1kgあたり1500円で仕入れた食料品を、1kgあたり2000円で売ると1日に800kg売れる。売値を1kgあたり10円値下げまたは値上げするごとに、売上量が20kgずつ増加または減少する。1日あたりの利益を最大にするためには、1kgあたりの売値をいくらにすればよいか、また、そのときの1日あたりの売上量はいくらか。

応用数学二次関数最大化利益売上最適化制約条件
2025/6/16

1. 問題の内容

1kgあたり1500円で仕入れた食料品を、1kgあたり2000円で売ると1日に800kg売れる。売値を1kgあたり10円値下げまたは値上げするごとに、売上量が20kgずつ増加または減少する。1日あたりの利益を最大にするためには、1kgあたりの売値をいくらにすればよいか、また、そのときの1日あたりの売上量はいくらか。

2. 解き方の手順

1. 売値を $x$ 円としたとき、値下げまたは値上げした回数を $n$ とすると、$x = 2000 + 10n$ となる。$n$ が負のとき値下げ、正のとき値上げを表す。

2. このときの売上量は $800 - 20n$ kg となる。

3. 1日あたりの利益 $P$ は、売上金額から仕入れ金額を引いたものなので、

P=(2000+10n)(80020n)1500(80020n)P = (2000 + 10n)(800 - 20n) - 1500(800 - 20n)
=160000040000n+8000n200n21200000+30000n= 1600000 - 40000n + 8000n - 200n^2 - 1200000 + 30000n
=200n2+18000n+400000= -200n^2 + 18000n + 400000

4. 利益 $P$ を最大にする $n$ を求める。$P$ は $n$ の2次関数なので、平方完成して最大値を求める。

P=200(n290n)+400000P = -200(n^2 - 90n) + 400000
=200(n290n+20252025)+400000= -200(n^2 - 90n + 2025 - 2025) + 400000
=200((n45)22025)+400000= -200((n - 45)^2 - 2025) + 400000
=200(n45)2+405000+400000= -200(n - 45)^2 + 405000 + 400000
=200(n45)2+805000= -200(n - 45)^2 + 805000

5. $n = 45$ のとき、$P$ は最大値805000をとる。

6. このときの売値 $x$ は、$x = 2000 + 10 \times 45 = 2000 + 450 = 2450$ 円

7. このときの売上量 $800 - 20n$ は、$800 - 20 \times 45 = 800 - 900 = -100$ となるが、売上量が負になることはありえないので、 $n$ の範囲を考慮する必要がある。

売上量は必ず正なので 80020n0800-20n \ge 0 を満たす必要がある。よって 20n80020n \le 800 より n40n \le 40 となる。
したがって、n=45n=45 は条件を満たさない。n40n \le 40 の範囲で最大となるnnを考える。
PPn=45n=45 で最大値をとるので、n40n \le 40 において、nn が45に近いほど、PP は大きい。したがって、n=40n=40 のときに利益が最大になる。

8. $n = 40$ のとき、売値 $x$ は、$x = 2000 + 10 \times 40 = 2000 + 400 = 2400$ 円

9. $n = 40$ のとき、売上量は $800 - 20 \times 40 = 800 - 800 = 0$ kg. このとき利益はゼロになるため、売上量は必ず正である必要があるという前提が間違っている。正しくは、売上額が正である必要がある。

売上金額が正であるという制約条件を追加すると、 (2000+10n)(80020n)0(2000 + 10n)(800-20n) \ge 0 となる。
2000+10n02000+10n \ge 0 かつ 80020n0800-20n \ge 0 ならば n200n \ge -200 かつ n40n \le 40
または、2000+10n02000+10n \le 0 かつ 80020n0800-20n \le 0 ならば n200n \le -200 かつ n40n \ge 40
より n200n \ge -200 かつ n40n \le 40
1

0. 利益最大となる $n$ の値を考慮すると、$n$ は整数でなければならないので、$n=40$の場合、売上量は$800 - 20 \times 40 = 0$となるため利益は0円となる。

1

1. $n$ を40より小さくすると、例えば $n=39$ とすると、

売値 =2000+10×39=2390= 2000+10 \times 39 = 2390
売上量 =80020×39=800780=20= 800 - 20 \times 39 = 800 - 780 = 20kg
利益 =(23901500)×20=890×20=17800= (2390-1500) \times 20 = 890 \times 20 = 17800
1

2. $n$ が45に近い方が利益が大きくなることを利用すると、$n$ を40より小さく、なるべく40に近い値に設定することで、利益を最大化できる。

n=40n=40付近で、nnを増減させて利益を調べる。n=40n=40のとき、利益は0円。
n=39n=39のとき、利益は17800円。
n=38n=38のとき、
売値 =2000+10×38=2380= 2000 + 10 \times 38 = 2380
売上量 =80020×38=800760=40= 800 - 20 \times 38 = 800 - 760 = 40kg
利益 =(23801500)×40=880×40=35200= (2380 - 1500) \times 40 = 880 \times 40 = 35200
n=41n=41とすると、売上量がマイナスとなるので、nnは40以下の整数であることが必要。

3. 最終的な答え

1kgあたりの売値を2400円にすると、1日あたりの売上量は0kgになる。
1kgあたりの売値を2380円にすると、1日あたりの売上量は40kgになる。
この時の1日の利益は35200円となる。
この問題文の解釈が難しいですが、売上量が0以上という制約条件がある場合、
1kgあたりの売値を2380円にするのが最適と考えられます。
もし、売上額が0以上という制約条件で考えると、n=45n=45のときに利益が最大になるため、1kgあたり2450円で売ればよいということになります。
売上量は-100kgとなって矛盾しますが、売上金額そのものはプラスになるため、文脈によってはこの解釈も成り立ちます。

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