この問題は、ゲーム理論に関する4つの問いから構成されています。 (1) 2人ゼロ和ゲームの最適な純粋戦略を求める。 (2) 2人非ゼロ和ゲームの純粋戦略ナッシュ均衡を求める。 (3) 2人ゼロ和ゲームの最適な混合戦略を求める。 (4) 2人非ゼロ和ゲームの混合戦略ナッシュ均衡を求める。
2025/6/15
1. 問題の内容
この問題は、ゲーム理論に関する4つの問いから構成されています。
(1) 2人ゼロ和ゲームの最適な純粋戦略を求める。
(2) 2人非ゼロ和ゲームの純粋戦略ナッシュ均衡を求める。
(3) 2人ゼロ和ゲームの最適な混合戦略を求める。
(4) 2人非ゼロ和ゲームの混合戦略ナッシュ均衡を求める。
2. 解き方の手順
(1) 2人ゼロ和ゲームの最適な純粋戦略を求める。
- 各プレイヤーのミニマックス戦略(相手の行動に対する自分の損失を最小化する戦略)とマキシミン戦略(自分の行動に対する最小の利益を最大化する戦略)を求める。
- ミニマックス値とマキシミン値が一致する場合、その戦略が最適な純粋戦略となる。
- プレイヤーIの戦略が1の場合、プレイヤーIIの最適な戦略は1となり、プレイヤーIの利得は3。
- プレイヤーIの戦略が2の場合、プレイヤーIIの最適な戦略は1となり、プレイヤーIの利得は-1。
- プレイヤーIの戦略が3の場合、プレイヤーIIの最適な戦略は1となり、プレイヤーIの利得は2。
- プレイヤーIIの戦略が1の場合、プレイヤーIの最適な戦略は1となり、プレイヤーIIの損失は-3。
- プレイヤーIIの戦略が2の場合、プレイヤーIの最適な戦略は3となり、プレイヤーIIの損失は-1。
- プレイヤーIIの戦略が3の場合、プレイヤーIの最適な戦略は3となり、プレイヤーIIの損失は-2。
- ミニマックス戦略はプレイヤーIIの戦略1(損失-3を最小化)、マキシミン戦略はプレイヤーIの戦略1(利得3を最大化)。
- このゲームは、純粋戦略ナッシュ均衡が存在しない。
(2) 2人非ゼロ和ゲームの純粋戦略ナッシュ均衡を求める。
- 各セルのペイオフ(利得)を確認し、各プレイヤーにとって、相手の戦略に対して最も有利な戦略を探す。
- ナッシュ均衡とは、どのプレイヤーも相手の戦略を変えない限り、自分の戦略を変えるインセンティブがない状態。
- (1,1): プレイヤーIは戦略2にすると利得が4に増加。プレイヤーIIは戦略2にすると利得が4に増加。ナッシュ均衡でない。
- (1,2): プレイヤーIは戦略2にすると利得が3に増加。プレイヤーIIは戦略1にすると利得が6に増加。ナッシュ均衡でない。
- (1,3): プレイヤーIは戦略2にすると利得が2に増加。プレイヤーIIは戦略1にすると利得がない。ナッシュ均衡でない。
- (2,1): プレイヤーIは戦略1にすると利得が5に増加。プレイヤーIIは戦略2にすると利得が6に増加。ナッシュ均衡でない。
- (2,2): プレイヤーIは戦略1にすると利得が2に減少。プレイヤーIIは戦略1にすると利得が6に増加。ナッシュ均衡でない。
- (2,3): プレイヤーIは戦略3にすると利得が7に増加。プレイヤーIIは戦略2にすると利得が2に減少。ナッシュ均衡でない。
- (3,1): プレイヤーIは戦略2にすると利得が4に増加。プレイヤーIIは戦略2にすると利得が2に減少。ナッシュ均衡でない。
- (3,2): プレイヤーIは戦略3にすると利得が7に増加。プレイヤーIIは戦略1にすると利得が3に増加。ナッシュ均衡でない。
- (3,3): プレイヤーIは戦略3から戦略2にすると利得が2に減少。プレイヤーIIは戦略3から戦略1にすると利得が3に増加。ナッシュ均衡でない。
- 純粋戦略ナッシュ均衡は(2,1)と(3,1)である。
(3) 2人ゼロ和ゲームの最適な混合戦略を求める。
- プレイヤーIが戦略1を取る確率を、戦略2を取る確率をとする。
- プレイヤーIIが戦略1を取る場合、プレイヤーIの期待利得は
- プレイヤーIIが戦略2を取る場合、プレイヤーIの期待利得は
- プレイヤーIIが戦略3を取る場合、プレイヤーIの期待利得は
- を解くと、
- を解くと、
- プレイヤーIの混合戦略はの時、プレイヤーIIは戦略2を選択する方が有利。
- プレイヤーIの混合戦略はの時、プレイヤーIIは戦略3を選択する方が有利。
- 戦略1,2を取るとして、を解くと、。この時、戦略1を取る確率は3/5、戦略2を取る確率は2/5となる。
-戦略1,3を取るとして、を解くと、。この時、戦略1を取る確率は2/3、戦略2を取る確率は1/3となる。
- プレイヤーIが戦略1,2のみを使うとして、IIが戦略1,2を使ったときの期待利得が等しくなるようにする。
- プレイヤーIが戦略1を選ぶ確率をpとすると、Iの期待利得はIIが戦略1のときp + 6(1-p) = 6-5p,戦略2のとき 3p + 3(1-p) =
3. - よって、6-5p = 3, p = 3/5となる。このとき、プレイヤーIの利得は3。プレイヤーIIは戦略3を取らない。
- よって、I(3/5, 2/5), II(0,1,0)である。
(4) 2人非ゼロ和ゲームの混合戦略ナッシュ均衡を求める。
- プレイヤーIが戦略1を取る確率を、戦略2を取る確率をとする。
- プレイヤーIIが戦略1を取る確率を、戦略2を取る確率をとする。
- プレイヤーIの期待利得:, 。, , 。
- プレイヤーIIの期待利得:, 。, , 。
- よって、プレイヤーIは(1/2, 1/2)、プレイヤーIIは(1/3, 2/3)である。
3. 最終的な答え
(1) 最適な純粋戦略は存在しない。
(2) 純粋戦略ナッシュ均衡は(2,1)と(3,1)。
(3) プレイヤーI: (3/5, 2/5)、プレイヤーII: (0, 1, 0)
(4) プレイヤーI: (1/2, 1/2)、プレイヤーII: (1/3, 2/3)