$a, b$ は実数とする。次の (1)〜(5) のそれぞれについて、左側の条件が右側の条件であるための必要条件、十分条件、必要十分条件、あるいは必要条件でも十分条件でもないかを判断し、選択肢の中から適切なものを選ぶ問題です。

代数学条件必要条件十分条件不等式絶対値
2025/6/22

1. 問題の内容

a,ba, b は実数とする。次の (1)〜(5) のそれぞれについて、左側の条件が右側の条件であるための必要条件、十分条件、必要十分条件、あるいは必要条件でも十分条件でもないかを判断し、選択肢の中から適切なものを選ぶ問題です。

2. 解き方の手順

(1) a+b>0a+b>0 かつ ab>0ab>0 は、a>0a>0 かつ b>0b>0 であるための条件を考える。
a>0a>0 かつ b>0b>0 ならば、a+b>0a+b>0 かつ ab>0ab>0 は明らかに成り立つ。
しかし、a+b>0a+b>0 かつ ab>0ab>0 であっても、a>0a>0 かつ b>0b>0 とは限らない。例えば、a=1,b=2a=-1, b=-2 の場合、a+b=3<0a+b=-3<0 であるから a,ba, b 両方負になることはない。もし、a<0a<0と仮定すると、bbも負になり、a+b<0a+b<0となり矛盾する。したがって、a+b>0a+b>0かつab>0ab>0であるためには、a>0a>0かつb>0b>0が必要である。
したがって、a+b>0a+b>0 かつ ab>0ab>0 は、a>0a>0 かつ b>0b>0 であるための必要条件であるが、十分条件ではない。 答えは ①
(2) a>2a>2 かつ b>2b>2 は、a+b>4a+b>4 かつ ab>4ab>4 であるための条件を考える。
a>2a>2 かつ b>2b>2 ならば、a+b>4a+b>4 かつ ab>4ab>4 は明らかに成り立つ。
逆に、a+b>4a+b>4 かつ ab>4ab>4 であっても、a>2a>2 かつ b>2b>2 とは限らない。例えば、a=1,b=5a=1, b=5 の場合、a+b=6>4a+b=6>4 かつ ab=5>4ab=5>4 を満たすが、a>2a>2 ではない。
したがって、a>2a>2 かつ b>2b>2 は、a+b>4a+b>4 かつ ab>4ab>4 であるための十分条件であるが、必要条件ではない。答えは ②
(3) a2=b2a^2=b^2 は、a4=b4a^4=b^4 であるための条件を考える。
a2=b2a^2=b^2 ならば、a4=b4a^4=b^4 は明らかに成り立つ。
逆に、a4=b4a^4=b^4 ならば、a2=b2a^2=b^2 も成り立つ。なぜならば、a4b4=(a2b2)(a2+b2)=0a^4-b^4 = (a^2 - b^2)(a^2 + b^2) = 0 であり、a,ba, b は実数なので、a2+b2=0a^2+b^2=0 となるには、a=b=0a=b=0である必要があるため、a2=b2a^2 = b^2 が成立する。
したがって、a2=b2a^2=b^2 は、a4=b4a^4=b^4 であるための必要十分条件である。答えは ③
(4) a>ba>b は、a2>b2a^2>b^2 であるための条件を考える。
a>ba>b であっても、a2>b2a^2>b^2 とは限らない。例えば、a=1,b=2a=1, b=-2 の場合、a>ba>b は成り立つが、a2=1,b2=4a^2=1, b^2=4 であるから、a2<b2a^2 < b^2 となる。
逆に、a2>b2a^2>b^2 であっても、a>ba>b とは限らない。例えば、a=1,b=0a=-1, b=0 の場合、a2=1,b2=0a^2=1, b^2=0 であるから、a2>b2a^2>b^2 は成り立つが、a<ba<b となる。
したがって、a>ba>b は、a2>b2a^2>b^2 であるための必要条件でも十分条件でもない。答えは ④
(5) a=b|a|=|b| は、ab>0ab>0 であるための条件を考える。
a=b|a|=|b| であっても、ab>0ab>0 とは限らない。例えば、a=1,b=1a=1, b=-1 の場合、a=1,b=1|a|=1, |b|=1 であるから、a=b|a|=|b| は成り立つが、ab=1<0ab=-1<0 となる。
逆に、ab>0ab>0 であっても、a=b|a|=|b| とは限らない。もし、a=1,b=2a=1, b=2なら、ab=2>0ab=2>0だが、ab|a| \neq |b|
したがって、a=b|a|=|b| は、ab>0ab>0 であるための必要条件でも十分条件でもない。答えは ④

3. 最終的な答え

(1) ①
(2) ②
(3) ③
(4) ④
(5) ④

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