(1) $x > 0$ のとき、不等式 $\log(1+x) < x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3}$ が成り立つことを証明する。 (2) $x \geq 3$ のとき、不等式 $x^3e^{-x} \leq 27e^{-3}$ が成り立つことを示す。さらに、極限値 $\lim_{x \to \infty} x^2e^{-x}$ を求める。

1. 問題の内容

(1) $x > 0$ のとき、不等式 $\log(1+x) < x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3}$ が成り立つことを証明する。

(2) $x \geq 3$ のとき、不等式 $x^3e^{-x} \leq 27e^{-3}$ が成り立つことを示す。さらに、極限値 $\lim_{x \to \infty} x^2e^{-x}$ を求める。

2. 解き方の手順

(1)

関数 $f(x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \log(1+x)$ を定義する。$x>0$において、$f(x) > 0$ であることを示せばよい。

$f'(x) = 1 - x + x^2 - \frac{1}{1+x} = \frac{(1+x)(1-x+x^2) - 1}{1+x} = \frac{1-x+x^2+x-x^2+x^3-1}{1+x} = \frac{x^3}{1+x}$

$x>0$において、$f'(x) > 0$であるから、$f(x)$は単調増加である。

$f(0) = 0 - \frac{0^2}{2} + \frac{0^3}{3} - \log(1+0) = 0$

したがって、$x>0$において、$f(x) > f(0) = 0$であるから、$\log(1+x) < x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3}$ が成り立つ。

(2)

関数 $g(x) = x^3e^{-x}$ を定義する。$x \geq 3$において、$g(x) \leq 27e^{-3}$ であることを示せばよい。

$g'(x) = 3x^2e^{-x} - x^3e^{-x} = x^2e^{-x}(3-x)$

$x \geq 3$において、$g'(x) \leq 0$であるから、$g(x)$は単調減少である。

したがって、$x \geq 3$において、$g(x) \leq g(3) = 3^3e^{-3} = 27e^{-3}$ であるから、$x^3e^{-x} \leq 27e^{-3}$ が成り立つ。

次に、極限値 $\lim_{x \to \infty} x^2e^{-x}$ を求める。

これは$\frac{\infty}{\infty}$の不定形であるから、ロピタルの定理を用いる。

$\lim_{x \to \infty} x^2e^{-x} = \lim_{x \to \infty} \frac{x^2}{e^x} = \lim_{x \to \infty} \frac{2x}{e^x} = \lim_{x \to \infty} \frac{2}{e^x} = 0$

3. 最終的な答え

(1) $\log(1+x) < x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3}$ が成り立つ。

(2) $x^3e^{-x} \leq 27e^{-3}$ が成り立つ。$\lim_{x \to \infty} x^2e^{-x} = 0$