区間 $A = [-1, 1]$ 上で定義された以下の4つの関数 $f_i: A \to A$ ($i=1,2,3,4$) について、逆関数を持つものを理由とともに全て挙げよ。 $f_1(x) = x^2$ $f_2(x) = x^5$ $f_3(x) = \sin x$ $f_4(x) = \sin \frac{\pi x}{2}$

解析学逆関数単射全射三角関数関数
2025/6/19

1. 問題の内容

区間 A=[1,1]A = [-1, 1] 上で定義された以下の4つの関数 fi:AAf_i: A \to A (i=1,2,3,4i=1,2,3,4) について、逆関数を持つものを理由とともに全て挙げよ。
f1(x)=x2f_1(x) = x^2
f2(x)=x5f_2(x) = x^5
f3(x)=sinxf_3(x) = \sin x
f4(x)=sinπx2f_4(x) = \sin \frac{\pi x}{2}

2. 解き方の手順

関数が逆関数を持つための条件は、その関数が全単射(単射かつ全射)であることです。つまり、定義域の異なる元が異なる値に対応し(単射)、かつ値域が終域と一致する(全射)必要があります。
* f1(x)=x2f_1(x) = x^2: この関数は A=[1,1]A = [-1, 1] 上で単射ではありません。例えば、f1(1)=1f_1(1) = 1 かつ f1(1)=1f_1(-1) = 1 なので、異なる元が同じ値に対応します。したがって、逆関数を持ちません。
* f2(x)=x5f_2(x) = x^5: この関数は A=[1,1]A = [-1, 1] 上で単射です。また、xx1-1から11まで増加するにつれて、x5x^51-1から11まで増加するため、f2(x)f_2(x)は全射です。したがって、f2(x)f_2(x)は逆関数を持ちます。
* f3(x)=sinxf_3(x) = \sin x: この関数は A=[1,1]A = [-1, 1] 上で単射です。また、xx1-1から11まで増加するにつれて、sinx\sin xsin1-\sin 1からsin1\sin 1まで増加します。ここで、sin10.84<1\sin 1 \approx 0.84 < 1なので、f3(x)f_3(x)の終域は[1,1][-1,1]ですが、値域は[sin1,sin1][-\sin 1, \sin 1]となるため、f3(x)f_3(x)は全射ではありません。つまり、f3(x)f_3(x)AAからAAへの関数として全射ではないため、逆関数を持ちません。
* f4(x)=sinπx2f_4(x) = \sin \frac{\pi x}{2}: この関数は A=[1,1]A = [-1, 1] 上で単射です。また、xx1-1から11まで増加するにつれて、πx2\frac{\pi x}{2}π2-\frac{\pi}{2}からπ2\frac{\pi}{2}まで増加し、sinπx2\sin \frac{\pi x}{2}1-1から11まで増加します。したがって、f4(x)f_4(x)は全射です。よって、f4(x)f_4(x)は逆関数を持ちます。

3. 最終的な答え

逆関数を持つ関数は、f2(x)f_2(x)f4(x)f_4(x)です。
理由:
* f2(x)=x5f_2(x) = x^5A=[1,1]A = [-1, 1] 上で単射かつ全射であるため、逆関数を持ちます。
* f4(x)=sinπx2f_4(x) = \sin \frac{\pi x}{2}A=[1,1]A = [-1, 1] 上で単射かつ全射であるため、逆関数を持ちます。

「解析学」の関連問題

次の3つの定積分の値を求めます。 (1) $\int_{0}^{2} x^2\sqrt{4-x^2} dx$ (2) $\int_{0}^{2} x\sqrt{4-x^2} dx$ (3) $\int...

定積分積分置換積分三角関数
2025/6/19

以下の2つの式の値を求める問題です。 (1) $\sqrt{3} \sin{\frac{\pi}{12}} + \cos{\frac{\pi}{12}}$ (2) $\sin{\frac{5\pi}{...

三角関数三角関数の合成加法定理
2025/6/19

問題は2つあります。 (1) $\lim_{x \to +\infty} x \log(\frac{x-1}{x+1})$ を求める。 (2) $n$が奇数のとき、$\sin x = \sum_{\e...

極限テイラー展開三角関数数値計算
2025/6/19

$n$ が奇数のとき、$\sin x$ が以下の式で与えられます。 $$\sin x = \sum_{\ell=0}^{\frac{n-3}{2}} \frac{(-1)^\ell}{(2\ell+1...

テイラー展開三角関数近似計算数値計算
2025/6/19

$n$ が奇数のとき、$\sin x$ の近似式が与えられている。この式を用いて $\sin \frac{1}{3}$ の値を小数第4位まで求める。近似式は以下の通り。 $\sin x = \sum_...

三角関数テイラー展開数値計算近似
2025/6/19

次の定積分の値を求めよ。 (1) $\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{\sin 2x}{1 + \sin^2 x} dx$ (2) $\int_{0}^{\frac{\pi...

定積分置換積分三角関数
2025/6/19

不等式 $\sqrt{2} \cos(2x - \frac{\pi}{4}) \geq 1$ を $0 \leq x \leq \pi$ の範囲で解く。

三角関数不等式三角関数の不等式解の範囲
2025/6/19

曲線 $y = \frac{\log x}{x}$ と直線 $x=e$ および $x$ 軸で囲まれた図形を $x$ 軸の周りに1回転させてできる立体の体積を求めよ。

積分体積回転体部分積分対数関数
2025/6/19

$f(x) = -x^2 + 4x$とする。 (1) 放物線$C: y = f(x)$と$x$軸の交点のうち、原点でない方をAとする。点Aの座標を求める。 (2) $x$軸と$C$が囲む部分の面積を求...

二次関数放物線積分接線微分
2025/6/19

(1) $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$ かつ $\sin \alpha = \frac{3}{5}$ のとき、$\cos \alpha$、$\sin 2\alpha$ の値を...

三角関数対数関数グラフ平行移動
2025/6/19