1個100gを基準に製造された石けん100個を無作為抽出し調査したところ、その平均は98.5gであった。製造された石けん全体の重さの標準偏差が4gであるとき、標本調査の結果から、石けんの重さは平均100gではないと判断できるかを有意水準5%で両側検定せよ。

確率論・統計学仮説検定標本調査t検定有意水準両側検定標本平均標準偏差
2025/6/25

1. 問題の内容

1個100gを基準に製造された石けん100個を無作為抽出し調査したところ、その平均は98.5gであった。製造された石けん全体の重さの標準偏差が4gであるとき、標本調査の結果から、石けんの重さは平均100gではないと判断できるかを有意水準5%で両側検定せよ。

2. 解き方の手順

この問題は仮説検定の問題です。帰無仮説と対立仮説を立て、検定統計量を計算し、有意水準と比較することで結論を導きます。
* 帰無仮説: 石けんの平均重量は100gである。 (H0:μ=100H_0: \mu = 100)
* 対立仮説: 石けんの平均重量は100gではない。 (H1:μ100H_1: \mu \neq 100)
ここで、μ\muは母平均を表します。
検定統計量ttを計算します。標本平均xˉ\bar{x}、母集団の標準偏差σ\sigma、標本サイズnnを使って、次の式で計算します。
t = \frac{\bar{x} - \mu_0}{\frac{\sigma}{\sqrt{n}}}
ここで、μ0\mu_0は帰無仮説における平均値です。
問題文から、xˉ=98.5\bar{x} = 98.5g, μ0=100\mu_0 = 100g, σ=4\sigma = 4g, n=100n = 100なので、
t = \frac{98.5 - 100}{\frac{4}{\sqrt{100}}} = \frac{-1.5}{\frac{4}{10}} = \frac{-1.5}{0.4} = -3.75
有意水準は5%であり、両側検定なので、棄却域はt<tα/2,n1t < -t_{\alpha/2, n-1} または t>tα/2,n1t > t_{\alpha/2, n-1}です。ここで、α=0.05\alpha = 0.05であり、n1=99n-1 = 99です。自由度99のt分布におけるα/2=0.025\alpha/2=0.025の臨界値を求めると、約1.984となります。
(正確な値を求めるにはt分布表を参照するか、統計ソフトを使用します。)
したがって、棄却域は t<1.984t < -1.984 または t>1.984t > 1.984 です。
計算した検定統計量t=3.75t = -3.75 は、 3.75<1.984-3.75 < -1.984であるため、棄却域に入ります。
したがって、帰無仮説は棄却されます。

3. 最終的な答え

有意水準5%で両側検定を行った結果、石けんの重さは平均100gではないと判断できます。

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