ある町で、カラスによるごみ袋荒らしの被害件数が1日平均60件、標準偏差が10件である。この被害件数は正規分布に従うとする。対策として、全てのごみ袋にネコの絵を描いたところ、その日の被害件数は58件だった。ネコの絵はカラスよけに効果があると言えるかを検討する問題である。この問題に対する仮説検定の手順が問われている。具体的に、帰無仮説「ネコの絵は被害を減らせない」を棄却できる条件を問うている。

確率論・統計学仮説検定正規分布統計的有意性z値
2025/6/22

1. 問題の内容

ある町で、カラスによるごみ袋荒らしの被害件数が1日平均60件、標準偏差が10件である。この被害件数は正規分布に従うとする。対策として、全てのごみ袋にネコの絵を描いたところ、その日の被害件数は58件だった。ネコの絵はカラスよけに効果があると言えるかを検討する問題である。この問題に対する仮説検定の手順が問われている。具体的に、帰無仮説「ネコの絵は被害を減らせない」を棄却できる条件を問うている。

2. 解き方の手順

与えられた情報から、被害件数の分布は平均 μ=60μ = 60、標準偏差 σ=10σ = 10 の正規分布に従うと考えられる。ネコの絵を描いた日の被害件数 x=58x = 58 が、この分布からどれだけ外れているかを評価することで、ネコの絵の効果を判断する。帰無仮説は「ネコの絵は被害を減らせない」であるから、これを棄却するには、ネコの絵を描いた日の被害件数が、通常よりも十分に少ないことを示す必要がある。
具体的には、58が60からどれくらい離れているかを標準偏差を基準にして評価する。
zz値を計算すると、
z=xμσ=586010=210=0.2z = \frac{x - μ}{σ} = \frac{58 - 60}{10} = \frac{-2}{10} = -0.2
z=0.2z=-0.2であるので、58という値は平均より少し小さい程度である。したがって、カラスの害の件数が通常より十分少ないとき、帰無仮説「ネコの絵は被害を減らせない」を棄却できる。

3. 最終的な答え

2.◯ カラスの害の件数が通常より十分少ないときである。

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