問題1: $1<x<y<z$ を満たす整数 $x$, $y$, $z$ があり、$(xy-1)(yz-1)(zx-1)$ が $xyz$ で割り切れるとき、$x$, $y$, $z$ の値を求めよ。 問題2: $n$ を4以上の整数とする。$a_1, a_2, a_3, \dots, a_n$ が等差数列をなし、$\frac{1}{a_1}, \frac{1}{a_2}, \frac{1}{a_3}, \dots, \frac{1}{a_n}$ が等比数列をなすとき、等差数列の一般項 $a_k$ を $a_1$ を用いて表せ。ただし、$a_1 \neq 0$とする。

数論整数の性質等差数列等比数列約数
2025/6/23

1. 問題の内容

問題1: 1<x<y<z1<x<y<z を満たす整数 xx, yy, zz があり、(xy1)(yz1)(zx1)(xy-1)(yz-1)(zx-1)xyzxyz で割り切れるとき、xx, yy, zz の値を求めよ。
問題2: nn を4以上の整数とする。a1,a2,a3,,ana_1, a_2, a_3, \dots, a_n が等差数列をなし、1a1,1a2,1a3,,1an\frac{1}{a_1}, \frac{1}{a_2}, \frac{1}{a_3}, \dots, \frac{1}{a_n} が等比数列をなすとき、等差数列の一般項 aka_ka1a_1 を用いて表せ。ただし、a10a_1 \neq 0とする。

2. 解き方の手順

**問題1**
(xy1)(yz1)(zx1)(xy-1)(yz-1)(zx-1)xyzxyz で割り切れるということは、ある整数 kk が存在して、
(xy1)(yz1)(zx1)=kxyz(xy-1)(yz-1)(zx-1) = kxyz
が成り立つ。
展開すると、
x2y2z2xy2zxyz2x2yz+xy+yz+zx1=kxyzx^2y^2z^2 - xy^2z - xyz^2 - x^2yz + xy + yz + zx - 1 = kxyz
xyzxy2zxyzxyz2xyzx2yzxyz+xyxyz+yzxyz+zxxyz1xyz=kxyz - \frac{xy^2z}{xyz} - \frac{xyz^2}{xyz} - \frac{x^2yz}{xyz} + \frac{xy}{xyz} + \frac{yz}{xyz} + \frac{zx}{xyz} - \frac{1}{xyz} = k
xyz(x+y+z)+1x+1y+1z1xyz=kxyz - (x+y+z) + \frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} - \frac{1}{xyz} = k
ここで、kkは整数である。x,y,zx, y, zは整数より、xyz(x+y+z)xyz-(x+y+z)は整数である。すると、1x+1y+1z1xyz\frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} - \frac{1}{xyz}が整数である必要がある。
1<x<y<z1 < x < y < z なので、x2,y3,z4x \ge 2, y \ge 3, z \ge 4 である。
1x+1y+1z12+13+14=6+4+312=1312<2\frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} \le \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{4} = \frac{6+4+3}{12} = \frac{13}{12} < 2
1x,1y,1z\frac{1}{x}, \frac{1}{y}, \frac{1}{z}は正なので、1x+1y+1z1xyz\frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} - \frac{1}{xyz} は整数となるためには、
1x+1y+1z1xyz=1\frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} - \frac{1}{xyz} = 1 でなくてはならない。
xy+yz+zx1xyz=1\frac{xy+yz+zx-1}{xyz}=1
xy+yz+zx1=xyzxy+yz+zx-1=xyz
xy+yz+zx=xyz+1xy+yz+zx=xyz+1
x=2x=2 のとき、2y+yz+2z=2yz+12y+yz+2z=2yz+1
yz2y2z+1=0yz-2y-2z+1=0
yz2y2z+4=3yz-2y-2z+4=3
(y2)(z2)=3(y-2)(z-2)=3
1<x<y<z1 < x < y < zより、y2=1y-2=1, z2=3z-2=3であるから、y=3y=3, z=5z=5.
x=3x=3 のとき、3y+yz+3z=3yz+13y+yz+3z=3yz+1
2yz3y3z+1=02yz-3y-3z+1=0
4yz6y6z+2=04yz-6y-6z+2=0
(2y3)(2z3)=92=7(2y-3)(2z-3)=9-2=7
2y3=12y-3=1, 2z3=72z-3=7 より 2y=4,2z=102y=4, 2z=10 なので、y=2,z=5y=2, z=5.
しかし、x<yx<yを満たさないので不適。
したがって、x=2,y=3,z=5x=2, y=3, z=5
**問題2**
a1,a2,,ana_1, a_2, \dots, a_n は等差数列なので、ak=a1+(k1)da_k = a_1 + (k-1)ddd は公差)
1a1,1a2,,1an\frac{1}{a_1}, \frac{1}{a_2}, \dots, \frac{1}{a_n} は等比数列なので、1ak=1a1rk1\frac{1}{a_k} = \frac{1}{a_1}r^{k-1}rr は公比)
ak=a1rk1a_k = \frac{a_1}{r^{k-1}}
したがって、a1+(k1)d=a1rk1a_1 + (k-1)d = \frac{a_1}{r^{k-1}} が成り立つ。
k=1k=1 のとき、a1=a1r0=a1a_1 = \frac{a_1}{r^0} = a_1
k=2k=2 のとき、a1+d=a1ra_1+d = \frac{a_1}{r}
k=3k=3 のとき、a1+2d=a1r2a_1+2d = \frac{a_1}{r^2}
a1+d=a1ra_1+d = \frac{a_1}{r} より、d=a1ra1=a1(1r1)d = \frac{a_1}{r} - a_1 = a_1(\frac{1}{r}-1)
a1+2d=a1r2a_1+2d = \frac{a_1}{r^2} より、a1+2a1(1r1)=a1r2a_1+2a_1(\frac{1}{r}-1) = \frac{a_1}{r^2}
1+2(1r1)=1r21 + 2(\frac{1}{r}-1) = \frac{1}{r^2}
1+2r2=1r21 + \frac{2}{r} - 2 = \frac{1}{r^2}
2r1=1r2\frac{2}{r} - 1 = \frac{1}{r^2}
2rr2=12r - r^2 = 1
r22r+1=0r^2 - 2r + 1 = 0
(r1)2=0(r-1)^2 = 0
r=1r=1
r=1r=1 のとき、ak=a1a_k = a_1
ak=a1+(k1)da_k = a_1+(k-1)d なので、a1=a1+(k1)da_1 = a_1 + (k-1)d
(k1)d=0(k-1)d=0
k4k \ge 4 より d=0d=0.
ak=a1a_k = a_1

3. 最終的な答え

問題1: (x,y,z)=(2,3,5)(x, y, z) = (2, 3, 5)
問題2: ak=a1a_k = a_1

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