関数 $y = ax^2 + bx + c$ のグラフが与えられたとき、 (1) $a$, $b$, $c$ の符号を答える。 (2) $a$ と $c$ の値を固定し、$b$ の値のみを変化させたとき、次のうち変わらないものをすべて選び、その理由を説明する。 ① 放物線と $x$ 軸との共有点の個数 ② 放物線の頂点の $x$ 座標の符号 ③ 放物線の頂点の $y$ 座標の符号

1. 問題の内容

関数 $y = ax^2 + bx + c$ のグラフが与えられたとき、

(1) $a$, $b$, $c$ の符号を答える。

(2) $a$ と $c$ の値を固定し、$b$ の値のみを変化させたとき、次のうち変わらないものをすべて選び、その理由を説明する。

① 放物線と $x$ 軸との共有点の個数

② 放物線の頂点の $x$ 座標の符号

③ 放物線の頂点の $y$ 座標の符号

2. 解き方の手順

(1) $a$, $b$, $c$ の符号について

- グラフは上に凸であるから、$a < 0$。

- 軸の位置は $y$ 軸の右側にあるから、軸の方程式 $x = -\frac{b}{2a}$ は正である。したがって、$-\frac{b}{2a} > 0$。$a < 0$ より、$b < 0$。

- $y$ 切片は正であるから、$c > 0$。

(2) $b$ の値を変化させたときに変わらないものについて

- ① 放物線と $x$ 軸との共有点の個数

$x$軸との共有点の個数は、判別式 $D = b^2 - 4ac$ によって決まる。$a$ と $c$ が固定されているので、$b$ が変われば $D$ も変わり、共有点の個数も変わる可能性がある。

- ② 放物線の頂点の $x$ 座標の符号

頂点の $x$ 座標は $x = -\frac{b}{2a}$ である。$a < 0$ は固定されており、$b$ が負の値から変化する場合を考えると、 $-\frac{b}{2a}$ の値は変化する。$a$ が負の値なので、$b$ の符号が負であることは維持される。そのため$-\frac{b}{2a}$ は正の値を維持するので、符号は変わらない。

- ③ 放物線の頂点の $y$ 座標の符号

頂点の $y$ 座標は $y = -\frac{b^2 - 4ac}{4a}$ である。$a$ と $c$ が固定されていても、$b$ が変われば $y$ 座標も変わるので、符号が変わる可能性がある。

3. 最終的な答え

(1)

$a < 0$

$b < 0$

$c > 0$

(2)

変わらないもの：②

理由：放物線の頂点の $x$ 座標は $-\frac{b}{2a}$ であり、$a$ は負で固定なので、$b$ の符号が負であれば、常に正であるため。$b$の値を変化させても、$b$が負である限りは$-\frac{b}{2a}$の符号は正を維持する。