(1) $\sqrt{2}$ と $\sqrt[3]{3}$ が無理数であることを示す。 (2) $p$, $q$, $\sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q$ がすべて有理数であるとき、$p=q=0$ であることを示す。

数論無理数背理法有理数代数的数
2025/6/12
## 解答

1. 問題の内容

(1) 2\sqrt{2}33\sqrt[3]{3} が無理数であることを示す。
(2) pp, qq, 2p+33q\sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q がすべて有理数であるとき、p=q=0p=q=0 であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) 2\sqrt{2} が無理数であることの証明は、背理法を用います。
2\sqrt{2} が有理数であると仮定すると、互いに素な自然数 m,nm, n を用いて 2=mn\sqrt{2} = \frac{m}{n} と表すことができます。
両辺を2乗すると、
2=m2n22 = \frac{m^2}{n^2}
より
m2=2n2m^2 = 2n^2
となります。したがって、m2m^2 は偶数であるため、mm も偶数です。
m=2km = 2k (kk は自然数) とおくと、
(2k)2=2n2(2k)^2 = 2n^2
4k2=2n24k^2 = 2n^2
n2=2k2n^2 = 2k^2
となり、n2n^2 も偶数であるため、nn も偶数です。
m,nm, n がともに偶数であることは、m,nm, n が互いに素であるという仮定に矛盾します。
したがって、2\sqrt{2} は無理数です。
次に、33\sqrt[3]{3} が無理数であることの証明も、背理法を用います。
33\sqrt[3]{3} が有理数であると仮定すると、互いに素な自然数 m,nm, n を用いて 33=mn\sqrt[3]{3} = \frac{m}{n} と表すことができます。
両辺を3乗すると、
3=m3n33 = \frac{m^3}{n^3}
より
m3=3n3m^3 = 3n^3
となります。したがって、m3m^3 は3の倍数であるため、mm も3の倍数です。
m=3km = 3k (kk は自然数) とおくと、
(3k)3=3n3(3k)^3 = 3n^3
27k3=3n327k^3 = 3n^3
n3=9k3n^3 = 9k^3
となり、n3n^3 も3の倍数であるため、nn も3の倍数です。
m,nm, n がともに3の倍数であることは、m,nm, n が互いに素であるという仮定に矛盾します。
したがって、33\sqrt[3]{3} は無理数です。
(2) pp, qq, 2p+33q\sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q がすべて有理数であるとします。
2p+33q=r\sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q = r (rr は有理数) とおきます。
ここで、p0p \neq 0 かつ q0q \neq 0 と仮定します。
q0q \neq 0 の場合、33=r2pq\sqrt[3]{3} = \frac{r - \sqrt{2}p}{q} となります。p,q,rp, q, r は有理数なので、r2pq\frac{r - \sqrt{2}p}{q} も有理数になるはずですが、33\sqrt[3]{3} が無理数であることと矛盾します。
p0p \neq 0 の場合、2=r33qp\sqrt{2} = \frac{r - \sqrt[3]{3}q}{p} となります。p,q,rp, q, r は有理数なので、r33qp\frac{r - \sqrt[3]{3}q}{p} も有理数になるはずですが、2\sqrt{2} が無理数であることと矛盾します。
したがって、p=0p=0 かつ q=0q=0 でなければなりません。
もし p=0p=0 ではないとすると、pp は有理数なので、2=r33qp\sqrt{2} = \frac{r-\sqrt[3]{3}q}{p} は有理数となり、2\sqrt{2}が無理数であることに矛盾します。同様に、q=0q=0 ではないとすると、33\sqrt[3]{3}が無理数であることに矛盾します。
従って、p=0p=0かつq=0q=0となります。

3. 最終的な答え

(1) 2\sqrt{2}33\sqrt[3]{3} は無理数である。(証明終わり)
(2) p=q=0p=q=0 (証明終わり)

「数論」の関連問題

問題26: 整数 $n$ について、$n^2$ が 3 の倍数ならば、$n$ は 3 の倍数であることを証明する。

整数の性質倍数背理法証明
2025/7/28

問題27: $\sqrt{7}$ が無理数であることを証明します。ただし、$n$を自然数とするとき、$n^2$が7の倍数ならば、$n$は7の倍数であることを用いて良いものとします。

無理数背理法平方根証明
2025/7/28

$n$ を自然数とするとき、$2n^3 - 3n^2 + n$ が $6$ の倍数であることを数学的帰納法によって証明する。

数学的帰納法整数の性質倍数代数
2025/7/28

問題4(1): 2桁の自然数について、その数の一の位の数の4倍を足すと5の倍数になることを説明せよ。

整数の性質倍数桁数
2025/7/27

7で割ると2余り、9で割ると7余る自然数 $n$ を、63で割ったときの余りを求めよ。

合同式剰余中国剰余定理
2025/7/27

次の2つの不定方程式の整数解を全て求める問題です。 (1) $11x + 8y = 1$ (2) $56x - 23y = 2$

不定方程式整数解ユークリッドの互除法
2025/7/27

7の2022乗の1の位の数を求める問題です。つまり、$7^{2022}$ の一の位を求める問題です。

整数の性質累乗周期性mod
2025/7/27

与えられた線形方程式 $25x - 61y = 12$ を解くことを求められています。ただし、整数解を求めることを想定します。

ディオファントス方程式整数解拡張ユークリッドの互除法
2025/7/27

$n$ は自然数とする。$n+1$ は 6 の倍数であり、$n+4$ は 9 の倍数であるとき、$n+13$ は 18 の倍数であることを証明する。

整数の性質倍数合同式証明
2025/7/27

正の整数 $n$ が与えられたとき、$n$, 175, 250 の最大公約数が 25 であり、最小公倍数が 3500 であるような $n$ をすべて求める問題です。

最大公約数最小公倍数素因数分解
2025/7/27