正則行列 $P$ を用いて、行列 $A$ が $P^{-1}AP = \begin{bmatrix} \alpha & 0 \\ 0 & \beta \end{bmatrix}$ と対角化されたとする。 (1) $\det(P^{-1}) = (\det P)^{-1}$ であることを示す。 (2) $\det(P^{-1}AP) = \det A$ であることを示す。 (3) $\alpha$ と $\beta$ は $A$ の固有値であることを示す。
2025/6/22
1. 問題の内容
正則行列 を用いて、行列 が と対角化されたとする。
(1) であることを示す。
(2) であることを示す。
(3) と は の固有値であることを示す。
2. 解き方の手順
(1)
行列 とその逆行列 に対して、 (単位行列) が成り立つ。
両辺の行列式を取ると、 となる。
行列式の性質より、 であり、 である。
したがって、 となる。
であるから、両辺を で割ると、 が得られる。
(2)
行列式の性質より、 となる。
(1) の結果より、 であるから、
したがって、 が示された。
(3)
である。
(2) より、 であるから、 となる。
であるから、 が成り立つ。
より、 となる。
一方、 は の固有多項式であり、その根が固有値である。
したがって、 を満たす が の固有値である。
よって、 が の固有値である。
3. 最終的な答え
(1)
(2)
(3) と は の固有値である。