(1) 質量 $M$ の物体が速度 $v_0$ で壁に衝突し、反発係数が $1/3$ のとき、衝突後の物体の速さと、物体に働く力積の大きさと向きを求める問題。 (2) 質量 $4m$ の物体1が速度 $v_0$ で、静止している質量 $2m$ の物体2に衝突し、反発係数が $1/4$ のとき、衝突後の2物体の速度と向きを求める問題。

応用数学力学運動量保存反発係数力積衝突
2025/6/16

1. 問題の内容

(1) 質量 MM の物体が速度 v0v_0 で壁に衝突し、反発係数が 1/31/3 のとき、衝突後の物体の速さと、物体に働く力積の大きさと向きを求める問題。
(2) 質量 4m4m の物体1が速度 v0v_0 で、静止している質量 2m2m の物体2に衝突し、反発係数が 1/41/4 のとき、衝突後の2物体の速度と向きを求める問題。

2. 解き方の手順

(1)
衝突後の速さ:
反発係数 ee は、衝突後の相対速度の大きさを衝突前の相対速度の大きさで割ったものである。
e=vv0e = \frac{|v'|}{|v_0|}
ここで、vv' は衝突後の速度、v0v_0 は衝突前の速度である。
問題文より、e=1/3e = 1/3 なので、
13=vv0\frac{1}{3} = \frac{|v'|}{|v_0|}
v=13v0|v'| = \frac{1}{3}|v_0|
したがって、衝突後の速さは v0/3v_0/3 である。
力積の大きさ:
力積は運動量の変化に等しい。衝突前後の運動量の変化は、
J=MvMv0=M(13v0)Mv0=43Mv0J = Mv' - Mv_0 = M(-\frac{1}{3}v_0) - Mv_0 = -\frac{4}{3}Mv_0
力積の大きさは J=43Mv0|J| = \frac{4}{3}Mv_0 である。
力積の向き:
壁からの力積の向きは、物体の運動方向と逆向きである。図から、物体の運動方向は右向きなので、力積の向きは左向きである。
(2)
運動量保存則と反発係数の式を用いる。
運動量保存則:
4mv0+2m(0)=4mv1+2mv24mv_0 + 2m(0) = 4mv_1 + 2mv_2
4v0=4v1+2v24v_0 = 4v_1 + 2v_2
2v0=2v1+v22v_0 = 2v_1 + v_2
反発係数の式:
e=v2v1v00e = \frac{|v_2 - v_1|}{|v_0 - 0|}
14=v2v1v0\frac{1}{4} = \frac{v_2 - v_1}{v_0}
v0=4(v2v1)v_0 = 4(v_2 - v_1)
v2v1=14v0v_2 - v_1 = \frac{1}{4} v_0
連立方程式を解く:
2v0=2v1+v22v_0 = 2v_1 + v_2
v2v1=14v0v_2 - v_1 = \frac{1}{4} v_0
v2=v1+14v0v_2 = v_1 + \frac{1}{4}v_0
2v0=2v1+v1+14v02v_0 = 2v_1 + v_1 + \frac{1}{4}v_0
2v014v0=3v12v_0 - \frac{1}{4}v_0 = 3v_1
74v0=3v1\frac{7}{4} v_0 = 3v_1
v1=712v0v_1 = \frac{7}{12} v_0
v2=712v0+14v0=712v0+312v0=1012v0=56v0v_2 = \frac{7}{12} v_0 + \frac{1}{4} v_0 = \frac{7}{12} v_0 + \frac{3}{12} v_0 = \frac{10}{12} v_0 = \frac{5}{6} v_0
物体1の速度は 712v0\frac{7}{12}v_0 (右向き)
物体2の速度は 56v0\frac{5}{6}v_0 (右向き)

3. 最終的な答え

(1) 速さ: v0/3v_0/3 (選択肢 2)、力積の大きさ: 43Mv0\frac{4}{3}Mv_0 (選択肢 6)、力積の向き: 左向き (選択肢 8)
(2) 物体1の速さ: 712v0\frac{7}{12}v_0 (選択肢 1)、物体1の向き: 右向き (選択肢 7)、物体2の速さ: 56v0\frac{5}{6}v_0 (選択肢 5)、物体2の向き: 右向き (選択肢 7)

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