(4) 行列式の多重線形性に関する問題で、与えられた等式が正しいかどうかを判定する。 (5) 行列式の多重線形性に関する問題で、与えられた等式が正しいかどうかを判定する。 (6) 正方行列A, Bに対して、行列式の性質 $|AB| = |BA|$ が成立するかどうかを判定する。 (7) 与えられた行列式の値が偶数になるか奇数になるかを、行列式を計算せずに判定する。

代数学行列式多重線形性行列式の性質正方行列偶奇性
2025/6/16

1. 問題の内容

(4) 行列式の多重線形性に関する問題で、与えられた等式が正しいかどうかを判定する。
(5) 行列式の多重線形性に関する問題で、与えられた等式が正しいかどうかを判定する。
(6) 正方行列A, Bに対して、行列式の性質 AB=BA|AB| = |BA| が成立するかどうかを判定する。
(7) 与えられた行列式の値が偶数になるか奇数になるかを、行列式を計算せずに判定する。

2. 解き方の手順

(4) 行に関する多重線形性(教科書 p.59 定理 3.2(1))を利用する問題です。1行目を2倍して1行目に足し、多重線形性から行列式は変わらないという性質を使っています。
* 左辺の行列式:
\begin{vmatrix}
0 & 1 & 2 \\
5 & 3 & 1 \\
1 & 2 & 4
\end{vmatrix}
+
\begin{vmatrix}
2 & 3 & 4 \\
1 & 3 & 5 \\
2 & 4 & 1
\end{vmatrix}
* 右辺の行列式:
\begin{vmatrix}
0+2 & 1+3 & 2+4 \\
5+1 & 3+3 & 1+5 \\
1+2 & 2+4 & 4+1
\end{vmatrix}
=
\begin{vmatrix}
2 & 4 & 6 \\
6 & 6 & 6 \\
3 & 6 & 5
\end{vmatrix}
左辺を計算すると右辺の行列にならないため、間違っている。
(5) 行に関する多重線形性(教科書 p.59 定理 3.2(2))を利用する問題です。1行目を2倍して2行目に足し、多重線形性から行列式は変わらないという性質を使っています。
\begin{vmatrix}
2 & 6 & 4 \\
18 & 14 & 16 \\
10 & 12 & 8
\end{vmatrix}
= 2
\begin{vmatrix}
1 & 3 & 2 \\
9 & 7 & 8 \\
5 & 6 & 4
\end{vmatrix}
左辺の行列の2行目は、1行目の定数倍を足しても変わりません。しかし、ここでは2で割られています。もし2行目を2で割った場合、行列式は1/2倍になります。
よって、間違っている。
(6) A,BA, B を型が等しい正方行列とするとき、AB=BA|AB| = |BA| が成立するかどうかの問題です。行列式の性質として、AB=AB|AB| = |A||B| および BA=BA|BA| = |B||A| が成立します。また、行列式の値はスカラーなので、スカラーの積の順序交換は可能です。したがって、AB=BA|A||B| = |B||A|。よって、AB=BA|AB| = |BA| は正しいです。
(7) 行列式の値が偶数になるか奇数になるかを判定する問題です。行列式を計算する必要はありません。与えられた行列を AA とします。
A =
\begin{pmatrix}
22 & 36 & 122 & -10 \\
35 & 21 & -33 & -9 \\
73 & 15 & -23 & 81 \\
19 & 31 & 351 & -9
\end{pmatrix}
行列式を計算せずに偶奇性を判断するには、行列式の定義を考えます。行列式の定義は、置換を使った総和で表されます。
しかし、行列の成分に偶数が含まれている場合、計算結果が偶数になる確率が高いです。
1列目を見ると、22が偶数であるため、1列目の22を含む項は全て偶数になります。しかし、他の項が奇数になる可能性もあります。
別の方法として、行列式を計算せずに特定の行または列に注目します。この行列では、1行目に偶数が多く含まれています。もし、すべての成分が偶数であれば、行列式は偶数になります。しかし、この行列には奇数の成分も含まれています。
ここで、行列式の性質として、ある行または列の成分がすべてある数の倍数である場合、その数は行列式の因数になります。しかし、今回の行列にはそのような共通因数はありません。
簡便な方法として、行列の各要素をmod 2で計算し、0または1で置き換えます。
A \pmod{2} =
\begin{pmatrix}
0 & 0 & 0 & 0 \\
1 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1
\end{pmatrix}
この行列式は0になります。これは、行列式が偶数であることを示唆します。
1行がすべて0であるため、この行列の行列式は0なので、元の行列の行列式は偶数です。

3. 最終的な答え

(4)

2. 間違っている

(5)

2. 間違っている

(6)

1. 正しい

(7) 偶数

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