数列 $1, 2, 3, \dots, n$ において、次の積の和を求める。 (1) 異なる2つの項の積の和 ($n \geq 2$) (2) 互いに隣り合わない異なる2つの項の積の和 ($n \geq 3$)

代数学数列総和組み合わせ包除原理
2025/6/22

1. 問題の内容

数列 1,2,3,,n1, 2, 3, \dots, n において、次の積の和を求める。
(1) 異なる2つの項の積の和 (n2n \geq 2)
(2) 互いに隣り合わない異なる2つの項の積の和 (n3n \geq 3)

2. 解き方の手順

(1) 異なる2つの項の積の和
まず、数列の総和 S1S_1 と2乗の和 S2S_2 を求める。
S1=k=1nk=n(n+1)2S_1 = \sum_{k=1}^{n} k = \frac{n(n+1)}{2}
S2=k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6S_2 = \sum_{k=1}^{n} k^2 = \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}
異なる2つの項の積の和を AA とする。
AA は、全体の2乗和から各項の2乗を引いて2で割ったものに等しい。つまり、
A=S12S22A = \frac{S_1^2 - S_2}{2}
S12=(n(n+1)2)2=n2(n+1)24=n2(n2+2n+1)4=n4+2n3+n24S_1^2 = \left( \frac{n(n+1)}{2} \right)^2 = \frac{n^2(n+1)^2}{4} = \frac{n^2(n^2 + 2n + 1)}{4} = \frac{n^4 + 2n^3 + n^2}{4}
A=12(n4+2n3+n24n(n+1)(2n+1)6)=12(n4+2n3+n242n3+3n2+n6)A = \frac{1}{2} \left( \frac{n^4 + 2n^3 + n^2}{4} - \frac{n(n+1)(2n+1)}{6} \right) = \frac{1}{2} \left( \frac{n^4 + 2n^3 + n^2}{4} - \frac{2n^3 + 3n^2 + n}{6} \right)
A=124(6(n4+2n3+n2)4(2n3+3n2+n))=124(6n4+12n3+6n28n312n24n)A = \frac{1}{24} \left( 6(n^4 + 2n^3 + n^2) - 4(2n^3 + 3n^2 + n) \right) = \frac{1}{24} \left( 6n^4 + 12n^3 + 6n^2 - 8n^3 - 12n^2 - 4n \right)
A=124(6n4+4n36n24n)=n24(6n3+4n26n4)=n(n1)(n+1)(3n+2)24A = \frac{1}{24} \left( 6n^4 + 4n^3 - 6n^2 - 4n \right) = \frac{n}{24} \left( 6n^3 + 4n^2 - 6n - 4 \right) = \frac{n(n-1)(n+1)(3n+2)}{24}
(2) 互いに隣り合わない異なる2つの項の積の和
数列 1,2,3,,n1, 2, 3, \dots, n から、隣り合わない異なる2つの項を選ぶ。
選んだ2つの項を i,ji, j とする。ただし、1i<jn1 \leq i < j \leq n かつ ji>1j - i > 1 である。
この条件を満たす i,ji, j の組み合わせについて、積 i×ji \times j を全て足し合わせたものが求める答えとなる。
この問題を直接計算するのは難しいので、包除原理を用いる。
まず、全ての組み合わせの積の和から、隣り合う項の積の和を引く。
隣り合う項の積の和を BB とする。
B=k=1n1k(k+1)=k=1n1(k2+k)=k=1n1k2+k=1n1k=(n1)n(2n1)6+(n1)n2B = \sum_{k=1}^{n-1} k(k+1) = \sum_{k=1}^{n-1} (k^2 + k) = \sum_{k=1}^{n-1} k^2 + \sum_{k=1}^{n-1} k = \frac{(n-1)n(2n-1)}{6} + \frac{(n-1)n}{2}
B=(n1)n(2n1)+3(n1)n6=(n1)n(2n1+3)6=(n1)n(2n+2)6=(n1)n(n+1)3B = \frac{(n-1)n(2n-1) + 3(n-1)n}{6} = \frac{(n-1)n(2n-1+3)}{6} = \frac{(n-1)n(2n+2)}{6} = \frac{(n-1)n(n+1)}{3}
求める和を CC とすると、C=AB=n(n1)(n+1)(3n+2)24n(n1)(n+1)3=n(n1)(n+1)(3n+2)8n(n1)(n+1)24=n(n1)(n+1)(3n+28)24=n(n1)(n+1)(3n6)24=3n(n1)(n+1)(n2)24=n(n2)(n1)(n+1)8C = A - B = \frac{n(n-1)(n+1)(3n+2)}{24} - \frac{n(n-1)(n+1)}{3} = \frac{n(n-1)(n+1)(3n+2) - 8n(n-1)(n+1)}{24} = \frac{n(n-1)(n+1)(3n+2-8)}{24} = \frac{n(n-1)(n+1)(3n-6)}{24} = \frac{3n(n-1)(n+1)(n-2)}{24} = \frac{n(n-2)(n-1)(n+1)}{8}

3. 最終的な答え

(1) 異なる2つの項の積の和: n(n1)(n+1)(3n+2)24\frac{n(n-1)(n+1)(3n+2)}{24}
(2) 互いに隣り合わない異なる2つの項の積の和: n(n2)(n1)(n+1)8\frac{n(n-2)(n-1)(n+1)}{8}

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