関数 $f(x) = e^{-x}\sin x$ (ただし $x>0$) について、以下の問いに答える問題です。 (1) $f(x)$ の最大値と最小値、およびそのときの $x$ の値を求めます。 (2) 方程式 $f(x) = a$ が異なる正の実数解を2個持つときの、$a$ の値の範囲を求めます。ただし、$a>0$ とします。

解析学関数の最大最小微分三角関数指数関数方程式の解
2025/6/16

1. 問題の内容

関数 f(x)=exsinxf(x) = e^{-x}\sin x (ただし x>0x>0) について、以下の問いに答える問題です。
(1) f(x)f(x) の最大値と最小値、およびそのときの xx の値を求めます。
(2) 方程式 f(x)=af(x) = a が異なる正の実数解を2個持つときの、aa の値の範囲を求めます。ただし、a>0a>0 とします。

2. 解き方の手順

(1) f(x)=exsinxf(x) = e^{-x}\sin x の最大値と最小値を求める。
まず、f(x)f(x) を微分して増減を調べます。
f(x)=exsinx+excosx=ex(cosxsinx)f'(x) = -e^{-x}\sin x + e^{-x}\cos x = e^{-x}(\cos x - \sin x)
f(x)=0f'(x) = 0 となる xx を求めます。
ex(cosxsinx)=0e^{-x}(\cos x - \sin x) = 0
ex>0e^{-x} > 0 より、cosxsinx=0\cos x - \sin x = 0
cosx=sinx\cos x = \sin x
x=π4+nπx = \frac{\pi}{4} + n\pi ( nn は整数)
x>0x>0 より、x=π4,5π4,9π4,x = \frac{\pi}{4}, \frac{5\pi}{4}, \frac{9\pi}{4}, \dots
f(x)=ex(cosxsinx)+ex(sinxcosx)=ex(sinx+cosx+sinx+cosx)=2excosxf''(x) = -e^{-x}(\cos x - \sin x) + e^{-x}(-\sin x - \cos x) = -e^{-x}(-\sin x + \cos x + \sin x + \cos x) = -2e^{-x}\cos x
x=π4+nπx = \frac{\pi}{4} + n\pi での f(x)f''(x) の符号を調べます。
- x=π4x = \frac{\pi}{4} のとき、f(π4)=2eπ4cos(π4)=2eπ422=2eπ4<0f''(\frac{\pi}{4}) = -2e^{-\frac{\pi}{4}}\cos(\frac{\pi}{4}) = -2e^{-\frac{\pi}{4}}\frac{\sqrt{2}}{2} = -\sqrt{2}e^{-\frac{\pi}{4}} < 0 なので、f(π4)f(\frac{\pi}{4}) は極大値です。
- x=5π4x = \frac{5\pi}{4} のとき、f(5π4)=2e5π4cos(5π4)=2e5π4(22)=2e5π4>0f''(\frac{5\pi}{4}) = -2e^{-\frac{5\pi}{4}}\cos(\frac{5\pi}{4}) = -2e^{-\frac{5\pi}{4}}(-\frac{\sqrt{2}}{2}) = \sqrt{2}e^{-\frac{5\pi}{4}} > 0 なので、f(5π4)f(\frac{5\pi}{4}) は極小値です。
f(π4)=eπ4sin(π4)=eπ422f(\frac{\pi}{4}) = e^{-\frac{\pi}{4}}\sin(\frac{\pi}{4}) = e^{-\frac{\pi}{4}}\frac{\sqrt{2}}{2}
f(5π4)=e5π4sin(5π4)=e5π4(22)=e5π422f(\frac{5\pi}{4}) = e^{-\frac{5\pi}{4}}\sin(\frac{5\pi}{4}) = e^{-\frac{5\pi}{4}}(-\frac{\sqrt{2}}{2}) = -e^{-\frac{5\pi}{4}}\frac{\sqrt{2}}{2}
x>0x>0xx が大きくなると、exe^{-x} が0に近づくため、f(x)f(x) は0に近づきます。
したがって、最大値は eπ422e^{-\frac{\pi}{4}}\frac{\sqrt{2}}{2} で、最小値は存在しません(f(x)f(x) は0に限りなく近づきますが、0にはなりません)。
(2) f(x)=af(x) = a が異なる正の実数解を2個持つときの aa の範囲を求めます。
f(x)f(x) のグラフを考えると、
0<a<eπ4220 < a < e^{-\frac{\pi}{4}}\frac{\sqrt{2}}{2} のとき、方程式 f(x)=af(x) = a は異なる正の実数解を無限個持ちます。
f(x)=af(x)=aの解が2個となるaの範囲は、グラフを描くと0<a<f(π/4)0<a<f(\pi/4)の範囲にaがあるときです。

3. 最終的な答え

(1) 最大値: 22eπ4\frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}} (x=π4x = \frac{\pi}{4} のとき)
最小値: なし
(2) 0<a<22eπ40 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}}

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