(1) $n$ は整数とする。対偶を利用して、次の命題を証明せよ。 $n^2$ が 3 の倍数ならば、$n$ は 3 の倍数である。 (2) (1)を利用して、$\sqrt{3}$ が無理数であることを証明せよ。

数論対偶背理法整数の性質無理数平方根
2025/6/12

1. 問題の内容

(1) nn は整数とする。対偶を利用して、次の命題を証明せよ。
n2n^2 が 3 の倍数ならば、nn は 3 の倍数である。
(2) (1)を利用して、3\sqrt{3} が無理数であることを証明せよ。

2. 解き方の手順

(1) 対偶を利用して証明する。与えられた命題の対偶は「nn が 3 の倍数でなければ、n2n^2 は 3 の倍数ではない」である。
nn が 3 の倍数でないとき、n=3k+1n = 3k + 1 または n=3k+2n = 3k + 2 (kk は整数) と表せる。
(i) n=3k+1n = 3k + 1 のとき、
n2=(3k+1)2=9k2+6k+1=3(3k2+2k)+1n^2 = (3k + 1)^2 = 9k^2 + 6k + 1 = 3(3k^2 + 2k) + 1 となり、n2n^2 は 3 の倍数ではない。
(ii) n=3k+2n = 3k + 2 のとき、
n2=(3k+2)2=9k2+12k+4=9k2+12k+3+1=3(3k2+4k+1)+1n^2 = (3k + 2)^2 = 9k^2 + 12k + 4 = 9k^2 + 12k + 3 + 1 = 3(3k^2 + 4k + 1) + 1 となり、n2n^2 は 3 の倍数ではない。
(i), (ii) より、nn が 3 の倍数でなければ、n2n^2 は 3 の倍数ではない。
したがって、対偶が真であるから、元の命題も真である。
(2) 背理法を利用して証明する。3\sqrt{3} が無理数でないと仮定すると、3\sqrt{3} は有理数である。
3\sqrt{3} が有理数であるとすると、互いに素な整数 m,nm, n (n0n \neq 0) を用いて、3=mn\sqrt{3} = \frac{m}{n} と表せる。
両辺を2乗すると、
3=m2n23 = \frac{m^2}{n^2}
3n2=m23n^2 = m^2
よって、m2m^2 は 3 の倍数である。
(1) より、m2m^2 が 3 の倍数ならば、mm は 3 の倍数である。
したがって、m=3km = 3k (kk は整数) と表せる。
3n2=(3k)23n^2 = (3k)^2
3n2=9k23n^2 = 9k^2
n2=3k2n^2 = 3k^2
よって、n2n^2 は 3 の倍数である。
(1) より、n2n^2 が 3 の倍数ならば、nn は 3 の倍数である。
したがって、nn も 3 の倍数である。
m,nm, n がともに 3 の倍数であることは、m,nm, n が互いに素であることに矛盾する。
したがって、3\sqrt{3} は無理数である。

3. 最終的な答え

(1) 証明終了
(2) 証明終了

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