1. 問題の内容
整数 に対して、命題「 が3の倍数ならば、 は3の倍数である」を対偶を利用して証明する。
2. 解き方の手順
対偶を利用するため、まず与えられた命題の対偶を考える。
元の命題:「 が3の倍数ならば、 は3の倍数である」
対偶:「 が3の倍数でないならば、 は3の倍数でない」
この対偶を証明する。 が3の倍数でないとき、 はある整数 を用いて または と表される。
(i) のとき
\begin{align*}
n^3 + 2n^2 &= (3k+1)^3 + 2(3k+1)^2 \\
&= (27k^3 + 27k^2 + 9k + 1) + 2(9k^2 + 6k + 1) \\
&= 27k^3 + 27k^2 + 9k + 1 + 18k^2 + 12k + 2 \\
&= 27k^3 + 45k^2 + 21k + 3 \\
&= 3(9k^3 + 15k^2 + 7k + 1)
\end{align*}
これは3の倍数である。
(ii) のとき
\begin{align*}
n^3 + 2n^2 &= (3k+2)^3 + 2(3k+2)^2 \\
&= (27k^3 + 54k^2 + 36k + 8) + 2(9k^2 + 12k + 4) \\
&= 27k^3 + 54k^2 + 36k + 8 + 18k^2 + 24k + 8 \\
&= 27k^3 + 72k^2 + 60k + 16 \\
&= 27k^3 + 72k^2 + 60k + 15 + 1 \\
&= 3(9k^3 + 24k^2 + 20k + 5) + 1
\end{align*}
これは3の倍数ではない。
のとき、 は3の倍数である。これは対偶の否定になっている。
したがって、 が3の倍数でないならば、 は3の倍数でない、を示す必要がある。
が3の倍数でないとき、 または である。
(i) のとき、
したがって、 は3の倍数。
(ii) のとき、
したがって、 は3の倍数ではない。
したがって、 が3の倍数でないならば、 は3の倍数でない が成り立つ。
3. 最終的な答え
が3の倍数でないならば、 は3の倍数ではない。よって、対偶が真であるため、元の命題「 が3の倍数ならば、 は3の倍数である」も真である。