$a$ は正の定数である。曲線 $y = e^x$ と原点からこの曲線に引いた接線、直線 $x = -a$ および $x$ 軸で囲まれた部分の面積 $S$ を求める。

解析学積分接線面積指数関数
2025/6/19

1. 問題の内容

aa は正の定数である。曲線 y=exy = e^x と原点からこの曲線に引いた接線、直線 x=ax = -a および xx 軸で囲まれた部分の面積 SS を求める。

2. 解き方の手順

まず、原点から曲線 y=exy = e^x に引いた接線を求める。
接点を (t,et)(t, e^t) とすると、この点における接線の傾きは y=exy' = e^x より ete^t である。
したがって、接線の方程式は yet=et(xt)y - e^t = e^t (x - t) と表せる。
この接線が原点 (0,0)(0, 0) を通ることから、 0et=et(0t)0 - e^t = e^t (0 - t) が成り立つ。
これを整理すると、 et=tet-e^t = -t e^t となり、et>0e^t > 0 より t=1t = 1 である。
よって、接点は (1,e)(1, e) であり、接線の方程式は y=exy = ex となる。
求める面積 SS は、直線 x=ax = -a から x=0x = 0 の範囲では xx 軸との間の面積なので 00 であり、x=0x = 0 から x=1x = 1 の範囲では接線 y=exy = exxx 軸で囲まれた面積、x=1x = 1 から x=ax = -a では曲線 y=exy = e^xxx 軸で囲まれた面積を考える。ただし a<0-a<0 である。
x=0x=0からx=1x=1の範囲では接線y=exy=exxx軸で囲まれた面積はない。
x=1x=1より小さいa-aから00まででは、接線exexxx軸で囲まれた部分と、曲線exe^xxx軸で囲まれた部分がある。
しかし、今回の問題では、x=ax=-aからxx軸で囲まれた部分の面積を求めればよい。
接点の xx 座標は 11 なので、x=0x=0 から x=1x=1 までは接線 y=exy = exy=exy = e^x より下にある。x=1x=1におけるそれぞれのyy座標はともにeeである。x=0x=0におけるyy座標は、接線が00で、曲線が11なので、接線が下にある。よって、x=ax = -a から x=0x = 0 の範囲では、接線と曲線 y=exy = e^xxx 軸で囲まれた面積がある。
したがって、SS は次の積分で表される。
S=a0exdx+01exdxa1exdxS = \int_{-a}^{0} ex dx + \int_{0}^{1} ex dx - \int_{-a}^{1} e^x dx
S=a1exdxa1exdxS = \int_{-a}^{1} ex dx - \int_{-a}^{1} e^x dx
S=a0exdx+01exdxa1exdxS = \int_{-a}^{0} ex dx + \int_{0}^{1} e x dx - \int_{-a}^{1} e^x dx
S=[ex22]a1[ex]a1=e(12a22)(eea)=e2ea22e+ea=eaea22e2S = [e \frac{x^2}{2}]_{-a}^{1} - [e^x]_{-a}^{1} = e (\frac{1}{2} - \frac{a^2}{2}) - (e - e^{-a}) = \frac{e}{2} - \frac{ea^2}{2} - e + e^{-a} = e^{-a} - \frac{ea^2}{2} - \frac{e}{2}
S=a0exdx+01exdxa0exdx01exdxS = \int_{-a}^{0} ex dx + \int_{0}^{1} ex dx - \int_{-a}^{0} e^x dx - \int_{0}^{1} e^x dx
S=[ex22]a0+[ex22]01[ex]a0[ex]01S = [\frac{ex^2}{2}]_{-a}^{0} + [\frac{ex^2}{2}]_{0}^{1} - [e^x]_{-a}^{0} - [e^x]_{0}^{1}
S=(0ea22)+(e20)(1ea)(e1)S = (0 - \frac{ea^2}{2}) + (\frac{e}{2} - 0) - (1 - e^{-a}) - (e - 1)
S=ea22+e21+eae+1S = -\frac{ea^2}{2} + \frac{e}{2} - 1 + e^{-a} - e + 1
S=eaea22e2S = e^{-a} - \frac{ea^2}{2} - \frac{e}{2}

3. 最終的な答え

S=eaea22e2S = e^{-a} - \frac{ea^2}{2} - \frac{e}{2}

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