質量 $M$ の物体Aと質量 $m$ の物体Bが、定滑車を通して繋がれている。物体Bは地面にあり、物体Aは高さ $h$ の位置にある。$M > m$ であり、重力加速度の大きさを $g$ とする。物体Aを静かに離したとき、以下の値を求めよ。 (1) Aの加速度の大きさ $a$ (2) Aをつるしている糸1の張力の大きさ $T$ (3) 滑車をつるしている糸2の張力の大きさ $S$ (4) Aが地面に達するまでの時間 $t$ と、そのときのAの速さ $v$

応用数学力学運動方程式重力加速度張力
2025/6/21

1. 問題の内容

質量 MM の物体Aと質量 mm の物体Bが、定滑車を通して繋がれている。物体Bは地面にあり、物体Aは高さ hh の位置にある。M>mM > m であり、重力加速度の大きさを gg とする。物体Aを静かに離したとき、以下の値を求めよ。
(1) Aの加速度の大きさ aa
(2) Aをつるしている糸1の張力の大きさ TT
(3) 滑車をつるしている糸2の張力の大きさ SS
(4) Aが地面に達するまでの時間 tt と、そのときのAの速さ vv

2. 解き方の手順

(1) 物体Aと物体Bの運動方程式を立てる。物体Aには重力 MgMg と張力 TT が働き、物体Bには重力 mgmg と張力 TT が働く。Aの加速度を下向きに aa とすると、Bの加速度は上向きに aa となる。
物体Aの運動方程式:
Ma=MgTMa = Mg - T
物体Bの運動方程式:
ma=Tmgma = T - mg
2つの式を足し合わせると、
Ma+ma=MgmgMa + ma = Mg - mg
(M+m)a=(Mm)g(M+m)a = (M-m)g
a=MmM+mga = \frac{M-m}{M+m}g
(2) 加速度 aa が求まったので、運動方程式のいずれかに代入して張力 TT を求める。ここでは物体Bの運動方程式を使用する。
T=ma+mg=m(a+g)=m(MmM+mg+g)=m(Mm+M+mM+mg)=2MmM+mgT = ma + mg = m(a+g) = m(\frac{M-m}{M+m}g + g) = m(\frac{M-m+M+m}{M+m}g) = \frac{2Mm}{M+m}g
(3) 糸2は滑車を支えており、滑車は糸1によってAとBを支えている。したがって、糸2の張力 SS は糸1の張力 TT の2倍に等しい。
S=2T=2(2MmM+mg)=4MmM+mgS = 2T = 2(\frac{2Mm}{M+m}g) = \frac{4Mm}{M+m}g
(4) 物体Aは初速度0で加速度 aa で距離 hh だけ落下するので、等加速度運動の公式を用いる。
h=12at2h = \frac{1}{2}at^2
t=2ha=2hMmM+mg=2h(M+m)(Mm)gt = \sqrt{\frac{2h}{a}} = \sqrt{\frac{2h}{\frac{M-m}{M+m}g}} = \sqrt{\frac{2h(M+m)}{(M-m)g}}
また、速度 vv
v=at=MmM+mg2h(M+m)(Mm)g=(Mm)2(M+m)2g22h(M+m)(Mm)g=2hg(Mm)M+mv = at = \frac{M-m}{M+m}g\sqrt{\frac{2h(M+m)}{(M-m)g}} = \sqrt{\frac{(M-m)^2}{(M+m)^2}g^2\frac{2h(M+m)}{(M-m)g}} = \sqrt{\frac{2hg(M-m)}{M+m}}

3. 最終的な答え

(1) Aの加速度の大きさ a=MmM+mga = \frac{M-m}{M+m}g
(2) 糸1の張力の大きさ T=2MmM+mgT = \frac{2Mm}{M+m}g
(3) 糸2の張力の大きさ S=4MmM+mgS = \frac{4Mm}{M+m}g
(4) Aが地面に達するまでの時間 t=2h(M+m)(Mm)gt = \sqrt{\frac{2h(M+m)}{(M-m)g}}、そのときの速さ v=2hg(Mm)M+mv = \sqrt{\frac{2hg(M-m)}{M+m}}

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