$g, h$ を区間 $I$ 上の連続関数とし、$h(x) > 0$ （すべての $x \in (a, b)$ に対して）とする。このとき、ある $c \in (a, b)$ が存在して、以下の式が成り立つことを示せ。 $\int_{a}^{b} g(x)h(x)dx = g(c)\int_{a}^{b} h(x)dx$

1. 問題の内容

$g, h$ を区間 $I$ 上の連続関数とし、$h(x) > 0$ （すべての $x \in (a, b)$ に対して）とする。このとき、ある $c \in (a, b)$ が存在して、以下の式が成り立つことを示せ。

$\int_{a}^{b} g(x)h(x)dx = g(c)\int_{a}^{b} h(x)dx$

2. 解き方の手順

この問題は、積分に関する平均値の定理を適用することで解くことができます。

(1) $g(x)$ の最大値と最小値をそれぞれ $M$ と $m$ とする。区間 $[a, b]$ で、$g$ が連続なので、$M$ と $m$ が存在する。

(2) $h(x) > 0$ であることから、次の不等式が成り立つ。

$m \le g(x) \le M$

$m h(x) \le g(x)h(x) \le M h(x)$

(3) 上の不等式を $a$ から $b$ まで積分すると、

$\int_{a}^{b} m h(x)dx \le \int_{a}^{b} g(x)h(x)dx \le \int_{a}^{b} M h(x)dx$

$m \int_{a}^{b} h(x)dx \le \int_{a}^{b} g(x)h(x)dx \le M \int_{a}^{b} h(x)dx$

(4) $\int_{a}^{b} h(x)dx > 0$ であるため、不等式全体を $\int_{a}^{b} h(x)dx$ で割ることができる。

$m \le \frac{\int_{a}^{b} g(x)h(x)dx}{\int_{a}^{b} h(x)dx} \le M$

(5) $g(x)$ は連続なので、中間値の定理より、ある $c \in [a, b]$ が存在して、

$g(c) = \frac{\int_{a}^{b} g(x)h(x)dx}{\int_{a}^{b} h(x)dx}$

となる。

(6) 上の式を整理すると、

$\int_{a}^{b} g(x)h(x)dx = g(c) \int_{a}^{b} h(x)dx$

(7) $c \in (a, b)$ であることを示す。もし $g(x)$ が定数関数でない場合、$m < M$ が成り立ち、$m < g(c) < M$ となるため、$c \in (a, b)$ が成り立つ。$g(x)$ が定数関数の場合、任意の $c \in (a,b)$ で与式が成り立つ。

3. 最終的な答え

ある $c \in (a, b)$ が存在して、

$\int_{a}^{b} g(x)h(x)dx = g(c) \int_{a}^{b} h(x)dx$

が成り立つ。