与えられた2階線形常微分方程式の一般解を求め、初期条件 $x(0) = 0$, $\dot{x}(0) = v_0$ を満たす解を求める。さらに、$\dot{x}(t)$ のグラフを描く。与えられた微分方程式は以下の通り。 $m \frac{d^2x}{dt^2} = -k \frac{dx}{dt} + mg$

応用数学常微分方程式線形微分方程式初期条件グラフ
2025/6/20

1. 問題の内容

与えられた2階線形常微分方程式の一般解を求め、初期条件 x(0)=0x(0) = 0, x˙(0)=v0\dot{x}(0) = v_0 を満たす解を求める。さらに、x˙(t)\dot{x}(t) のグラフを描く。与えられた微分方程式は以下の通り。
md2xdt2=kdxdt+mgm \frac{d^2x}{dt^2} = -k \frac{dx}{dt} + mg

2. 解き方の手順

まず、微分方程式を変形して、
md2xdt2+kdxdt=mgm \frac{d^2x}{dt^2} + k \frac{dx}{dt} = mg
これは非斉次線形常微分方程式である。
ステップ1: 斉次方程式を解く
斉次方程式は
md2xdt2+kdxdt=0m \frac{d^2x}{dt^2} + k \frac{dx}{dt} = 0
これを解くために、特性方程式を考える。
mr2+kr=0mr^2 + kr = 0
r(mr+k)=0r(mr+k) = 0
よって、r1=0r_1 = 0, r2=kmr_2 = -\frac{k}{m}
したがって、斉次方程式の一般解は
xh(t)=C1+C2ekmtx_h(t) = C_1 + C_2 e^{-\frac{k}{m}t}
ここで、C1C_1C2C_2は任意定数である。
ステップ2: 非斉次方程式の特殊解を求める
特殊解を xp(t)=Atx_p(t) = At と仮定する。
dxpdt=A\frac{dx_p}{dt} = A
d2xpdt2=0\frac{d^2x_p}{dt^2} = 0
元の微分方程式に代入すると、
m(0)+kA=mgm(0) + kA = mg
kA=mgkA = mg
A=mgkA = \frac{mg}{k}
したがって、特殊解は
xp(t)=mgktx_p(t) = \frac{mg}{k}t
ステップ3: 一般解を求める
一般解は斉次解と特殊解の和で与えられる。
x(t)=xh(t)+xp(t)=C1+C2ekmt+mgktx(t) = x_h(t) + x_p(t) = C_1 + C_2 e^{-\frac{k}{m}t} + \frac{mg}{k}t
ステップ4: 初期条件を適用する
初期条件 x(0)=0x(0) = 0 より、
x(0)=C1+C2e0+mgk(0)=C1+C2=0x(0) = C_1 + C_2 e^0 + \frac{mg}{k}(0) = C_1 + C_2 = 0
C1=C2C_1 = -C_2
x˙(t)=kmC2ekmt+mgk\dot{x}(t) = -\frac{k}{m}C_2 e^{-\frac{k}{m}t} + \frac{mg}{k}
初期条件 x˙(0)=v0\dot{x}(0) = v_0 より、
x˙(0)=kmC2e0+mgk=kmC2+mgk=v0\dot{x}(0) = -\frac{k}{m}C_2 e^0 + \frac{mg}{k} = -\frac{k}{m}C_2 + \frac{mg}{k} = v_0
kmC2=v0mgk-\frac{k}{m}C_2 = v_0 - \frac{mg}{k}
C2=mk(v0mgk)=mk(mgkv0)C_2 = -\frac{m}{k}(v_0 - \frac{mg}{k}) = \frac{m}{k}(\frac{mg}{k} - v_0)
C1=C2=mk(v0mgk)C_1 = -C_2 = \frac{m}{k}(v_0 - \frac{mg}{k})
したがって、解は
x(t)=mk(v0mgk)mk(v0mgk)ekmt+mgktx(t) = \frac{m}{k}(v_0 - \frac{mg}{k}) - \frac{m}{k}(v_0 - \frac{mg}{k})e^{-\frac{k}{m}t} + \frac{mg}{k}t
ステップ5: x˙(t)\dot{x}(t) を求める
x˙(t)=ddtx(t)=mk(v0mgk)kmekmt+mgk=(v0mgk)ekmt+mgk\dot{x}(t) = \frac{d}{dt}x(t) = \frac{m}{k}(v_0 - \frac{mg}{k})\frac{k}{m}e^{-\frac{k}{m}t} + \frac{mg}{k} = (v_0 - \frac{mg}{k})e^{-\frac{k}{m}t} + \frac{mg}{k}
ステップ6: x˙(t)\dot{x}(t) のグラフを描く
x˙(t)\dot{x}(t) は指数関数と定数の和で表される。
tt \to \infty のとき、ekmt0e^{-\frac{k}{m}t} \to 0 であるから、x˙(t)mgk\dot{x}(t) \to \frac{mg}{k} となる。
x˙(0)=v0\dot{x}(0) = v_0 である。
ddtx˙(t)=km(v0mgk)ekmt\frac{d}{dt}\dot{x}(t) = -\frac{k}{m}(v_0 - \frac{mg}{k})e^{-\frac{k}{m}t}
v0>mgkv_0 > \frac{mg}{k} のとき、ddtx˙(t)<0\frac{d}{dt}\dot{x}(t) < 0 となり、x˙(t)\dot{x}(t) は単調減少する。
v0<mgkv_0 < \frac{mg}{k} のとき、ddtx˙(t)>0\frac{d}{dt}\dot{x}(t) > 0 となり、x˙(t)\dot{x}(t) は単調増加する。
v0=mgkv_0 = \frac{mg}{k} のとき、x˙(t)=mgk\dot{x}(t) = \frac{mg}{k} (定数) となる。

3. 最終的な答え

微分方程式の解は以下である。
x(t)=mk(v0mgk)mk(v0mgk)ekmt+mgktx(t) = \frac{m}{k}(v_0 - \frac{mg}{k}) - \frac{m}{k}(v_0 - \frac{mg}{k})e^{-\frac{k}{m}t} + \frac{mg}{k}t
x˙(t)\dot{x}(t) は以下である。
x˙(t)=(v0mgk)ekmt+mgk\dot{x}(t) = (v_0 - \frac{mg}{k})e^{-\frac{k}{m}t} + \frac{mg}{k}

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