高さ $h$ [m] の斜面上の質量 $m$ [kg] の物体Aが初速度ゼロで滑り落ち、水平面上に置かれた質量 $M$ [kg] の物体Bと衝突し一体となる。物体Bはばね定数 $k$ [N/m] のばねにつながれている。 (1) 衝突直前の物体Aの速さ $v$ [m/s] を求める。 (2) 衝突直後の一体となった物体の速さ $V$ [m/s] を求める。 (3) 一体となった後、ばねが最も縮んだときの縮み $x_{max}$ [m] を求める。 重力加速度の大きさは $g$ [m/s$^2$]とする。

応用数学力学エネルギー保存則運動量保存則衝突ばね
2025/6/21

1. 問題の内容

高さ hh [m] の斜面上の質量 mm [kg] の物体Aが初速度ゼロで滑り落ち、水平面上に置かれた質量 MM [kg] の物体Bと衝突し一体となる。物体Bはばね定数 kk [N/m] のばねにつながれている。
(1) 衝突直前の物体Aの速さ vv [m/s] を求める。
(2) 衝突直後の一体となった物体の速さ VV [m/s] を求める。
(3) 一体となった後、ばねが最も縮んだときの縮み xmaxx_{max} [m] を求める。
重力加速度の大きさは gg [m/s2^2]とする。

2. 解き方の手順

(1) 物体Aの水平面での衝突直前の速さ vv [m/s] を求める。
物体Aが斜面を滑り落ちる間、力学的エネルギーが保存される。
初期状態では、物体Aは高さ hh に静止しているので、位置エネルギーは mghmgh、運動エネルギーは 00 である。
水平面に達したとき、位置エネルギーは 00、運動エネルギーは 12mv2\frac{1}{2}mv^2 である。
力学的エネルギー保存則より、
mgh=12mv2mgh = \frac{1}{2}mv^2
v2=2ghv^2 = 2gh
v=2ghv = \sqrt{2gh}
(2) 物体Aと物体Bが衝突し、一体となった直後の速さ VV [m/s] を求める。
衝突の際、運動量が保存される。
衝突前、物体Aの運動量は mvmv、物体Bの運動量は 00 である。
衝突後、一体となった物体の質量は m+Mm+M、速さは VV なので、運動量は (m+M)V(m+M)V である。
運動量保存則より、
mv=(m+M)Vmv = (m+M)V
V=mm+MvV = \frac{m}{m+M}v
V=mm+M2ghV = \frac{m}{m+M}\sqrt{2gh}
(3) 一体となった後、ばねが最も縮んだときの縮み xmaxx_{max} [m] を求める。
一体となった物体がばねを縮める際、力学的エネルギーが保存される。
ばねが縮む前の運動エネルギーは 12(m+M)V2\frac{1}{2}(m+M)V^2、ばねの弾性エネルギーは 00 である。
ばねが最も縮んだとき、運動エネルギーは 00、弾性エネルギーは 12kxmax2\frac{1}{2}kx_{max}^2 である。
力学的エネルギー保存則より、
12(m+M)V2=12kxmax2\frac{1}{2}(m+M)V^2 = \frac{1}{2}kx_{max}^2
xmax2=m+MkV2x_{max}^2 = \frac{m+M}{k}V^2
xmax2=m+Mk(mm+M2gh)2x_{max}^2 = \frac{m+M}{k} \left( \frac{m}{m+M}\sqrt{2gh} \right)^2
xmax2=m+Mkm2(m+M)2(2gh)x_{max}^2 = \frac{m+M}{k} \frac{m^2}{(m+M)^2} (2gh)
xmax2=2ghm2k(m+M)x_{max}^2 = \frac{2ghm^2}{k(m+M)}
xmax=2ghm2k(m+M)x_{max} = \sqrt{\frac{2ghm^2}{k(m+M)}}
xmax=m2ghk(m+M)x_{max} = m\sqrt{\frac{2gh}{k(m+M)}}

3. 最終的な答え

(1) 水平面での衝突直前の物体Aの速さ vv [m/s] は、
v=2ghv = \sqrt{2gh}
(2) 物体Aと物体Bが衝突し、一体となった直後の速さ VV [m/s] は、
V=mm+M2ghV = \frac{m}{m+M}\sqrt{2gh}
(3) 一体となったあと、ばねがもっとも縮んだときの縮んだ長さ xmaxx_{max} [m] は、
xmax=m2ghk(m+M)x_{max} = m\sqrt{\frac{2gh}{k(m+M)}}

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