$xy$平面内で作用する以下の力について、ポテンシャルが存在する場合はそれを求め、存在しない場合は「非保存力」と答えます。基準点は$(0, 0)$です。 (1) 一様に鉛直下向きに作用する力 $F = -j$ (2) 点$(x, y)$において作用する力 $F = -xi$ (3) 点$(x, y)$において作用する力 $F = -xj$ (4) 速度に比例する力 $F = -(v_x i + v_y j)$ (5) 動摩擦力

応用数学ベクトル解析ポテンシャル非保存力力学
2025/6/16

1. 問題の内容

xyxy平面内で作用する以下の力について、ポテンシャルが存在する場合はそれを求め、存在しない場合は「非保存力」と答えます。基準点は(0,0)(0, 0)です。
(1) 一様に鉛直下向きに作用する力 F=jF = -j
(2) 点(x,y)(x, y)において作用する力 F=xiF = -xi
(3) 点(x,y)(x, y)において作用する力 F=xjF = -xj
(4) 速度に比例する力 F=(vxi+vyj)F = -(v_x i + v_y j)
(5) 動摩擦力

2. 解き方の手順

ポテンシャルが存在するための条件は、×F=0\nabla \times F = 0 (2次元の場合、Fyx=Fxy \frac{\partial F_y}{\partial x} = \frac{\partial F_x}{\partial y})が成り立つことです。ポテンシャルが存在する場合、F=UF = -\nabla U (2次元の場合、Fx=Ux,Fy=UyF_x = -\frac{\partial U}{\partial x}, F_y = -\frac{\partial U}{\partial y})を満たすポテンシャルUUを求めます。
(1) F=(0,1)F = (0, -1)なので、Fyx=0\frac{\partial F_y}{\partial x} = 0, Fxy=0\frac{\partial F_x}{\partial y} = 0。よって、×F=0\nabla \times F = 0を満たします。
Fx=Ux=0F_x = -\frac{\partial U}{\partial x} = 0より、U(x,y)=f(y)U(x, y) = f(y)
Fy=Uy=1F_y = -\frac{\partial U}{\partial y} = -1より、Uy=1\frac{\partial U}{\partial y} = 1。よって、U(x,y)=y+CU(x, y) = y + C。基準点を(0,0)(0, 0)とすると、U(0,0)=0+C=0U(0, 0) = 0 + C = 0より、C=0C = 0
したがって、U(x,y)=yU(x, y) = y
(2) F=(x,0)F = (-x, 0)なので、Fyx=0\frac{\partial F_y}{\partial x} = 0, Fxy=0\frac{\partial F_x}{\partial y} = 0。よって、×F=0\nabla \times F = 0を満たします。
Fx=Ux=xF_x = -\frac{\partial U}{\partial x} = -xより、Ux=x\frac{\partial U}{\partial x} = x。よって、U(x,y)=12x2+f(y)U(x, y) = \frac{1}{2}x^2 + f(y)
Fy=Uy=0F_y = -\frac{\partial U}{\partial y} = 0より、Uy=0\frac{\partial U}{\partial y} = 0。よって、f(y)=Cf(y) = C。基準点を(0,0)(0, 0)とすると、U(0,0)=12(0)2+C=0U(0, 0) = \frac{1}{2}(0)^2 + C = 0より、C=0C = 0
したがって、U(x,y)=12x2U(x, y) = \frac{1}{2}x^2
(3) F=(0,x)F = (0, -x)なので、Fyx=1\frac{\partial F_y}{\partial x} = -1, Fxy=0\frac{\partial F_x}{\partial y} = 0。よって、×F0\nabla \times F \ne 0を満たしません。したがって、非保存力です。
(4) F=(vx,vy)F = (-v_x, -v_y)Fyx=(vy)x=0\frac{\partial F_y}{\partial x} = \frac{\partial (-v_y)}{\partial x} = 0, Fxy=(vx)y=0\frac{\partial F_x}{\partial y} = \frac{\partial (-v_x)}{\partial y} = 0。 よって、×F=0\nabla \times F = 0を満たします。ただし、vx=dxdtv_x = \frac{dx}{dt}, vy=dydtv_y = \frac{dy}{dt}であることに注意します。
Fx=Ux=vxF_x = -\frac{\partial U}{\partial x} = -v_xより、Ux=vx\frac{\partial U}{\partial x} = v_x。よって、U=vxx+f(y)U = v_x x + f(y)
Fy=Uy=vyF_y = -\frac{\partial U}{\partial y} = -v_yより、Uy=vy\frac{\partial U}{\partial y} = v_y。よって、f(y)=vyf'(y) = v_y。すると、U=vxx+vyyU = v_x x + v_y y となってしまいますが、ポテンシャルは位置の関数である必要があり、速度の関数であってはいけません。したがって、これは非保存力です。
(5) 動摩擦力は速度に依存し、向きが速度と反対なので、非保存力です。

3. 最終的な答え

(1) yy
(2) 12x2\frac{1}{2}x^2
(3) 非保存力
(4) 非保存力
(5) 非保存力

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