x=1$ で微分可能となるように、$a, b$ を求めよ。ただし、$\lim_{h \to 0} \frac{\log(1+h)}{h} = 1$ を用いてよい。

2. 解き方の手順

$f(x)$ が $x=1$ で微分可能であるためには、$x=1$ で連続であり、かつ $x=1$ で微分係数が存在する必要がある。

(1) $x=1$ での連続性

$x=1$ で連続であるためには、$\lim_{x \to 1-0} f(x) = \lim_{x \to 1+0} f(x) = f(1)$ が成り立つ必要がある。

$\lim_{x \to 1-0} f(x) = \lim_{x \to 1-0} (x^2 + ax + b) = 1^2 + a(1) + b = 1 + a + b$

$\lim_{x \to 1+0} f(x) = \lim_{x \to 1+0} \frac{\log x}{x} = \frac{\log 1}{1} = \frac{0}{1} = 0$

$f(1) = \frac{\log 1}{1} = 0$

したがって、$1 + a + b = 0$

$a + b = -1$ (1)

(2) $x=1$ での微分可能性

$f(x)$ が $x=1$ で微分可能であるためには、左側微分係数と右側微分係数が一致する必要がある。

左側微分係数 $f'_{-}(1) = \lim_{h \to 0} \frac{f(1-h) - f(1)}{-h} = \lim_{h \to 0} \frac{((1-h)^2 + a(1-h) + b) - 0}{-h}$

$f'_{-}(1) = \lim_{h \to 0} \frac{(1 - 2h + h^2 + a - ah + b)}{-h} = \lim_{h \to 0} \frac{1 + a + b - 2h - ah + h^2}{-h}$

(1)より、$1 + a + b = 0$ なので、

$f'_{-}(1) = \lim_{h \to 0} \frac{- 2h - ah + h^2}{-h} = \lim_{h \to 0} (2 + a - h) = 2 + a$

右側微分係数 $f'_{+}(1) = \lim_{h \to 0} \frac{f(1+h) - f(1)}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{\frac{\log (1+h)}{1+h} - 0}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{\log (1+h)}{h(1+h)}$

$f'_{+}(1) = \lim_{h \to 0} \frac{\log (1+h)}{h} \cdot \lim_{h \to 0} \frac{1}{1+h} = 1 \cdot 1 = 1$

したがって、$2 + a = 1$

$a = -1$

(1)より、$a + b = -1$ なので、

$-1 + b = -1$

$b = 0$

3. 最終的な答え

$a = -1$, $b = 0$