生産関数が $Y = (K^{0.5} + L^{0.5})^2$ で与えられている。資本のレンタル価格を $r$, 労働の賃金を $w$ とする。 (1) 生産要素の相対価格 $(w/r)$ が1%上がるとき、労働と資本の投入比 $(L/K)$ が何%下がるか。 (2) 費用関数 $Cost = rK + wL = Y(r^B + w^C)^D$ の $B$, $C$, $D$ の値を求める。

応用数学経済学生産関数費用関数最適化ラグランジュ乗数
2025/6/16

1. 問題の内容

生産関数が Y=(K0.5+L0.5)2Y = (K^{0.5} + L^{0.5})^2 で与えられている。資本のレンタル価格を rr, 労働の賃金を ww とする。
(1) 生産要素の相対価格 (w/r)(w/r) が1%上がるとき、労働と資本の投入比 (L/K)(L/K) が何%下がるか。
(2) 費用関数 Cost=rK+wL=Y(rB+wC)DCost = rK + wL = Y(r^B + w^C)^DBB, CC, DD の値を求める。

2. 解き方の手順

(1)
費用最小化問題を考える。
Cost=rK+wLCost = rK + wL を最小化する。
ラグランジュ関数は L=rK+wLλ((K0.5+L0.5)2Y) \mathcal{L} = rK + wL - \lambda((K^{0.5} + L^{0.5})^2 - Y) である。
一階の条件は次の通りである。
LK=rλ2(K0.5+L0.5)0.5K0.5=0\frac{\partial \mathcal{L}}{\partial K} = r - \lambda 2 (K^{0.5} + L^{0.5}) \cdot 0.5 K^{-0.5} = 0
LL=wλ2(K0.5+L0.5)0.5L0.5=0\frac{\partial \mathcal{L}}{\partial L} = w - \lambda 2 (K^{0.5} + L^{0.5}) \cdot 0.5 L^{-0.5} = 0
Lλ=(K0.5+L0.5)2Y=0\frac{\partial \mathcal{L}}{\partial \lambda} = (K^{0.5} + L^{0.5})^2 - Y = 0
最初の2つの式から λ\lambda を消去する。
rw=K0.5L0.5\frac{r}{w} = \frac{K^{-0.5}}{L^{-0.5}}
L0.5K0.5=wr\frac{L^{0.5}}{K^{0.5}} = \frac{w}{r}
LK=(wr)2\frac{L}{K} = (\frac{w}{r})^2
相対価格 (w/r)(w/r) が1%上がると (L/K)(L/K)(1.01)21.02(1.01)^2 \approx 1.02 となり、約2%上昇する。したがって、 (L/K)(L/K) は -2% 下がる。
(2)
Y=(K0.5+L0.5)2Y = (K^{0.5} + L^{0.5})^2 より、
K0.5=YL0.5K^{0.5} = \sqrt{Y} - L^{0.5}
K=(YL0.5)2=Y2YL0.5+LK = (\sqrt{Y} - L^{0.5})^2 = Y - 2\sqrt{Y}L^{0.5} + L
rK+wL=r(Y2YL0.5+L)+wL=rY+(w+r)L2rYL0.5rK + wL = r(Y - 2\sqrt{Y}L^{0.5} + L) + wL = rY + (w+r)L - 2r\sqrt{Y}L^{0.5}
(L/K)=(w/r)2(L/K) = (w/r)^2 より L=K(w/r)2L = K(w/r)^2
費用最小化条件 rK+wLrK + wL より、 rK+w(w/r)2K=rK+w3/r2K=K(r+w3/r2)rK + w(w/r)^2K = rK + w^3/r^2 K = K(r + w^3/r^2)
rK+wL=rK+wL=Y(r0.5+w0.5)2rK + wL = rK + wL = Y(r^{0.5} + w^{0.5})^2 となるはず。
LK=(wr)2\frac{L}{K} = (\frac{w}{r})^2 であるから、L=K(w/r)2L = K(w/r)^2
費用は rK+wL=rK+w(w/r)2K=rK+(w3/r2)K=K(r+w3/r2)rK + wL = rK + w(w/r)^2 K = rK + (w^3/r^2)K = K(r + w^3/r^2)
問題文よりCost=rK+wL=Y(rB+wC)DCost = rK + wL = Y(r^B + w^C)^D
Cost=Y((r1/2)2(K/Y)+(w1/2)2(L/Y)Cost = Y((r^{1/2}) ^2(K/Y) + (w^{1/2})^2(L/Y)
Cost=Y[rB+wC]DCost = Y[r^{B}+w^{C}]^{D}. となるためにはコブダグラス型を考えないといけない。
K0.5K^{0.5}L0.5L^{0.5}の係数が1なので、Y=(K0.5+L0.5)2Y = (K^{0.5} + L^{0.5})^2で、K0.5+L0.5=Y0.5K^{0.5}+L^{0.5} = Y^{0.5}であり、K=0,L=YK=0, L=YCost=wYCost = wYL=0,K=YL=0, K=YCost=rYCost = rYである。
rK+wL=Y(rB+wC)DrK+wL = Y(r^B + w^C)^Dは同次関数であり、次数は1である必要があるので、B=C=0.5B=C=0.5D=2D=2が候補になる。
Cost=Y(r0.5+w0.5)2=Y(r+w+2(rw)0.5)Cost = Y(r^{0.5} + w^{0.5})^2 = Y(r + w + 2(rw)^{0.5})

3. 最終的な答え

(1) 2
(2) B = 0.5, C = 0.5, D = 1
または
B = 1, C=1, D=1

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