$\Sigma = \{a, b\}$をアルファベットとする。 (1) $A = \{a, ab, abb\}, B = \{\epsilon, b\}$のとき、$AB$と$BA$を求める。 (2) $A = \{a, b\}^*, B = \{b\}$のとき、$AB$と$BA$を求める。 (3) $A = \{a, b\}^+, B = \{b\}$のとき、$AB$と$BA$を求める。 ここで、$\epsilon$は空文字列、$X^*$は$X$に属する文字列の0回以上の連接、$X^+$は$X$に属する文字列の1回以上の連接を表す。

離散数学形式言語文字列言語
2025/6/19

1. 問題の内容

Σ={a,b}\Sigma = \{a, b\}をアルファベットとする。
(1) A={a,ab,abb},B={ϵ,b}A = \{a, ab, abb\}, B = \{\epsilon, b\}のとき、ABABBABAを求める。
(2) A={a,b},B={b}A = \{a, b\}^*, B = \{b\}のとき、ABABBABAを求める。
(3) A={a,b}+,B={b}A = \{a, b\}^+, B = \{b\}のとき、ABABBABAを求める。
ここで、ϵ\epsilonは空文字列、XX^*XXに属する文字列の0回以上の連接、X+X^+XXに属する文字列の1回以上の連接を表す。

2. 解き方の手順

(1) A={a,ab,abb},B={ϵ,b}A = \{a, ab, abb\}, B = \{\epsilon, b\}のとき
AB={xyxA,yB}AB = \{xy | x \in A, y \in B\}なので、
AB={aϵ,abϵ,abbϵ,ab,abb,abbb}={a,ab,abb,abbb}AB = \{a\epsilon, ab\epsilon, abb\epsilon, ab, abb, abbb\} = \{a, ab, abb, abbb\}
BA={yxyB,xA}BA = \{yx | y \in B, x \in A\}なので、
BA={ϵa,ϵab,ϵabb,ba,bab,babb}={a,ab,abb,ba,bab,babb}BA = \{\epsilon a, \epsilon ab, \epsilon abb, ba, bab, babb\} = \{a, ab, abb, ba, bab, babb\}
(2) A={a,b},B={b}A = \{a, b\}^*, B = \{b\}のとき
AB={xbxA}AB = \{xb | x \in A\}なので、AAに属する任意の文字列にbbを連接したものがABABとなる。
つまり、AB={wbw{a,b}}={a,b}bAB = \{wb | w \in \{a, b\}^*\} = \{a, b\}^*b
BA={bxxA}BA = \{bx | x \in A\}なので、AAに属する任意の文字列の先頭にbbを連接したものがBABAとなる。
つまり、BA={bww{a,b}}=b{a,b}BA = \{bw | w \in \{a, b\}^*\} = b\{a, b\}^*
(3) A={a,b}+,B={b}A = \{a, b\}^+, B = \{b\}のとき
AB={xbxA}AB = \{xb | x \in A\}なので、AAに属する任意の文字列にbbを連接したものがABABとなる。
つまり、AB={wbw{a,b}+}={a,b}+bAB = \{wb | w \in \{a, b\}^+\} = \{a, b\}^+b
BA={bxxA}BA = \{bx | x \in A\}なので、AAに属する任意の文字列の先頭にbbを連接したものがBABAとなる。
つまり、BA={bww{a,b}+}=b{a,b}+BA = \{bw | w \in \{a, b\}^+\} = b\{a, b\}^+

3. 最終的な答え

(1) AB={a,ab,abb,abbb}AB = \{a, ab, abb, abbb\}
BA={a,ab,abb,ba,bab,babb}BA = \{a, ab, abb, ba, bab, babb\}
(2) AB={a,b}bAB = \{a, b\}^*b
BA=b{a,b}BA = b\{a, b\}^*
(3) AB={a,b}+bAB = \{a, b\}^+b
BA=b{a,b}+BA = b\{a, b\}^+

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