与えられた集合 $W$ が、ベクトル空間 $\mathbb{R}^2$ または $\mathbb{R}^3$ の部分空間であるかどうか、または多項式空間 $\mathbb{R}[x]_3$ の部分空間であるかどうかを判定する問題です。

1. 問題の内容

与えられた集合 $W$ が、ベクトル空間 $\mathbb{R}^2$ または $\mathbb{R}^3$ の部分空間であるかどうか、または多項式空間 $\mathbb{R}[x]_3$ の部分空間であるかどうかを判定する問題です。

2. 解き方の手順

ベクトル空間 $V$ の部分集合 $W$ が部分空間であるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

1. ゼロベクトル $\mathbf{0}$ が $W$ に含まれる。

2. $W$ の任意のベクトル $\mathbf{u}, \mathbf{v}$ に対して、$\mathbf{u} + \mathbf{v}$ が $W$ に含まれる (加法について閉じている)。

3. $W$ の任意のベクトル $\mathbf{u}$ と任意のスカラー $c$ に対して、$c\mathbf{u}$ が $W$ に含まれる (スカラー倍について閉じている)。

各問題について、上記の条件を満たすかどうかをチェックします。

1. (a) $W = \{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^2 \mid x_1^2 + x_2^2 = 1 \}$

ゼロベクトル $(0, 0)$ を考えると、$0^2 + 0^2 = 0 \neq 1$ なので、ゼロベクトルは $W$ に含まれません。

2. (b) $W = \{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^2 \mid x_1 + x_2 = 0 \}$

ゼロベクトル $(0, 0)$ を考えると、$0 + 0 = 0$ なので、ゼロベクトルは $W$ に含まれます。

$\mathbf{u} = (u_1, u_2), \mathbf{v} = (v_1, v_2) \in W$ とすると、$u_1 + u_2 = 0, v_1 + v_2 = 0$ が成り立ちます。

$\mathbf{u} + \mathbf{v} = (u_1 + v_1, u_2 + v_2)$ を考えると、$(u_1 + v_1) + (u_2 + v_2) = (u_1 + u_2) + (v_1 + v_2) = 0 + 0 = 0$ なので、$\mathbf{u} + \mathbf{v} \in W$ となり、加法について閉じています。

$\mathbf{u} = (u_1, u_2) \in W$ と任意のスカラー $c$ に対して、$c\mathbf{u} = (cu_1, cu_2)$ を考えると、$cu_1 + cu_2 = c(u_1 + u_2) = c \cdot 0 = 0$ なので、$c\mathbf{u} \in W$ となり、スカラー倍について閉じています。

3. (c) $W = \{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^3 \mid x_1 + x_2 - x_3 = 0, 3x_1 + x_2 + 2x_3 = 0 \}$

ゼロベクトル $(0, 0, 0)$ を考えると、$0 + 0 - 0 = 0$ と $3(0) + 0 + 2(0) = 0$ なので、ゼロベクトルは $W$ に含まれます。

$\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3), \mathbf{v} = (v_1, v_2, v_3) \in W$ とすると、$u_1 + u_2 - u_3 = 0, 3u_1 + u_2 + 2u_3 = 0$ と $v_1 + v_2 - v_3 = 0, 3v_1 + v_2 + 2v_3 = 0$ が成り立ちます。

$\mathbf{u} + \mathbf{v} = (u_1 + v_1, u_2 + v_2, u_3 + v_3)$ を考えると、

$(u_1 + v_1) + (u_2 + v_2) - (u_3 + v_3) = (u_1 + u_2 - u_3) + (v_1 + v_2 - v_3) = 0 + 0 = 0$ と

$3(u_1 + v_1) + (u_2 + v_2) + 2(u_3 + v_3) = (3u_1 + u_2 + 2u_3) + (3v_1 + v_2 + 2v_3) = 0 + 0 = 0$

なので、$\mathbf{u} + \mathbf{v} \in W$ となり、加法について閉じています。

$\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3) \in W$ と任意のスカラー $c$ に対して、$c\mathbf{u} = (cu_1, cu_2, cu_3)$ を考えると、

$cu_1 + cu_2 - cu_3 = c(u_1 + u_2 - u_3) = c \cdot 0 = 0$ と

$3cu_1 + cu_2 + 2cu_3 = c(3u_1 + u_2 + 2u_3) = c \cdot 0 = 0$

なので、$c\mathbf{u} \in W$ となり、スカラー倍について閉じています。

4. (d) $W = \{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^3 \mid 2x_1 - 3x_2 + x_3 \le 1, 3x_1 + x_2 + 2x_3 \le 1 \}$

ゼロベクトル $(0, 0, 0)$ を考えると、$2(0) - 3(0) + 0 = 0 \le 1$ と $3(0) + 0 + 2(0) = 0 \le 1$ なので、ゼロベクトルは $W$ に含まれます。

しかし、スカラー倍について閉じていないことを示す反例を挙げます。

例えば、$(0,0,0)$は$W$に属しますが、任意のスカラー$c>1$に対して、$c(0,0,0) = (0,0,0)$となり、$W$に属するので、$W$ が部分空間である可能性はあります。

$\mathbf{u} = (1,0,0), \mathbf{v} = (0,1,0)$を考えると、$2(1)-3(0)+0 = 2 > 1, 3(1)+0+0=3>1$だから、$\mathbf{u}$は$W$に属しません。

また、$x_1=0, x_2=0, x_3 = 1$を考えると、$2(0)-3(0)+1 = 1 \le 1, 3(0)+0+2(1)=2>1$なので、(0,0,1)は$W$に属しません。

$\mathbf{u} = (0, 0, 0)$ と $c = 2$ について、$c\mathbf{u} = (0, 0, 0) \in W$ であるため、スカラー倍についての反例にはなっていません。しかし、加法についての反例は存在します。

$\mathbf{u} = (0,0,-1)$とすると$2(0)-3(0)-1 = -1 \le 1, 3(0)+0+2(-1) = -2 \le 1$だから、$\mathbf{u} \in W$

$\mathbf{u} = (0,0,0.5)$とすると$2(0)-3(0)+0.5 = 0.5 \le 1, 3(0)+0+2(0.5) = 1 \le 1$だから、$\mathbf{u} \in W$

しかし$\mathbf{u} + \mathbf{u} = (0,0,1)$とすると、$2(0)-3(0)+1 = 1 \le 1, 3(0)+0+2(1) = 2 > 1$なので、$\mathbf{u} + \mathbf{u} \notin W$.

したがって、加法について閉じていません。

5. (e) $W = \{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^3 \mid x_3 = 2x_1 - 3x_2, 3x_3 = x_1 + 2x_2 \}$

ゼロベクトル $(0, 0, 0)$ を考えると、$0 = 2(0) - 3(0)$ と $3(0) = 0 + 2(0)$ なので、ゼロベクトルは $W$ に含まれます。

$\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3), \mathbf{v} = (v_1, v_2, v_3) \in W$ とすると、$u_3 = 2u_1 - 3u_2, 3u_3 = u_1 + 2u_2$ と $v_3 = 2v_1 - 3v_2, 3v_3 = v_1 + 2v_2$ が成り立ちます。

$\mathbf{u} + \mathbf{v} = (u_1 + v_1, u_2 + v_2, u_3 + v_3)$ を考えると、

$u_3 + v_3 = (2u_1 - 3u_2) + (2v_1 - 3v_2) = 2(u_1 + v_1) - 3(u_2 + v_2)$ と

$3(u_3 + v_3) = (u_1 + 2u_2) + (v_1 + 2v_2) = (u_1 + v_1) + 2(u_2 + v_2)$

なので、$\mathbf{u} + \mathbf{v} \in W$ となり、加法について閉じています。

$\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3) \in W$ と任意のスカラー $c$ に対して、$c\mathbf{u} = (cu_1, cu_2, cu_3)$ を考えると、

$cu_3 = c(2u_1 - 3u_2) = 2(cu_1) - 3(cu_2)$ と

$3(cu_3) = c(3u_3) = c(u_1 + 2u_2) = cu_1 + 2cu_2$

なので、$c\mathbf{u} \in W$ となり、スカラー倍について閉じています。

6. (f) $W = \{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^3 \mid x_1^2 + x_2^2 - x_3^2 = 0, x_1 - x_2 + 2x_3 = 1 \}$

ゼロベクトル $(0, 0, 0)$ を考えると、$0^2 + 0^2 - 0^2 = 0$ ですが、$0 - 0 + 2(0) = 0 \neq 1$ なので、ゼロベクトルは $W$ に含まれません。

7. (g) $W = \{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^3 \mid 2x_1 + x_2 - 2x_3 = 0 \}$

ゼロベクトル $(0, 0, 0)$ を考えると、$2(0) + 0 - 2(0) = 0$ なので、ゼロベクトルは $W$ に含まれます。

$\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3), \mathbf{v} = (v_1, v_2, v_3) \in W$ とすると、$2u_1 + u_2 - 2u_3 = 0, 2v_1 + v_2 - 2v_3 = 0$ が成り立ちます。

$\mathbf{u} + \mathbf{v} = (u_1 + v_1, u_2 + v_2, u_3 + v_3)$ を考えると、$2(u_1 + v_1) + (u_2 + v_2) - 2(u_3 + v_3) = (2u_1 + u_2 - 2u_3) + (2v_1 + v_2 - 2v_3) = 0 + 0 = 0$ なので、$\mathbf{u} + \mathbf{v} \in W$ となり、加法について閉じています。

$\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3) \in W$ と任意のスカラー $c$ に対して、$c\mathbf{u} = (cu_1, cu_2, cu_3)$ を考えると、$2(cu_1) + cu_2 - 2(cu_3) = c(2u_1 + u_2 - 2u_3) = c \cdot 0 = 0$ なので、$c\mathbf{u} \in W$ となり、スカラー倍について閉じています。

8. (a) $W = \{ f(x) \in \mathbb{R}[x]_3 \mid f(0) = 0, f(1) = 0 \}$

ゼロ多項式 $f(x) = 0$ を考えると、$f(0) = 0$ と $f(1) = 0$ なので、ゼロ多項式は $W$ に含まれます。

$f(x), g(x) \in W$ とすると、$f(0) = 0, f(1) = 0$ と $g(0) = 0, g(1) = 0$ が成り立ちます。

$h(x) = f(x) + g(x)$ を考えると、$h(0) = f(0) + g(0) = 0 + 0 = 0$ と $h(1) = f(1) + g(1) = 0 + 0 = 0$ なので、$h(x) \in W$ となり、加法について閉じています。

$f(x) \in W$ と任意のスカラー $c$ に対して、$cf(x)$ を考えると、$cf(0) = c \cdot 0 = 0$ と $cf(1) = c \cdot 0 = 0$ なので、$cf(x) \in W$ となり、スカラー倍について閉じています。

9. (b) $W = \{ f(x) \in \mathbb{R}[x]_3 \mid f(0) = 1, f(1) = 0 \}$

ゼロ多項式 $f(x) = 0$ を考えると、$f(0) = 0 \neq 1$ なので、ゼロ多項式は $W$ に含まれません。

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0. (c) $W = \{ f(x) \in \mathbb{R}[x]_3 \mid f(3) = 0, f(2) = 0 \}$

ゼロ多項式 $f(x) = 0$ を考えると、$f(3) = 0$ と $f(2) = 0$ なので、ゼロ多項式は $W$ に含まれます。

$f(x), g(x) \in W$ とすると、$f(3) = 0, f(2) = 0$ と $g(3) = 0, g(2) = 0$ が成り立ちます。

$h(x) = f(x) + g(x)$ を考えると、$h(3) = f(3) + g(3) = 0 + 0 = 0$ と $h(2) = f(2) + g(2) = 0 + 0 = 0$ なので、$h(x) \in W$ となり、加法について閉じています。

$f(x) \in W$ と任意のスカラー $c$ に対して、$cf(x)$ を考えると、$cf(3) = c \cdot 0 = 0$ と $cf(2) = c \cdot 0 = 0$ なので、$cf(x) \in W$ となり、スカラー倍について閉じています。

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1. (d) $W = \{ f(x) \in \mathbb{R}[x]_3 \mid f(1) \le 0, f(2) = 0 \}$

ゼロ多項式 $f(x) = 0$ を考えると、$f(1) = 0 \le 0$ と $f(2) = 0$ なので、ゼロ多項式は $W$ に含まれます。

$f(x), g(x) \in W$ とすると、$f(1) \le 0, f(2) = 0$ と $g(1) \le 0, g(2) = 0$ が成り立ちます。

$h(x) = f(x) + g(x)$ を考えると、$h(2) = f(2) + g(2) = 0 + 0 = 0$ ですが、$h(1) = f(1) + g(1) \le 0$ とは限りません ($f(1) = -1, g(1) = -1$ なら $h(1) = -2 < 0$ ですが、$f(1) = -1, g(1) = 1$なら $h(1)=0$).

例えば、$f(x)=-x+2$, $g(x)=-x+2$. Then $f(1)=1 \leq 0$ is wrong. So this should be f(1)<=0

$f(x)=-x+1$, $g(x)=-x+1$. Then $f(2)=-1$, $g(2)=-1$. $f(x)+g(x) = -2x+2$, and $f(2)+g(2) = -2 \le 0$. However, this doesn't mean $f(1)+g(1)$ must be negative. Thus $W$ may not be a subspace. Consider $W = \{f(x) \in R[x]_3 | f(2)=0 \}$ then consider linear combination, we can only guarantee g(2) =0 so addition is closed, but considering f(1) <= 0 and $g(1) <= 0$. Let's try $f(x) = -x+2, g(x) = x-2$ then $W=\{0\}$.

Consider an example: $f(x)= x^2 -4x+4$. Then $f(x) \in R[x]_2$ so let $f(x) \in W$. Thus $f(1) = 1-4+4=1>0$.

Let $f(x)= -x+2$. $f(1) = 1<=0$ is wrong.

Let $f(x)= -x +2 \geq

0. f(2)+g(2) will still satisfy the function.

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2. (e) $W = \{ f(x) \in \mathbb{R}[x]_3 \mid f(3) = 0, f(1) = 0 \}$

ゼロ多項式 $f(x) = 0$ を考えると、$f(3) = 0$ と $f(1) = 0$ なので、ゼロ多項式は $W$ に含まれます。

$f(x), g(x) \in W$ とすると、$f(3) = 0, f(1) = 0$ と $g(3) = 0, g(1) = 0$ が成り立ちます。

$h(x) = f(x) + g(x)$ を考えると、$h(3) = f(3) + g(3) = 0 + 0 = 0$ と $h(1) = f(1) + g(1) = 0 + 0 = 0$ なので、$h(x) \in W$ となり、加法について閉じています。

$f(x) \in W$ と任意のスカラー $c$ に対して、$cf(x)$ を考えると、$cf(3) = c \cdot 0 = 0$ と $cf(1) = c \cdot 0 = 0$ なので、$cf(x) \in W$ となり、スカラー倍について閉じています。

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3. (f) $W = \{ f(x) \in \mathbb{R}[x]_3 \mid f''(x) - 2xf'(x) = 0 \}$

ゼロ多項式 $f(x) = 0$ を考えると、$f'(x) = 0$ と $f''(x) = 0$ なので、$0 - 2x(0) = 0$ となり、ゼロ多項式は $W$ に含まれます。

$f(x), g(x) \in W$ とすると、$f''(x) - 2xf'(x) = 0$ と $g''(x) - 2xg'(x) = 0$ が成り立ちます。

$h(x) = f(x) + g(x)$ を考えると、$h'(x) = f'(x) + g'(x)$ と $h''(x) = f''(x) + g''(x)$ なので、

$h''(x) - 2xh'(x) = (f''(x) + g''(x)) - 2x(f'(x) + g'(x)) = (f''(x) - 2xf'(x)) + (g''(x) - 2xg'(x)) = 0 + 0 = 0$

なので、$h(x) \in W$ となり、加法について閉じています。

$f(x) \in W$ と任意のスカラー $c$ に対して、$cf(x)$ を考えると、$(cf(x))' = cf'(x)$ と $(cf(x))'' = cf''(x)$ なので、

$(cf(x))'' - 2x(cf(x))' = cf''(x) - 2x(cf'(x)) = c(f''(x) - 2xf'(x)) = c \cdot 0 = 0$

なので、$cf(x) \in W$ となり、スカラー倍について閉じています。

3. 最終的な答え

1. (a) 部分空間ではない

2. (b) 部分空間である

3. (c) 部分空間である

4. (d) 部分空間ではない

5. (e) 部分空間である

6. (f) 部分空間ではない

7. (g) 部分空間である

8. (a) 部分空間である

9. (b) 部分空間ではない

1

0. (c) 部分空間である

1

1. (d) 部分空間ではない

1

2. (e) 部分空間である

1

3. (f) 部分空間である