質量5kgの氷塊を氷上で水平に押す。氷と氷塊の間の静止摩擦係数は0.4、動摩擦係数は0.1とする。重力加速度は$9.8 m/s^2$とする。以下の問いに答えよ。 (1) 氷塊が滑り出すために必要な力はいくらか。 (2) 滑っている氷塊に働く摩擦力はいくらか。 (3) 滑っている氷塊の加速度はいくらか。 (4) 氷塊が16m移動して停止した。この間に摩擦力がした仕事はいくらか。 (5) 氷塊が滑り出した瞬間の速さはいくらか。
2025/3/28
1. 問題の内容
質量5kgの氷塊を氷上で水平に押す。氷と氷塊の間の静止摩擦係数は0.4、動摩擦係数は0.1とする。重力加速度はとする。以下の問いに答えよ。
(1) 氷塊が滑り出すために必要な力はいくらか。
(2) 滑っている氷塊に働く摩擦力はいくらか。
(3) 滑っている氷塊の加速度はいくらか。
(4) 氷塊が16m移動して停止した。この間に摩擦力がした仕事はいくらか。
(5) 氷塊が滑り出した瞬間の速さはいくらか。
2. 解き方の手順
(1) 氷塊が滑り出す条件は、押す力が最大静止摩擦力より大きくなることである。最大静止摩擦力 は、
ここで は静止摩擦係数、 は垂直抗力、 は質量、は重力加速度である。
したがって、押す力が19.6 Nより大きければ氷塊は滑り出す。有効数字2桁で答えるので、20 Nとなる。
(2) 氷塊が滑っているとき、働く摩擦力は動摩擦力である。動摩擦力 は、
ここで は動摩擦係数である。
(3) 氷塊の加速度 は、ニュートンの運動方程式 から求めることができる。摩擦力のみが働いているので、 となる。
(4) 摩擦力がした仕事 は、力と距離の積で計算できる。
ここで、は移動距離、は力と移動方向のなす角である。今回は摩擦力と移動方向が逆向きなので、 である。
有効数字2桁で答えるので、-78 Jとなる。
(5) 等加速度運動の公式を用いて、滑り出した瞬間の速さ を求める。
ここで、 は最終速度、 は加速度、 は移動距離である。氷塊は停止したので、である。
3. 最終的な答え
(1) 20 N
(2) 4.9 N
(3) 0.98 m/s²
(4) -78 J
(5) 5.6 m/s