実数 $x$ に対して、無限等比級数 $\sum_{n=1}^{\infty} e^{nx(x-2)}$ を考える。 (1) この無限等比級数が収束するような $x$ の条件を求める。 (2) この無限等比級数が収束し、その和が $\frac{1}{e-1}$ に等しくなるような $x$ の値を求める。

解析学無限等比級数収束指数関数
2025/6/16

1. 問題の内容

実数 xx に対して、無限等比級数 n=1enx(x2)\sum_{n=1}^{\infty} e^{nx(x-2)} を考える。
(1) この無限等比級数が収束するような xx の条件を求める。
(2) この無限等比級数が収束し、その和が 1e1\frac{1}{e-1} に等しくなるような xx の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 無限等比級数が収束する条件は、公比の絶対値が1より小さいことである。この級数の公比は ex(x2)e^{x(x-2)} であるから、
ex(x2)<1|e^{x(x-2)}| < 1
が成り立つ必要がある。ex(x2)>0e^{x(x-2)} > 0 であるから、
ex(x2)<1e^{x(x-2)} < 1
両辺の自然対数をとると、
x(x2)<ln1=0x(x-2) < \ln{1} = 0
x(x2)<0x(x-2) < 0
x(x2)=x22x=x(x2)<0x(x-2) = x^2 - 2x = x(x-2) < 0
0<x<20 < x < 2
(2) 無限等比級数が収束するとき、その和は a1r\frac{a}{1-r} で与えられる。ここで、aa は初項、rr は公比である。この級数の初項は ex(x2)e^{x(x-2)} で、公比も ex(x2)e^{x(x-2)} である。したがって、級数の和は
ex(x2)1ex(x2)\frac{e^{x(x-2)}}{1 - e^{x(x-2)}}
これが 1e1\frac{1}{e-1} に等しいので、
ex(x2)1ex(x2)=1e1\frac{e^{x(x-2)}}{1 - e^{x(x-2)}} = \frac{1}{e-1}
ex(x2)(e1)=1ex(x2)e^{x(x-2)}(e-1) = 1 - e^{x(x-2)}
eex(x2)ex(x2)=1ex(x2)e e^{x(x-2)} - e^{x(x-2)} = 1 - e^{x(x-2)}
eex(x2)=1e e^{x(x-2)} = 1
ex(x2)=1e=e1e^{x(x-2)} = \frac{1}{e} = e^{-1}
x(x2)=1x(x-2) = -1
x22x+1=0x^2 - 2x + 1 = 0
(x1)2=0(x-1)^2 = 0
x=1x = 1
x=1x=1 は、0<x<20<x<2 を満たしている。

3. 最終的な答え

(1) 0<x<20 < x < 2
(2) x=1x = 1

「解析学」の関連問題

与えられた関数について、$n$次導関数を求める問題です。ここでは、問題番号(6),(7),(8)を解きます。 (6) $y = x^2 \cos(2x)$ (7) $y = \frac{1}{x^2 ...

微分導関数ライプニッツの公式部分分数分解
2025/6/19

与えられた各関数のn次導関数(n ≥ 1)を求める問題です。ここでは、関数 (1) $y = \frac{1}{1+x}$、(2) $y = \log(1-x)$、(3) $y = (1+x)^a$、...

導関数微分ライプニッツの公式
2025/6/19

与えられた2つの極限値を求める問題です。 (1) $\lim_{x\to 2} \frac{\log(\cos(x-2))}{1-\sin(\frac{\pi x}{4})}$ (2) $\lim_{...

極限ロピタルの定理対数関数三角関数
2025/6/19

与えられた関数について、$n$ 次導関数 ($n \ge 1$)を求める問題です。ここでは、問題番号2の関数、$y = \log(1-x)$ について解きます。

微分導関数対数関数数学的帰納法
2025/6/19

以下の4つの関数の導関数 $y'$ を求めます。 * $y = 3^x (x^2 + x)$ * $y = x^2 \cos(2x)$ * $y = \frac{1}{x^2 - x - ...

微分導関数積の微分商の微分合成関数
2025/6/19

与えられた式を微分する問題です。式は次の通りです。 $\frac{1}{(t+1)(t+2)^2}\frac{d}{dt}\{(t+1)^2(t+2)^3\}$

微分積の微分数式処理
2025/6/19

問題は2つあります。 1つ目は $\lim_{x \to 0} \frac{\tan x - x}{x^3}$ の値を求める問題です。 2つ目は $\lim_{x \to +0} x^2 (\log ...

極限ロピタルの定理マクローリン展開tan x対数関数
2025/6/19

$t = \tan(\frac{x}{2})$ と置換する。このとき、 $\sin x = \frac{2t}{1+t^2}$, $\cos x = \frac{1-t^2}{1+t^...

積分置換積分半角の公式部分分数分解三角関数の積分
2025/6/19

以下の3つの極限値を求めます。 (1) $\lim_{x \to 0} \frac{\cos 2x}{\cos 3x}$ (2) $\lim_{x \to 0} \frac{\tan x - x}{x...

極限ロピタルの定理テイラー展開三角関数対数関数
2025/6/19

## 1. 問題の内容

不定積分置換積分log関数
2025/6/19