関数 $f(x) = \arctan(\cos(x))$ が与えられている。 (1) $f'(0)$ と $f''(0)$ を求めよ。 (2) $\lim_{x \to 0} \frac{f(x) - a}{x^2} = A$ が存在するような実数 $a$ と、そのときの極限値 $A$ を求めよ。

はい、承知いたしました。

1. 問題の内容

関数 $f(x) = \arctan(\cos(x))$ が与えられている。

(1) $f'(0)$ と $f''(0)$ を求めよ。

(2) $\lim_{x \to 0} \frac{f(x) - a}{x^2} = A$ が存在するような実数 $a$ と、そのときの極限値 $A$ を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) まず、$f(x)$ の導関数を求める。

$f'(x) = \frac{1}{1+\cos^2(x)} \cdot (-\sin(x)) = \frac{-\sin(x)}{1+\cos^2(x)}$

$f'(0) = \frac{-\sin(0)}{1+\cos^2(0)} = \frac{0}{1+1} = 0$

次に、$f''(x)$ を求める。

$f''(x) = \frac{-\cos(x)(1+\cos^2(x)) - (-\sin(x))(2\cos(x)(-\sin(x)))}{(1+\cos^2(x))^2}$

$= \frac{-\cos(x)-\cos^3(x) - 2\sin^2(x)\cos(x)}{(1+\cos^2(x))^2}$

$= \frac{-\cos(x)-\cos^3(x) - 2(1-\cos^2(x))\cos(x)}{(1+\cos^2(x))^2}$

$= \frac{-\cos(x)-\cos^3(x) - 2\cos(x)+2\cos^3(x)}{(1+\cos^2(x))^2}$

$= \frac{\cos^3(x) - 3\cos(x)}{(1+\cos^2(x))^2}$

$f''(0) = \frac{\cos^3(0) - 3\cos(0)}{(1+\cos^2(0))^2} = \frac{1-3}{(1+1)^2} = \frac{-2}{4} = -\frac{1}{2}$

(2) $\lim_{x \to 0} \frac{f(x) - a}{x^2} = A$ が存在するためには、$x \to 0$ のとき、$f(x) - a \to 0$ でなければならない。これは、$a = f(0)$ であることを意味する。

$f(0) = \arctan(\cos(0)) = \arctan(1) = \frac{\pi}{4}$

したがって、$a = \frac{\pi}{4}$

次に、極限値 $A$ を求める。$\lim_{x \to 0} \frac{f(x) - \frac{\pi}{4}}{x^2} = A$ に対して、ロピタルの定理を適用する。

$\lim_{x \to 0} \frac{f(x) - \frac{\pi}{4}}{x^2} = \lim_{x \to 0} \frac{f'(x)}{2x}$

再びロピタルの定理を適用する。

$\lim_{x \to 0} \frac{f'(x)}{2x} = \lim_{x \to 0} \frac{f''(x)}{2}$

$\lim_{x \to 0} \frac{f''(x)}{2} = \frac{f''(0)}{2} = \frac{-\frac{1}{2}}{2} = -\frac{1}{4}$

したがって、$A = -\frac{1}{4}$

3. 最終的な答え

(1) $f'(0) = 0$, $f''(0) = -\frac{1}{2}$

(2) $a = \frac{\pi}{4}$, $A = -\frac{1}{4}$