整式 $P(x)$ があり、$(x+1)^2$ で割ると余りが $-x+4$、$ (x-1)^2$ で割ると余りが $2x+5$ である。 (1) $P(x)$ を $(x+1)(x-1)$ で割ったときの余りを求める。 (2) $P(x)$ を $(x+1)(x-1)^2$ で割ったときの余りを求める。

代数学多項式剰余の定理因数定理割り算
2025/6/17

1. 問題の内容

整式 P(x)P(x) があり、(x+1)2(x+1)^2 で割ると余りが x+4-x+4(x1)2 (x-1)^2 で割ると余りが 2x+52x+5 である。
(1) P(x)P(x)(x+1)(x1)(x+1)(x-1) で割ったときの余りを求める。
(2) P(x)P(x)(x+1)(x1)2(x+1)(x-1)^2 で割ったときの余りを求める。

2. 解き方の手順

(1) P(x)P(x)(x+1)(x1)(x+1)(x-1) で割ったときの余りを ax+bax+b とおく。
すると、ある整数 Q(x)Q(x) が存在して
P(x)=(x+1)(x1)Q(x)+ax+bP(x) = (x+1)(x-1)Q(x) + ax+b
と表せる。
P(x)P(x)(x+1)2(x+1)^2 で割ったときの余りが x+4-x+4 であることから、ある整数 Q1(x)Q_1(x) が存在して
P(x)=(x+1)2Q1(x)x+4P(x) = (x+1)^2 Q_1(x) -x+4
同様に、P(x)P(x)(x1)2(x-1)^2 で割ったときの余りが 2x+52x+5 であることから、ある整数 Q2(x)Q_2(x) が存在して
P(x)=(x1)2Q2(x)+2x+5P(x) = (x-1)^2 Q_2(x) + 2x+5
x=1x=-1 を代入すると
P(1)=a+b=(1)+4=5P(-1) = -a + b = -(-1) + 4 = 5
x=1x=1 を代入すると
P(1)=a+b=2(1)+5=7P(1) = a + b = 2(1) + 5 = 7
この連立方程式を解くと、
2b=122b = 12 より b=6b=6
a=7b=76=1a = 7-b = 7-6 = 1
したがって、余りは x+6x+6
(2) P(x)P(x)(x+1)(x1)2(x+1)(x-1)^2 で割ったときの余りを R(x)R(x) とおくと、ある整数 Q(x)Q(x) が存在して
P(x)=(x+1)(x1)2Q(x)+R(x)P(x) = (x+1)(x-1)^2 Q(x) + R(x)
ここで、R(x)R(x) は 2次以下の式である。
P(x)P(x)(x1)2(x-1)^2 で割ったときの余りが 2x+52x+5 であることから、R(x)R(x)(x1)2(x-1)^2 で割った余りも 2x+52x+5 である。
したがって、ある定数 cc を用いて
R(x)=c(x1)2+2x+5R(x) = c(x-1)^2 + 2x+5
と表せる。
P(x)P(x)(x+1)(x+1) で割ると、
P(1)=c(11)2+2(1)+5=4c2+5=4c+3P(-1) = c(-1-1)^2 + 2(-1) + 5 = 4c -2 + 5 = 4c + 3
一方、P(x)P(x)(x+1)2(x+1)^2 で割った余りは x+4-x+4 であることから、
P(1)=(1)+4=5P(-1) = -(-1)+4 = 5
よって、4c+3=54c + 3 = 5 より 4c=24c = 2 なので c=12c = \frac{1}{2}
したがって、
R(x)=12(x1)2+2x+5=12(x22x+1)+2x+5=12x2x+12+2x+5=12x2+x+112R(x) = \frac{1}{2} (x-1)^2 + 2x+5 = \frac{1}{2} (x^2 - 2x + 1) + 2x + 5 = \frac{1}{2}x^2 -x + \frac{1}{2} + 2x + 5 = \frac{1}{2}x^2 + x + \frac{11}{2}

3. 最終的な答え

(1) x+6x+6
(2) 12x2+x+112\frac{1}{2}x^2 + x + \frac{11}{2}

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