複素数 $w$ と $z$ が $w = \frac{iz}{z-2}$ を満たしているとき、以下の問いに答えます。 (1) $z$ が原点を中心とする半径2の円周上を動くとき、$w$ はどのような図形を描くか。ただし、$z \ne 2$ とする。 (2) $z$ が虚軸上を動くとき、$w$ はどのような図形を描くか。 (3) $w$ が実軸上を動くとき、$z$ はどのような図形を描くか。

代数学複素数複素平面図形直線
2025/6/24

1. 問題の内容

複素数 wwzzw=izz2w = \frac{iz}{z-2} を満たしているとき、以下の問いに答えます。
(1) zz が原点を中心とする半径2の円周上を動くとき、ww はどのような図形を描くか。ただし、z2z \ne 2 とする。
(2) zz が虚軸上を動くとき、ww はどのような図形を描くか。
(3) ww が実軸上を動くとき、zz はどのような図形を描くか。

2. 解き方の手順

(1) zz が原点を中心とする半径2の円周上を動くので、z=2|z| = 2 と表せます。
w=izz2w = \frac{iz}{z-2} より、w(z2)=izw(z-2) = iz なので、wz2w=izwz - 2w = iz となり、z(wi)=2wz(w-i) = 2w が得られます。
したがって、z=2wwiz = \frac{2w}{w-i} となります。
z=2|z| = 2 より、2wwi=2|\frac{2w}{w-i}| = 2 なので、2w=2wi|2w| = 2|w-i| となり、w=wi|w| = |w-i| が得られます。
これは、wwii の距離が、ww と原点の距離に等しいことを意味するので、ww は原点と ii を結ぶ線分の垂直二等分線上にあります。
したがって、ww は直線 Im(w)=12\mathrm{Im}(w) = \frac{1}{2} 上の点です。
z=2z=2 のとき、ww は定義されないので、z2z \ne 2 を考慮します。
z=2wwi=2z = \frac{2w}{w-i} = 2 のとき、2w=2(wi)2w = 2(w-i) より、2w=2w2i2w = 2w - 2i となり、0=2i0 = -2i となって矛盾します。
したがって、z2z \ne 2 という条件は、ww が直線 Im(w)=12\mathrm{Im}(w) = \frac{1}{2} 上のすべての点を取り得ることを意味します。
(2) zz が虚軸上を動くので、z=kiz = ki (kk は実数) と表せます。
w=izz2w = \frac{iz}{z-2} に代入すると、w=i(ki)ki2=kki2=k(ki2)(ki2)(ki2)=k2i+2kk2+4=2kk2+4+k2k2+4iw = \frac{i(ki)}{ki-2} = \frac{-k}{ki-2} = \frac{-k(-ki-2)}{(ki-2)(-ki-2)} = \frac{k^2i+2k}{k^2+4} = \frac{2k}{k^2+4} + \frac{k^2}{k^2+4}i となります。
w=x+yiw = x + yi とすると、x=2kk2+4x = \frac{2k}{k^2+4}y=k2k2+4y = \frac{k^2}{k^2+4} です。
x2+(y12)2=(2kk2+4)2+(k2k2+412)2=4k2(k2+4)2+(2k2(k2+4)2(k2+4))2=4k2(k2+4)2+(k24)24(k2+4)2=16k2+k48k2+164(k2+4)2=k4+8k2+164(k2+4)2=(k2+4)24(k2+4)2=14x^2 + (y - \frac{1}{2})^2 = (\frac{2k}{k^2+4})^2 + (\frac{k^2}{k^2+4} - \frac{1}{2})^2 = \frac{4k^2}{(k^2+4)^2} + (\frac{2k^2 - (k^2+4)}{2(k^2+4)})^2 = \frac{4k^2}{(k^2+4)^2} + \frac{(k^2-4)^2}{4(k^2+4)^2} = \frac{16k^2 + k^4 - 8k^2 + 16}{4(k^2+4)^2} = \frac{k^4 + 8k^2 + 16}{4(k^2+4)^2} = \frac{(k^2+4)^2}{4(k^2+4)^2} = \frac{1}{4}
したがって、ww は中心 (0,12)(0, \frac{1}{2})、半径 12\frac{1}{2} の円を描きます。z2z \ne 2 より、ww はこの円上のすべての点をとります。
(3) ww が実軸上を動くので、w=kw = k (kk は実数) と表せます。
w=izz2w = \frac{iz}{z-2} より、k=izz2k = \frac{iz}{z-2} なので、k(z2)=izk(z-2) = iz となり、kz2k=izkz - 2k = iz が得られます。
したがって、kziz=2kkz - iz = 2k より、z(ki)=2kz(k-i) = 2k となり、z=2kkiz = \frac{2k}{k-i} が得られます。
z=2k(k+i)(ki)(k+i)=2k2+2kik2+1=2k2k2+1+2kk2+1iz = \frac{2k(k+i)}{(k-i)(k+i)} = \frac{2k^2 + 2ki}{k^2+1} = \frac{2k^2}{k^2+1} + \frac{2k}{k^2+1}i となります。
z=x+yiz = x + yi とすると、x=2k2k2+1x = \frac{2k^2}{k^2+1}y=2kk2+1y = \frac{2k}{k^2+1} です。
x2+y2=(2k2k2+1)2+(2kk2+1)2=4k4+4k2(k2+1)2=4k2(k2+1)(k2+1)2=4k2k2+1=2xx^2 + y^2 = (\frac{2k^2}{k^2+1})^2 + (\frac{2k}{k^2+1})^2 = \frac{4k^4 + 4k^2}{(k^2+1)^2} = \frac{4k^2(k^2+1)}{(k^2+1)^2} = \frac{4k^2}{k^2+1} = 2x なので、x22x+y2=0x^2 - 2x + y^2 = 0 となり、(x1)2+y2=1(x-1)^2 + y^2 = 1 が得られます。
したがって、zz は中心 (1,0)(1, 0)、半径1の円を描きます。
z2z \ne 2 より、w=1w=1のときは除外します。なぜならz=2z=2となるのは、k=1k=1のときだからです。ゆえに、中心(1,0)(1,0), 半径1の円周上の点z=2z=2を除いた図形を描きます。

3. 最終的な答え

(1) 直線 Im(w)=12\mathrm{Im}(w) = \frac{1}{2}
(2) 中心 (0,12)(0, \frac{1}{2})、半径 12\frac{1}{2} の円
(3) 中心 (1,0)(1, 0)、半径1の円周上の点z=2z=2を除いた図形

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