問題A:pH5.6の酸性雨はpH6.9の水と比較して水素イオン濃度が何倍になるかを求めよ。また、半径0.10mm、密度1.0 g/cm³の雨粒の終端速度をストークスの法則に従って求めよ。ただし、log2=0.3、重力加速度9.8 m/s²、空気の粘度1.8×10⁻⁵ Pasとする。 問題B:質量/体積パーセント濃度2.4 w/v%の尿素水溶液がある。尿素のモル濃度(mol/L)と質量モル濃度(mol/kg)を求めよ。ただし、尿素のモル質量は60 g/mol、尿素水溶液の密度は1.0 g/mLとする。
2025/6/16
1. 問題の内容
問題A:pH5.6の酸性雨はpH6.9の水と比較して水素イオン濃度が何倍になるかを求めよ。また、半径0.10mm、密度1.0 g/cm³の雨粒の終端速度をストークスの法則に従って求めよ。ただし、log2=0.3、重力加速度9.8 m/s²、空気の粘度1.8×10⁻⁵ Pasとする。
問題B:質量/体積パーセント濃度2.4 w/v%の尿素水溶液がある。尿素のモル濃度(mol/L)と質量モル濃度(mol/kg)を求めよ。ただし、尿素のモル質量は60 g/mol、尿素水溶液の密度は1.0 g/mLとする。
2. 解き方の手順
**問題A**
(1) 水素イオン濃度の倍率の計算:
pHと水素イオン濃度の関係は、pH = -log₁₀[H⁺] で表される。
したがって、[H⁺] = 10⁻pH である。
pH5.6の水素イオン濃度は
pH6.9の水素イオン濃度は
倍率は、
よって、水素イオン濃度は20倍になる。
(2) 終端速度の計算:
ストークスの法則によれば、終端速度vは以下の式で与えられる。
ここで、gは重力加速度、rは粒子の半径、ρは粒子の密度、ρ₀は媒質の密度、ηは媒質の粘度である。
ここでは、空気の密度は水の密度に比べて非常に小さいため無視できる。
**問題B**
(1) モル濃度の計算:
2.4 w/v%の尿素水溶液は、溶液100 mL中に尿素が2.4 g溶けていることを意味する。
尿素のモル質量は60 g/molなので、2.4 gの尿素は である。
溶液100 mL = 0.1 L に0.04 molの尿素が溶けているので、モル濃度は である。
(2) 質量モル濃度の計算:
溶液100 mLの質量は、密度が1.0 g/mLなので、100 gである。
この中に尿素が2.4 g含まれているので、溶媒(水)の質量は である。
質量モル濃度は、溶媒1 kgあたりの溶質のモル数なので、
3. 最終的な答え
問題A:
水素イオン濃度は20倍。
終端速度は約1.21 m/s。
問題B:
モル濃度は0.4 mol/L。
質量モル濃度は約0.41 mol/kg。