1個のサイコロを投げて、出た目の数が素数のときその数を確率変数 $X$ とし、素数でないときは $X=6$ とする。次に、2枚の硬貨を投げて、表の出た枚数を確率変数 $Y$ とする。このとき、$V(2X+Y)$ と $V(3X-2Y)$ を求めよ。

確率論・統計学確率変数確率分布期待値分散独立性
2025/6/23

1. 問題の内容

1個のサイコロを投げて、出た目の数が素数のときその数を確率変数 XX とし、素数でないときは X=6X=6 とする。次に、2枚の硬貨を投げて、表の出た枚数を確率変数 YY とする。このとき、V(2X+Y)V(2X+Y)V(3X2Y)V(3X-2Y) を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、XXYY の確率分布を求めます。
XX について:
サイコロの目が素数(2, 3, 5)となる確率は 3/6=1/23/6 = 1/2。このとき、XX はそれぞれ 2, 3, 5 をとる。
サイコロの目が素数でない(1, 4, 6)となる確率は 3/6=1/23/6 = 1/2。このとき、X=6X = 6 となる。
XX の確率分布は次のようになる。
P(X=2)=1/6P(X=2) = 1/6
P(X=3)=1/6P(X=3) = 1/6
P(X=5)=1/6P(X=5) = 1/6
P(X=6)=1/2P(X=6) = 1/2
YY について:
2枚の硬貨を投げるとき、表の出る枚数 YY は 0, 1, 2 のいずれかである。
P(Y=0)=(1/2)2=1/4P(Y=0) = (1/2)^2 = 1/4
P(Y=1)=2×(1/2)×(1/2)=1/2P(Y=1) = 2 \times (1/2) \times (1/2) = 1/2
P(Y=2)=(1/2)2=1/4P(Y=2) = (1/2)^2 = 1/4
次に、XXYY の期待値 E(X)E(X)E(Y)E(Y) を計算します。
E(X)=2×(1/6)+3×(1/6)+5×(1/6)+6×(1/2)=1/3+1/2+5/6+3=1/3+1/2+5/6+18/6=(2+3+5+18)/6=28/6=14/3E(X) = 2 \times (1/6) + 3 \times (1/6) + 5 \times (1/6) + 6 \times (1/2) = 1/3 + 1/2 + 5/6 + 3 = 1/3 + 1/2 + 5/6 + 18/6 = (2+3+5+18)/6 = 28/6 = 14/3
E(Y)=0×(1/4)+1×(1/2)+2×(1/4)=0+1/2+1/2=1E(Y) = 0 \times (1/4) + 1 \times (1/2) + 2 \times (1/4) = 0 + 1/2 + 1/2 = 1
次に、X2X^2Y2Y^2 の期待値 E(X2)E(X^2)E(Y2)E(Y^2) を計算します。
E(X2)=22×(1/6)+32×(1/6)+52×(1/6)+62×(1/2)=4/6+9/6+25/6+36/2=4/6+9/6+25/6+108/6=(4+9+25+108)/6=146/6=73/3E(X^2) = 2^2 \times (1/6) + 3^2 \times (1/6) + 5^2 \times (1/6) + 6^2 \times (1/2) = 4/6 + 9/6 + 25/6 + 36/2 = 4/6 + 9/6 + 25/6 + 108/6 = (4+9+25+108)/6 = 146/6 = 73/3
E(Y2)=02×(1/4)+12×(1/2)+22×(1/4)=0+1/2+4/4=0+1/2+1=3/2E(Y^2) = 0^2 \times (1/4) + 1^2 \times (1/2) + 2^2 \times (1/4) = 0 + 1/2 + 4/4 = 0 + 1/2 + 1 = 3/2
次に、XXYY の分散 V(X)V(X)V(Y)V(Y) を計算します。
V(X)=E(X2)(E(X))2=73/3(14/3)2=73/3196/9=(219196)/9=23/9V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 = 73/3 - (14/3)^2 = 73/3 - 196/9 = (219 - 196)/9 = 23/9
V(Y)=E(Y2)(E(Y))2=3/212=3/21=1/2V(Y) = E(Y^2) - (E(Y))^2 = 3/2 - 1^2 = 3/2 - 1 = 1/2
V(2X+Y)=22V(X)+V(Y)+2×2Cov(X,Y)V(2X+Y) = 2^2 V(X) + V(Y) + 2 \times 2 Cov(X,Y)
XXYYは独立なので、Cov(X,Y)=0Cov(X,Y) = 0
V(2X+Y)=4V(X)+V(Y)=4(23/9)+1/2=92/9+1/2=(184+9)/18=193/18V(2X+Y) = 4V(X) + V(Y) = 4(23/9) + 1/2 = 92/9 + 1/2 = (184+9)/18 = 193/18
V(3X2Y)=32V(X)+(2)2V(Y)+2×3×(2)Cov(X,Y)V(3X-2Y) = 3^2 V(X) + (-2)^2 V(Y) + 2 \times 3 \times (-2) Cov(X,Y)
XXYYは独立なので、Cov(X,Y)=0Cov(X,Y) = 0
V(3X2Y)=9V(X)+4V(Y)=9(23/9)+4(1/2)=23+2=25V(3X-2Y) = 9V(X) + 4V(Y) = 9(23/9) + 4(1/2) = 23 + 2 = 25

3. 最終的な答え

V(2X+Y)=19318V(2X+Y) = \frac{193}{18}
V(3X2Y)=25V(3X-2Y) = 25

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