$n$ が自然数のとき、$2n^3 + 3n^2 + n$ が6の倍数であることを数学的帰納法で証明する。

数論数学的帰納法整数の性質倍数
2025/6/19

1. 問題の内容

nn が自然数のとき、2n3+3n2+n2n^3 + 3n^2 + n が6の倍数であることを数学的帰納法で証明する。

2. 解き方の手順

(1) n=1n=1 のとき、2n3+3n2+n=2(1)3+3(1)2+1=2+3+1=62n^3 + 3n^2 + n = 2(1)^3 + 3(1)^2 + 1 = 2 + 3 + 1 = 6 となり、6の倍数である。よって、n=1n=1 のとき成り立つ。
(2) n=kn=k のとき、2k3+3k2+k2k^3 + 3k^2 + k が6の倍数であると仮定する。つまり、ある整数 mm を用いて、
2k3+3k2+k=6m2k^3 + 3k^2 + k = 6m
と表せると仮定する。
(3) n=k+1n=k+1 のとき、2n3+3n2+n2n^3 + 3n^2 + n が6の倍数となることを示す。
n=k+1n=k+1 のとき、
\begin{align*} 2(k+1)^3 + 3(k+1)^2 + (k+1) &= 2(k^3 + 3k^2 + 3k + 1) + 3(k^2 + 2k + 1) + (k + 1) \\ &= 2k^3 + 6k^2 + 6k + 2 + 3k^2 + 6k + 3 + k + 1 \\ &= 2k^3 + 9k^2 + 13k + 6 \\ &= (2k^3 + 3k^2 + k) + (6k^2 + 12k + 6) \\ &= (2k^3 + 3k^2 + k) + 6(k^2 + 2k + 1) \\ &= 6m + 6(k^2 + 2k + 1) \\ &= 6(m + k^2 + 2k + 1)\end{align*}
m+k2+2k+1m + k^2 + 2k + 1 は整数なので、2(k+1)3+3(k+1)2+(k+1)2(k+1)^3 + 3(k+1)^2 + (k+1) は6の倍数である。
(1), (2), (3)より、数学的帰納法によって、すべての自然数 nn について、2n3+3n2+n2n^3 + 3n^2 + n は6の倍数である。

3. 最終的な答え

nn が自然数のとき、2n3+3n2+n2n^3 + 3n^2 + n は6の倍数である。

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