ある財の市場において、需要曲線が $X = -P + 200$ で与えられている。当初、参入規制があり供給曲線は $X = (1/2)P - 10$ であった。参入規制が撤廃されると、供給曲線は $X = P - 20$ となった。これらの条件の下で、参入規制の有無における価格、取引量、総余剰、生産者余剰を求める問題です。
2025/6/21
1. 問題の内容
ある財の市場において、需要曲線が で与えられている。当初、参入規制があり供給曲線は であった。参入規制が撤廃されると、供給曲線は となった。これらの条件の下で、参入規制の有無における価格、取引量、総余剰、生産者余剰を求める問題です。
2. 解き方の手順
(1) 参入規制がある場合:
* 需要曲線:
* 供給曲線:
需要曲線と供給曲線を連立させて均衡価格と取引量を求めます。
これが①の答え
均衡取引量:
これが②の答え
(2) 参入規制がない場合:
* 需要曲線:
* 供給曲線:
需要曲線と供給曲線を連立させて均衡価格と取引量を求めます。
これが③の答え
均衡取引量:
これが④の答え
(3) 総余剰の計算
総余剰 = 消費者余剰 + 生産者余剰
消費者余剰 = (需要曲線における切片 - 均衡価格) * 均衡取引量 / 2
生産者余剰 = (均衡価格 - 供給曲線における切片) * 均衡取引量 / 2
* 参入規制がある場合:
需要曲線の切片は のとき 。
供給曲線を について解くと 。 供給曲線の切片は のとき 。
消費者余剰 =
生産者余剰 =
総余剰 = これが⑤の答え
* 参入規制がない場合:
需要曲線の切片は のとき 。
供給曲線を について解くと 。 供給曲線の切片は のとき 。
消費者余剰 =
生産者余剰 =
総余剰 = これが⑥の答え
(4) 生産者余剰
*参入規制がある場合
に を代入すると となる。
生産者余剰は これが⑦の答え
*参入規制がない場合
に を代入すると となる。
生産者余剰は
既存の生産者の生産量と価格が不明なので、全体の生産者余剰を答える。しかし、問題文から、既存の生産者から見ると規制緩和によって余剰が減少することを意味しているので、4050よりも小さくなる。 規制緩和以前に生産していた量を とすると、規制緩和後の価格は110なので、生産者余剰の変化は - 3600になる。
3. 最終的な答え
(1) 140
(2) 60
(3) 110
(4) 90
(5) 5400
(6) 8100
(7) 3600
(8) 既存生産者の余剰は減少し、規制緩和前より小さくなる。