不等式 $x^2 - (a^2 - 2a + 1)x + a^2 - 2a < 0$ を満たす整数 $x$ が存在しないような定数 $a$ の値の範囲を求める。

代数学不等式二次不等式因数分解整数解
2025/6/14

1. 問題の内容

不等式 x2(a22a+1)x+a22a<0x^2 - (a^2 - 2a + 1)x + a^2 - 2a < 0 を満たす整数 xx が存在しないような定数 aa の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

まず、与えられた不等式を因数分解する。
a22a+1=(a1)2a^2 - 2a + 1 = (a-1)^2 なので、不等式は x2(a1)2x+a(a2)<0x^2 - (a-1)^2x + a(a-2) < 0 となる。
さらに因数分解を試みる。
x2(a1)2x+a(a2)=(xa)(x(a2))<0x^2 - (a-1)^2x + a(a-2) = (x-a)(x-(a-2)) < 0.
したがって、a2<aa-2 < a なので、この不等式を満たす xx の範囲は a2<x<aa-2 < x < a である。
問題の条件は、この範囲に整数 xx が存在しないことである。
これは、a(a2)1a - (a-2) \le 1 のとき起こりうる。
整数 xx が存在しないのは、区間 (a2,a)(a-2, a) の幅が1以下であるときに起こりうる。
区間 (a2,a)(a-2, a) に整数が存在しない条件は、区間の端点の差が1以下であることと同値ではない。
aa が整数の場合、a1a-1 は整数なので、区間 (a2,a)(a-2, a) には a1a-1 という整数が含まれるので、条件を満たさない。
区間 (a2,a)(a-2, a) に整数が含まれない条件は、
na2<an+1n \le a - 2 < a \le n+1 となる整数 nn が存在することである。
言い換えると、na2n \le a - 2 かつ an+1a \le n + 1 を満たす整数 nn が存在することである。
an+1a \le n+1 より a1na-1 \le n であるから、a1na2a-1 \le n \le a - 2 となる。
これは a1a2a - 1 \le a - 2 つまり 101 \le 0 となり、矛盾する。
したがって、条件を満たすのは、区間の幅が0以下、すなわち、a2aa-2 \ge a の場合であり、これはありえない。
区間(a2,a)(a-2, a)内に整数が存在しないための条件を考える。区間長は2なので、区間内に整数が存在しないのはありえない。
もし区間が[a2,a][a-2, a]であれば、条件を満たすことはありうる。
a2a-2aaの間に整数が存在しない条件は、
ある整数nnを用いて、a2na-2 \ge nかつan+1a \le n+1を満たすことである。
したがって、a2na-2 \ge nより、an+2a \ge n+2
an+1a \le n+1と合わせて、n+2an+1n+2 \le a \le n+1となる。
これはn+2n+1n+2 \le n+1なので、212 \le 1となり、矛盾である。
もしも、区間が[a2,a)[a-2, a)であれば、整数が存在しない条件は、ある整数nnについて、a2na-2 \ge nかつa<n+1a < n+1となる。
an+2a \ge n+2a<n+1a < n+1が同時に成り立つことはないので矛盾。
もしも、区間が(a2,a](a-2, a]であれば、整数が存在しない条件は、ある整数nnについて、a2>na-2 > nかつan+1a \le n+1となる。
a>n+2a > n+2an+1a \le n+1が同時に成り立つことはないので矛盾。
不等式を満たす整数 xx が存在しない必要十分条件は、a2a-2aaの間に整数が存在しないことである。これはa(a2)1a - (a-2) \le 1となることと同値ではない。
区間(a2,a)(a-2, a)の長さは2であるため、常に整数を含む。したがって条件を満たすaaは存在しない。

3. 最終的な答え

存在しない

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