右図のような格子状の街路において、点Pから点Qまで最短経路で移動する場合について、以下の問いに答えます。 (1) PからQまでの最短経路の総数を求めます。 (2) 点Rを通るPからQまでの最短経路の数を求めます。 (3) 点Rと点Sの両方を通るPからQまでの最短経路の数を求めます。 (4) ×印の箇所を通らないPからQまでの最短経路の数を求めます。

離散数学組み合わせ最短経路格子状の街路
2025/6/19
## 解答

1. 問題の内容

右図のような格子状の街路において、点Pから点Qまで最短経路で移動する場合について、以下の問いに答えます。
(1) PからQまでの最短経路の総数を求めます。
(2) 点Rを通るPからQまでの最短経路の数を求めます。
(3) 点Rと点Sの両方を通るPからQまでの最短経路の数を求めます。
(4) ×印の箇所を通らないPからQまでの最短経路の数を求めます。

2. 解き方の手順

まず、PからQまで、右にmm回、上にnn回移動する必要があるとき、最短経路の総数は二項係数を用いてm+nCm=m+nCn{}_{m+n}C_m = {}_{m+n}C_nで表されることを利用します。
(1) PからQまでの最短経路の総数
PからQまでは、右に5回、上に4回移動する必要があります。したがって、最短経路の総数は
5+4C5=9C5=9!5!4!=9×8×7×64×3×2×1=126{}_{5+4}C_5 = {}_{9}C_5 = \frac{9!}{5!4!} = \frac{9 \times 8 \times 7 \times 6}{4 \times 3 \times 2 \times 1} = 126通りです。
(2) Rを通る経路
PからRまでは、右に2回、上に2回移動する必要があります。その経路数は
2+2C2=4C2=4!2!2!=4×32×1=6{}_{2+2}C_2 = {}_{4}C_2 = \frac{4!}{2!2!} = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6通りです。
RからQまでは、右に3回、上に2回移動する必要があります。その経路数は
3+2C3=5C3=5!3!2!=5×42×1=10{}_{3+2}C_3 = {}_{5}C_3 = \frac{5!}{3!2!} = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10通りです。
したがって、Rを通る経路の総数は、6×10=606 \times 10 = 60通りです。
(3) R, Sをともに通る経路
PからRまでは、(2)より6通りです。
RからSまでは、右に1回、上に1回移動する必要があります。その経路数は
1+1C1=2C1=2{}_{1+1}C_1 = {}_{2}C_1 = 2通りです。
SからQまでは、右に2回、上に1回移動する必要があります。その経路数は
2+1C2=3C2=3!2!1!=3{}_{2+1}C_2 = {}_{3}C_2 = \frac{3!}{2!1!} = 3通りです。
したがって、R, Sをともに通る経路の総数は、6×2×3=366 \times 2 \times 3 = 36通りです。
(4) ×印の箇所を通らない経路
まず、×印の箇所を点Xとします。
PからQまでの経路のうち、Xを通る経路の数を求めます。
PからXまでは、右に3回、上に2回移動する必要があります。その経路数は
3+2C3=5C3=5!3!2!=5×42×1=10{}_{3+2}C_3 = {}_{5}C_3 = \frac{5!}{3!2!} = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10通りです。
XからQまでは、右に2回、上に2回移動する必要があります。その経路数は
2+2C2=4C2=4!2!2!=4×32×1=6{}_{2+2}C_2 = {}_{4}C_2 = \frac{4!}{2!2!} = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6通りです。
したがって、Xを通る経路の総数は、10×6=6010 \times 6 = 60通りです。
PからQまでの経路の総数(1)は126通りなので、Xを通らない経路の数は、12660=66126 - 60 = 66通りです。

3. 最終的な答え

(1) 126通り
(2) 60通り
(3) 36通り
(4) 66通り

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